研究・論文の仕事で使うAI NotebookLM・DeepL のプロンプト例と注意点

論文探し、長い論文の要約、複数の論文への質問、翻訳、英文の推敲、引用の確認など研究の9つの場面で、Perplexity、NotebookLM、ChatGPT、Claude、DeepL に頼むプロンプト例と、データの扱いをまとめた。

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この記事の要点

  • 研究や論文の仕事では、論文探し、長い論文の要約、複数の論文への質問、方法と限界の確認、翻訳、英文の推敲、文献の整理、先行研究のまとめの構成案、引用の確認に AI を使える。
  • 論文探しと引用の確認には出典を示す Perplexity、複数の論文の読み比べには NotebookLM、長い PDF の要約には Claude、構成案には ChatGPT の deep research、翻訳と推敲には DeepL が、それぞれの機能から向いている。
  • 最初に気をつけるのは、AI が存在しない論文や引用を示すことがある点だ。数字や結論、参考文献は、必ず元の論文で確かめる。
目次6

この記事で扱うツール

値は TRAIL のファクトパック(2026年10月25日時点)と、各ツールの使い方の記事による。NotebookLM は2026年7月に名前を Gemini Notebook に変えた。この記事では検索で使われることの多い旧名で呼ぶ。

ツール 得意なこと 無料の範囲 最安の有料プラン 会社で使うときのデータの扱い
Perplexity ウェブや論文を検索し、出典を示して答える 無料。Pro Search は1日3回、Research は月1回まで Pro 月$17相当(年払い) Enterprise Pro と Enterprise Max は、顧客のデータを学習に使わない
NotebookLM 読み込ませた資料だけを根拠に、引用付きで答える Standard(無料)。ノートブック100件、1ノートブックあたりソース50件 Google AI Plus ¥725/月 Google Workspace のアカウントでは、アップロード、質問、回答を学習に使わない
ChatGPT 文章の下書きと書き直し、deep research による引用付きのレポート 無料版。GPT-6 でのテキストチャットは無制限。画像や音声などは上限あり Go ¥1,400/月 Business、Enterprise、Edu のワークスペースの内容は、初期設定で学習に使わない
Claude PDF などの長い文書の読み込みと要約、文章の作成と翻訳 Free。Haiku と Sonnet が使える Pro $20/月(年払いは月$17) Team、Enterprise などの商用の製品は、初期設定で入力と出力を学習に使わない
DeepL 書式を保ったファイルの翻訳と、DeepL Write による推敲 無料版。テキスト翻訳は月50,000文字、ファイルの翻訳は月1件(5MBまで) Individual ¥1,150/月(年払いの月額換算、税込) DeepL Pro のデータは AI モデルの訓練に使わない

料金の通貨は、Perplexity と Claude が米ドルだ。Claude の額は税別で、日本向けのページでは消費税10%込みの額が表示される。Perplexity には確認を受けた学生と教員向けの Education Pro(月$10)もある。

場面ごとの使い方

ここでのプロンプトは各ツールにこう頼めるという例だ。[ ] の中を自分の内容に差し替えて使う。TRAIL は出力を確かめていないので、回答の中身は必ず元の論文で確かめる。

テーマに合う論文を探す

新しいテーマに取りかかり、まず読むべき論文の候補を集めたいときだ。Perplexity は質問を受けるとウェブを検索して要約し、回答のどの部分がどの出典から来たかを示す(Perplexity のヘルプセンター)。こうしたAI検索の Pro Search では、調べる先を「Academic」に絞ると、目的に合う出典から答えを作る。調べる先を「Academic」にして、次のように頼む。

プロンプト
[研究テーマ]について、直近5年に査読付きの論文で示された主な結果をまとめてください。
研究ごとに、著者、発表年、対象、方法、結論を表にし、出典のリンクを付けてください。
[除外したい条件(例:総説論文)]は除いてください。

ヘルプは1語だけで聞かず、はっきりした質問の形にするよう勧めている。表に並んだ論文は、リンク先で題名と著者が合っているかを確かめてから読む候補に入れる。手順は Perplexity の使い方にある。

長い論文の要点をつかむ

数十ページの論文や報告書を、読む前に全体の流れだけつかみたいときだ。Claude は PDF などの文書を読み込み、内容への質問や要約を頼める(Anthropic ヘルプセンター)。チャットボックスの「+」から論文の PDF を添付して、次のように頼む。

