新入社員のAI活用 ビジネスメール・議事録・日報・用語の調べもののプロンプト例と注意点

入社1〜2年目の新入社員向けに、ビジネスメールの敬語の確認、日報、議事録、報告の準備、用語や社内資料の読み解き、Excel の関数、研修の振り返りの8つの場面で、4つのAIに頼むプロンプト例とデータの扱いをまとめた。

朝の光の差す白い机に置いた薄紫のノートとペン、白い名刺立てとすりガラスの花びん、ノートからのぞく紫のしおりのひも

この記事の要点

  • 入社1〜2年目の新入社員は、ビジネスメールの敬語の確認、日報や週報、会議のメモから作る議事録、上司への報告や相談の準備、知らない用語や社内の資料の読み解き、Excel の関数の質問、研修の振り返りに AI を使える。
  • 文章の書き直しと用語の調べものには ChatGPT、日報と議事録と報告の準備には Claude、Excel と会社の Microsoft 365 での利用には Microsoft Copilot、社内の資料と研修の資料には NotebookLM(2026年7月16日に Gemini Notebook に改称)が、それぞれの機能から向いている。
  • 最初に、会社の AI の利用ルールと、仕事に使ってよいツールを、上司や情報システムの担当に確かめる。個人のアカウントには社内の情報を入れない。
目次6

この記事で扱うツール

値は TRAIL のファクトパック(2026年11月6日時点)と、各ツールの使い方の記事による。NotebookLM は2026年7月16日に名前を Gemini Notebook に変えた。この記事では検索で使われることの多い旧名の NotebookLM で呼ぶ。

ツール 得意なこと 無料の範囲 最安の有料プラン 会社で使うときのデータの扱い
ChatGPT 文章の下書きと書き直し、出典を示すウェブ検索、ファイルの読み込み 無料版。GPT-6 でのテキストチャットは無制限。画像や音声などは上限あり Go ¥1,400/月 Business、Enterprise のワークスペースの内容は初期設定で学習に使わない
Claude 文章の下書きと要約、資料と指示をまとめるプロジェクト Free。Web・デスクトップ・モバイルで利用可。Haiku と Sonnet が使える Pro $20/月(年払いは月$17、税別) Team と Enterprise は初期設定で入力と出力を学習に使わない
Microsoft Copilot 会話での質問と下書き、Word や Excel の中での利用 個人向けの無料版。機能と使用量は限られる Microsoft 365 Personal ¥2,130/月 職場や学校のアカウントにはエンタープライズ データ保護が自動で適用され、プロンプトと応答は基礎モデルの学習に使わない
NotebookLM 読み込ませた資料だけを根拠にした、引用付きの回答。フラッシュカードやクイズの作成 Standard(無料)。ノートブック100件、1ノートブックあたりソース50件 Google AI Plus ¥725/月 Google Workspace のアカウントでは、アップロード、質問、回答を人による確認にも学習にも使わない

会社が対象の Microsoft 365 を契約していれば、職場や学校のアカウント(Microsoft Entra のアカウント)で Copilot Chat を追加料金なしで使える。会社の Google Workspace の多くのエディションにも NotebookLM が含まれる。会社の契約で使えるものがあれば、それが最初の候補になる。

場面ごとの使い方

プロンプトは各ツールにこう頼めるという例で、[ ] の中を差し替えて使う。TRAIL は出力を確かめていないので、回答の中身は必ず自分で確かめる。

使い始める前に、会社に AI の利用ルールがあるか、どのツールを仕事に使ってよいかを、上司や情報システムの担当に確かめる。会社が許可していない AI を仕事に使うことをシャドーAIといい、データの安全やコンプライアンスの問題につながりうる。学生のうちの使い方は学生のAI活用に、社内のお知らせや規程への問い合わせのような事務の仕事は事務・総務のAI活用にまとめている。

書いたビジネスメールの敬語を確かめて直す

取引先や他部署に初めてメールを送る前に、敬語や言い回しが失礼でないかを見てほしいときだ。ChatGPT は文章の下書きと書き直しを会話で頼める(OpenAI のヘルプセンター)。自分で書いた文面を貼り、次のように頼む。

プロンプト
社外の[取引先の担当者/他部署の課長]に送るメールを書きました。
敬語の誤りと、失礼に読める言い回しを指摘し、直した文面を出してください。
直した箇所には、なぜ直したかを一言ずつ添えてください。
トーンはフォーマルで、簡潔にしてください。

[自分で書いたメールを貼る]

OpenAI のガイドは「フォーマル」「親しみやすい」のような言葉でトーンを指定するよう勧めている。直した理由も出してもらうと、次に自分で書くときの参考になる。相手の名前や社名は、入れてよいかを社内のルールで確かめてから入れる。手順は ChatGPT の使い方にある。

日報や週報を毎回同じ型で書く

毎日の日報や毎週の報告を、決まった見出しで手早くまとめたいときだ。Claude はプロジェクトに資料と指示をまとめておけ、Free でもプロジェクトを5つまで作れる。claude.ai/projects で「+ 新規プロジェクト」を選び、「プロジェクト指示を設定」に次のように書く。

プロンプト
あなたは[部署名]の新入社員の日報を手伝う担当です。
私が箇条書きで書いたメモを、次の見出しの日報に整えてください。
「今日やったこと」「分かったこと・つまずいたこと」「明日やること」「相談したいこと」
メモにないことは書かないでください。数字や名前はメモのとおりにしてください。

あとはプロジェクトの中で、その日のメモを貼って頼む。会社に日報の決まった形があれば、その見出しを指示に書く。手順は Claude の使い方にある。

会議で取ったメモを議事録の形に整える

会議の議事録を任され、自分で取ったメモから、決まったことと次の作業をまとめたいときだ。Claude は貼った文章や添付したテキストのファイルを読んで、まとめ直しを頼める。メモの全文を貼り、次のように頼む。

プロンプト
次の[会議名]のメモを、議事録にまとめてください。
1. 日時と参加者
2. 決定事項
3. 未解決の課題
4. 次の作業(担当者と期限が分かるものは添える)
メモにない内容は書かず、分からない点は最後に一覧にしてください。

[メモを貼る]

ヘルプは、文章の編集を頼むときは全文を1つのメッセージで送るよう勧めている。「分からない点」に出たことは、会議の参加者に確かめてから議事録を出す。会議の録音から毎回同じ形で作る方法は事務・総務のAI活用に、手順は Claude の使い方にある。

上司への報告や相談の前に、話す順番を整理する

仕事の進み具合を報告するときや、困ったことを相談するときに、何から話せばよいかを整理したいときだ。Claude は会話で文章の下書きや要約を頼める。頭にあることを箇条書きで書き出して、次のように頼む。

プロンプト
これから[上司の役職]に[案件名]の[報告/相談]をします。
次のメモを、1分で話せる順番に並べ直してください。
最初に結論、次に理由、最後に私が決めてほしいことか、手伝ってほしいことを置いてください。
話す前に確かめておいたほうがよい点があれば、挙げてください。

[伝えたいことを箇条書きで貼る]

Anthropic のヘルプは、背景を知らない人に指示を出すつもりで、できるだけ多くの文脈を入れるよう勧めている。案件の経緯や、相談したい理由を書き添えると、目的に合った並べ方を頼みやすい。指示の書き方を工夫して、求める答えを引き出すことをプロンプトエンジニアリングという。手順は Claude の使い方にある。

知らない業界用語を調べる

会議や資料に、初めて見る業界の言葉や略語が出てきたときだ。ChatGPT はインターネットで最新の情報を調べ、出典を示して答えられる。AI検索の機能で、無料版でもウェブ検索を使える。次のように頼む。

プロンプト
ウェブで調べて、[業界名]で使われる「[用語]」の意味を、社会人1年目にも分かるように説明してください。
1. 一言での意味
2. 使われる場面の例
3. 似た言葉との違い
参照したページのリンクを付けてください。

ChatGPT は特定の時点までのデータで学習しているので、ツールを使わなければ、それより後の出来事は回答に入らない。新しい言葉を調べるときは検索を使い、示されたリンク先で出典を確かめる。社内だけで使う言葉や略語は、先輩や上司に聞く。

社内のマニュアルや資料を読み解く

渡された業務マニュアルや社内の資料が長く、知りたいところがどこに書いてあるかを探したいときだ。NotebookLM は読み込ませた資料だけを根拠に、資料のどこを使ったかを示す引用付きで答える(NotebookLM ヘルプ)。社内の資料を入れる前に、その資料を AI に入れてよいかと、会社のアカウントで使えるかを確かめる。入れてよい資料をノートブックに追加し、次のように頼む。

プロンプト
[資料の名前]によると、[知りたいこと(例:経費の申請の締め切り)]はどうなっていますか。
該当する箇所を引用して答えてください。
資料に書かれていない場合は、書かれていないと答えてください。

会社や学校のアカウントで使うときは、組織の管理者が NotebookLM へのアクセスを有効にしている必要がある。引用を選ぶと資料の該当箇所に移れるので、答えを元の文で確かめる。手順は NotebookLM の使い方にある。