プロンプト
添付した論文を読んで、次の順にまとめてください。
1. 研究の問い(1〜2文)
2. 方法の概要
3. 主な結果(数字は本文の表記のまま)
4. 著者が述べている結論
それぞれに、根拠になった箇所の PDF のページ番号を付けてください。

ページを指定するときは、論文に印刷された番号ではなく PDF ビューアに出るページ番号を使う。図やグラフまで読むのは100ページ以下の PDF で、それより長い PDF は文字だけを読む。手順は Claude の使い方にある。

方法と限界を確かめる

論文の結論をどこまで信じてよいか、方法と限界の書かれ方を読み直したいときだ。Claude に同じ PDF を添付したまま、次のように頼む。

プロンプト
添付した論文について、次の点を本文から抜き出してください。
- 対象(サンプルの数、選び方、期間)
- 比較の条件と、対照群があるか
- 著者自身が限界として挙げている点
- 本文に書かれていない条件
抜き出した内容には PDF のページ番号を付け、本文にないことは推測で補わず「記載なし」と書いてください。

ヘルプは複雑な依頼を小さな段階に分け、回答には追加の指示で応えるよう勧めている。限界の判断は自分で行い、AI の抜き出しは原文の該当ページを開く手がかりにとどめる。

複数の論文にまとめて質問する

集めた数本から数十本の論文に、同じ問いを横断して投げたいときだ。NotebookLM はソースについての質問に、ソースのどこを使ったかを示す引用付きで答え、回答にはソースに含まれるデータだけを使う(Google の NotebookLM ヘルプ)。テーマごとにノートブックを作り、論文の PDF をソースに追加して、次のように頼む。

プロンプト
ソースにある論文のうち、[変数や条件]を扱っているものを挙げてください。
論文ごとに、[変数や条件]と[結果の指標]の関係について、どんな結果を報告しているかを1〜2文でまとめてください。
論文どうしで結果が食い違う点があれば、どの論文の記述かを分けて書いてください。

各ノートブックは独立していて、複数のノートブックの情報を同時に使うことはできない。比べたい論文は1つのノートブックに入れる。無料では1つのノートブックにソースを50件まで入れられる。引用を選ぶとソースの該当箇所に移れる。手順は NotebookLM の使い方にある。

英語の論文を日本語で読む

英語の論文を、図表の位置を保ったまま日本語で読みたいときだ。DeepL の文書ファイルの翻訳は、Word、PowerPoint、PDF などのファイルを、元の書式、画像、フォントを保ったまま訳し、タイトル、キャプション、脚注も訳す(DeepL ヘルプセンター)。AI翻訳の道具だ。「ファイルの翻訳」に論文のファイルを入れ、次のように選ぶ。

プロンプト
訳文の言語:日本語
語調:[常体(だ・である調)か 敬体(です・ます調)]
用語集:[専門用語の訳語を登録した用語集]

常体と敬体の切り替えは DeepL Pro で使える。無料版のファイルの翻訳は月1件、5MB、100,000文字までだ。PDF の訳文を Word(.docx)で受け取れるのは Team と Business になる。専門用語は用語集に登録しておくと訳語をそろえやすい。手順は DeepL の使い方にある。

英語で書いた原稿を推敲する

自分で書いた英語の論文や要旨の、文法と言い回しを整えたいときだ。DeepL Write は文法、スペル、句読点を直し、別の言い回しを提案する。テキストフィールドの右上の「スタイル」メニューで「学術的」を選ぶと、研究論文や学位論文向けの文体で書き換える(DeepL ヘルプセンター)。左側の枠に原稿を入れる。

プロンプト
[推敲したい英文の段落]

固有の用語はテキストフィールドの右上の「用語」から、編集してはいけない用語として登録できる。この機能は今は英語とドイツ語だけで使え、無料版では10語までだ。有料のアカウントを持たない人は1回1,500文字まで推敲できる。主張や数値が変わっていないかは、変えた箇所を1つずつ見て確かめる。

読んだ論文を一覧表に整理する

読んだ論文を、著者、年、方法、結果のような同じ項目で一覧にしたいときだ。NotebookLM の「データテーブル」は、ソースの内容を表にまとめる。「Studio」パネルの「データテーブル」で鉛筆アイコンを選び、プロンプト欄に次のように書く。