Excel の関数の書き方を聞く

集計を頼まれ、どの関数をどう組み合わせればよいか分からないときだ。会社が対象の Microsoft 365 を契約していれば、職場や学校のアカウント(Microsoft Entra のアカウント)で Copilot Chat を追加料金なしで使える。そのアカウントでサインインすると、エンタープライズ データ保護が自動で適用される。Chat で次のように頼む。

プロンプト
Excel で次の集計をしたいです。使う関数と式を教えてください。
表の形:A列に[日付]、B列に[担当者名]、C列に[金額]。1行目は見出しで、データは2行目から[100]行目まで。
やりたいこと:[担当者]ごとに、[今月]の[金額]の合計を出したい。
式の意味を1行ずつ説明し、よくある間違いも挙げてください。

表の中身を貼らなくても、列の並びと見出しを書けば関数の書き方を聞ける。返ってきた式は少ない行の表で結果を確かめてから本番のファイルに使う。Copilot にファイルを添付して集計を頼む方法は Microsoft Copilot の使い方にある。

研修の内容を振り返る

入社後の研修を受けたあと、資料を読み返して覚えたかを確かめたいときだ。NotebookLM は資料から、フラッシュカードやクイズを作れる。研修の資料をソースに入れてフラッシュカードやクイズを作り、難易度と数を指定する。チャットでは次のように頼める。

プロンプト
ソースの[研修名]の資料をもとに、私が覚えておくべき点を5つ挙げてください。
それぞれ、資料のどこに書いてあるかを引用してください。
最後に、理解を確かめる質問を3つ出してください。答えはまだ出さないでください。

研修の資料も社内の資料なので、入れてよいかを先に確かめる。マニュアルを音声で聞いて覚えたいときは、「音声解説」で形式に「概要」を選ぶと、1人のホストが要点を2分以内にまとめる。手順は NotebookLM の使い方にある。

社内の情報を入れる前に

社内の資料、取引先の名前、お客さまの情報を入れる前に、会社のルールで認められているかと、会社のアカウントやプランで使っているかを確かめる。個人のアカウントには社内の情報を入れない。各ツールの公式の説明は次のとおりだ。

ChatGPT

無料版、Plus、Pro の個人用ワークスペースでは、初期設定で会話がモデルの改善に使われる。止めるときは「設定」→「データコントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする。一時チャットは履歴に残らず、モデルの改善にも使われない。Business、Enterprise のワークスペースの内容は、初期設定ではモデルの学習に使われない(OpenAI のヘルプ「ChatGPT のデータ管理」による)。

Claude

Free、Pro、Max などでは、モデルの学習に会話を使うかを利用者が設定で選ぶ。止めるときは「設定」→「プライバシー」で「AIモデルの改善を支援する」をオフにする。回答に高評価や低評価のフィードバックを送ると、その会話のデータは5年間保持される。Team、Enterprise、API などの商用の製品では、初期設定で入力と出力を学習に使わない(Anthropic のプライバシーセンターなどによる)。

Microsoft Copilot

2026年8月18日からの新しい Copilot アプリでは、個人のアカウントのプロンプト、応答、ファイルの内容は、基礎モデルのトレーニングに使われない。ただし、個人の Microsoft アカウントの使用条件は、Copilot を個人の利用のためにだけ使えるとしている。職場や学校のアカウントでは、エンタープライズ データ保護が自動で適用される。プロンプトと応答は基礎モデルのトレーニングに使われないが、記録され、IT の管理者が検索や監査のツールで見られる(Microsoft サポートなどによる)。

NotebookLM

個人のアカウントでは、フィードバックを送らない限り、ノートブックの内容が Google の基盤モデルの学習に直接使われることはない。高評価や低評価のフィードバックを送ると、プロンプト、ソース、出力などが集められ、訓練を受けたチームが確認する。Google Workspace のアカウントでは、フィードバックを送った場合でも、アップロード、質問、回答が人によって確認されることも、AI モデルの学習に使われることもない(NotebookLM ヘルプ「Gemini Notebook のプライバシーと利用規約」による)。

気をつけること

回答が間違っていることがある

AI がもっともらしいが正しくない内容を答えることをハルシネーションという。OpenAI のヘルプは、ChatGPT が誤った情報や、存在しない引用や出典を出すことがあり、回答を初稿として使うよう勧めている。Anthropic の利用規約は正確さを自分で確かめないまま出力に頼ってはいけないとしている。Copilot の使用条件も、答えが不完全、不正確な場合があるとし、NotebookLM のヘルプも不正確な情報を示すことがあると説明している。AI に作らせたメール、議事録、式は、自分で読み直し、元の資料や数字と照らしてから出す。