プロンプト
ソースの論文を一覧にする表を作ってください。
行:論文(第一著者と発表年)
列:題名、掲載誌、研究の問い、対象、方法、主な結果、著者が挙げた限界
論文に記載がない項目は空欄にしてください。

ヘルプは行と列の内容を書くと、目的に合った詳しい表になると説明している。できた表は「Google スプレッドシートにエクスポート」で書き出せ、引用文献は2つ目のタブに入る。掲載誌や発表年のような書誌の情報は、論文の PDF で確かめてから文献の管理に使う。手順は NotebookLM の使い方にある。

先行研究のまとめの構成案を作る

論文の序論や研究計画書に入れる先行研究のまとめを、どんな順で書くか考えたいときだ。ChatGPT の deep research は複数のオンラインの情報源を読み、引用付きのレポートにまとめ、文献の調査に向く(OpenAI のヘルプセンター)。ツールメニュー(+)から deep research を選び、次のように頼む。

プロンプト
[研究テーマ]の先行研究のまとめを書くための構成案を作ってください。
目的:[自分の研究の問い]の位置づけを示すこと
構成:研究の流れを3〜5の見出しに分け、見出しごとに代表的な研究と、まだ分かっていない点を挙げる
すべての研究に出典を付け、出典を確かめられないものは書かないでください。

ヘルプは質問、求める成果、関係する条件をはっきり書くよう勧めている。ChatGPT が出す調査計画は、始める前に確認して直せる。構成案に挙がった研究は、自分で論文を読んでから本文に使う。手順は ChatGPT の使い方にある。

参考文献と引用を確かめる

書いた原稿の参考文献が実在し、引用した内容が論文と合っているかを確かめたいときだ。Perplexity は回答に出典のリンクを付けるので、照合の手がかりを集めやすい。参考文献の一覧を貼り、次のように頼む。

プロンプト
次の参考文献について、1件ずつ検索して、同じ題名、著者、発表年の論文が見つかるか確かめてください。
見つかったものには、出版社か論文誌のページへのリンクを付けてください。
見つからないもの、題名や著者が一部違うものは、分けて一覧にしてください。

[参考文献の一覧を貼る]

この確認の結果にも誤りが入りうる。見つかったとされた論文もリンク先を開き、引用した数字や文が本文にあるかを自分で読む。

社内の情報を入れる前に

未発表の研究データや投稿前の原稿を入れる前に、使うプランでデータがどう扱われるかを確かめる。各ツールの公式の説明は次のとおりだ。

Perplexity

個人のプランでは、検索の内容とフィードバックが Perplexity の AI モデルの改善に使われる。止めるときは、設定の「AI Data Usage」をオフにする。Enterprise Pro と Enterprise Max では、顧客のデータを AI モデルの学習に使わない(Perplexity のヘルプと料金ページによる)。

NotebookLM

個人のアカウントではフィードバックを送らない限り、ノートブックの内容が Google の基盤モデルの学習に直接使われることはない。高評価や低評価のフィードバックを送ると、プロンプト、ソース、出力などが集められ、訓練を受けたチームが確認する。Google Workspace のアカウントでは、フィードバックを送った場合でも、アップロード、質問、回答が人によって確認されることも、AI モデルの学習に使われることもない(Google のヘルプ「Gemini Notebook のプライバシーと利用規約」による)。

ChatGPT

個人向けのアカウントでは、設定によって会話がモデルの改善に使われる場合がある。止めるときは「設定」→「データコントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする。オフにしても、回答に「いいね」や「よくないね」を付けると、その会話全体が学習に使われることがある。一時チャットは履歴に残らず、モデルの改善にも使われない。Business、Enterprise、Edu のワークスペースの内容は、初期設定ではモデルの学習に使われない(OpenAI のヘルプ「ChatGPT のデータ管理」による)。

Claude

Free、Pro、Max では、モデルの学習に会話を使うかを利用者が設定で選ぶ。止めるときは「設定」→「プライバシー」で「AIモデルの改善を支援する」をオフにする。オフにすると、新しいチャットは今後のモデルの学習に使われない。シークレットチャットは Claude の改善に使われない。Team、Enterprise、API などの商用の製品では、初期設定で入力と出力を学習に使わない(Anthropic のヘルプによる)。