個人情報や顧客の情報の扱い

お客さまや取引先の担当者の名前、連絡先、社内の人の情報を入れる前に、社内のルールで認められているかを確かめる。敬語の確認や関数の質問のように、名前や中身を入れなくても頼める場面では、[ ] の部分を「取引先の担当者」「金額」のような一般的な言葉に置き換える。

社内ルールの確認

どのツールとプランを仕事に使ってよいか、どの情報を入れてよいかは、会社によって違う。会社向けのプランでは、管理者が使える機能を決める。分からないときは、上司や情報システムの担当に聞く。

よくある質問

会社で AI を使ってよいか分からないときは、どうすればよいですか

上司か情報システムの担当に、利用ルールと使ってよいツールを聞く。会社が対象の Microsoft 365 や Google Workspace を契約していれば、Copilot Chat や NotebookLM を会社のアカウントで使える場合がある。許可されていない AI を仕事に使うと、データの安全の問題につながりうる。

無料でどこまで使えますか

4つとも無料の範囲がある。ChatGPT の無料版は GPT-6 でのテキストチャットが無制限(料金ページによる)で、ファイルのアップロードは1日3ファイルまでだ。NotebookLM の無料版はノートブックが100件、1つのノートブックのソースが50件までで、使用量は計算量の上限が5時間ごとに戻る方式だが、週の上限もある。仕事の情報を入れるなら、先に上の「社内の情報を入れる前に」を確かめる。

個人のアカウントで仕事の資料を扱ってもよいですか

会社のルールで認められていない限り、入れない。ChatGPT の無料版、Plus、Pro の個人用ワークスペースは、初期設定で会話をモデルの改善に使う。個人の Microsoft アカウントの使用条件は、Copilot を個人の利用のためにだけ使えるとしている。

AI が作ったメールや議事録を、そのまま出してもよいですか

自分で読み直してから出す。AI は事実と違う内容や、元のメモにない内容を書くことがある。宛名、日時、数字、決まったことは、元のメモや資料と照らして確かめる。

分からないことは、AI に聞けば先輩に聞かなくてもよいですか

AI で調べられることと、人に聞くことを分けると進めやすい。一般的な用語や関数の書き方は AI に聞ける。社内だけで使う言葉、仕事の進め方の決まり、案件の経緯は、先輩や上司に聞く。NotebookLM のように資料を根拠に答えるツールでも、資料にない情報を聞くと「この質問には答えられません」と返ることがある。

次に読む

年表で見ると:NotebookLM の節目と更新年表を見る
35日48日13日38日2026.03.04 Cinematic Video Overviews を追加2026.03.04CinematicVideo Over…Cinematic Video Overv…2026.04.08 Gemini アプリのノートブックと同期2026.04.08Gemini アプリのノートブ…Gemini アプリのノートブ…2026.05.26 Drive ファイルの自動同期を追加2026.05.26Drive ファイルの自動同期…Drive ファイルの自動同期…2026.06.08 コード実行を追加、Gemini 3.5 へ移行2026.06.08コード実行を追加、Gemini…コード実行を追加、Gemini…2026.07.16 Gemini Notebook に改称2026.07.16GeminiNotebook…Gemini Notebook に改称

TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.07.16 まで。

出典

この記事に出てくるツール

  • ChatGPT

    OpenAI

    文章、画像、調査、開発を会話で任せられるAIアシスタント

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語あり
    • APIあり

    有料Go ¥1,400/月

    年表
    110件
    最新の更新
    2026.11.05
  • Claude

    Anthropic

    文章作成・コーディング・調査に使えるAIアシスタント

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語あり
    • APIあり

    有料Pro $20/月(年払いは月$17、$200一括)

    年表
    109件
    最新の更新
    2026.11.05
  • Web・Windows・Officeで使えるMicrosoftのAIアシスタント

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語あり
    • APIあり

    有料Microsoft 365 Personal ¥2,130/月、¥21,300/年

    年表
    51件
    最新の更新
    2026.11.05
  • 取り込んだ資料を根拠に質問・要約・解説ができるAIツール

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語あり
    • APIあり

    有料Google AI Plus ¥725/月

    年表
    46件
    最新の更新
    2026.10.29

Timeline

関連する出来事

  1. Gemini Notebook に改称

    NotebookLM・企業 最終確認 2026年10月10日