DeepL

無料の DeepL翻訳と DeepL Write に入れた文章とファイル、その訳文は、ニューラルネットワークと翻訳アルゴリズムの訓練と性能の向上のために一定期間保存される。DeepL Pro のデータは DeepL の AI モデルの訓練に使われない。ただし、DeepL Pro の翻訳プランには、データの保護を含む DeepL Write の有料版は含まれない。推敲する原稿も守るには、Write Pro を足すか、Write Pro を含む Business を選ぶ(DeepL のプライバシーポリシーと料金ページによる)。

気をつけること

回答が間違っていることがある

AI が事実と違う内容をもっともらしく答えることをハルシネーションという。OpenAI のヘルプは、ChatGPT が誤った情報や、存在しない引用や出典を出すことがあり、間違っていても自信があるように聞こえると説明している。AI が示した論文や引用は、実在しないものが混じることがあるので、元の論文を開いて確かめてから使う。NotebookLM のヘルプも不正確な情報を示すことがあると説明し、Perplexity と Anthropic の利用規約も出力が不正確な場合があるとしている。DeepL Pro の利用規約は機械学習で作った処理済みコンテンツの正確さを保証しないと定めている。要約、表、訳文の数字や結論は、原文の該当ページと照らし合わせる。

個人情報や顧客の情報の扱い

研究の対象者の情報や、共同研究先から受け取った資料を入れる前に、扱いの決まりを確かめる。DeepL のプライバシーポリシーによると、無料版で個人データを含む文章を訳したり推敲したりすることは利用規約で認められておらず、DeepL Pro に登録している場合に限って可能だ。

共有の設定にも気をつける。Perplexity で「Anyone with the link」にしたセッションは、リンクを知っている人なら誰でも開ける。NotebookLM のヘルプは著作権法を守り、共有する権利のない著作物を共有しないよう求めている。論文の PDF を入れたノートブックを人と共有する前に、その論文を共有してよいかを確かめる。

社内ルールの確認

論文の執筆や査読での AI の使い方の決まりは、所属する大学や会社、投稿する論文誌や学会によって違う。使う前に投稿先の投稿規定と所属先の決まりを確かめ、それに従う。この記事は、どの使い方が決まりに合うかを判断しない。

ツールの規約にも仕事での利用に関わる条件がある。Perplexity の個人向けの利用規約は、利用を個人の非営利の目的に限って許しており、Enterprise には別の規約が適用される。NotebookLM では、会社の仕事用アカウントに Google Cloud 利用規約、学校用アカウントに Google Workspace for Education 利用規約が適用される。どのツールとプランを研究に使ってよいかは、所属先の担当部署に確かめる。

よくある質問

無料でどこまで試せますか

5つとも無料の範囲がある。Perplexity は Pro Search が1日3回、NotebookLM は1つのノートブックにソース50件、チャット1日50回までだ。ChatGPT の無料版はテキストチャットが無制限で、Claude の Free でもウェブ検索とファイルの作成を使える。DeepL は無料版でファイルの翻訳が月1件までになる。

AI が挙げた参考文献をそのまま使ってよいですか

そのまま使わない。ChatGPT のヘルプは存在しない引用や出典を出すことがあると説明し、引用やデータは必ず確かめるよう勧めている。題名、著者、発表年、掲載誌を元の論文で確かめ、引用した内容が本文にあるかも読んで確かめる。

投稿前の原稿や未発表のデータを入れても大丈夫ですか

ツールとプランによって扱いが違う。個人向けのプランでは、Perplexity はオフにしない限り、ChatGPT と Claude は設定によって、DeepL は無料版で、入力が学習や性能の向上に使われる。会社向けや学校向けのプランには、学習に使わないとしているものがある。所属先の決まりと合わせて選ぶ。

論文の PDF はどのくらい読み込めますか

NotebookLM は1つのソースが最大500,000語、ファイルは200MBまでだ。Claude はチャットに1ファイル500MBまで、1つのチャットに20ファイルまで添付でき、1000ページを超える PDF は読み込めない。NotebookLM はペイウォールのあるページを URL から取り込めないので、手元の PDF をアップロードする。

日本語で使えますか

使える。NotebookLM は80以上の言語に対応し、Perplexity は回答の言語を設定で選べる。ChatGPT と Claude は画面の表示を日本語にでき、DeepL は画面が日本語で、日本語への翻訳に対応する。DeepL Write の文体の指定は、日本語では使えない。

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出典

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