基盤モデルとは?意味・仕組みと主要なモデルの一覧(2026年11月時点)
基盤モデル(きばんもでる)
ファウンデーションモデル / Foundation model
基盤モデルとは、大量で幅広いデータで学習し、追加の学習や指示によって多くの作業に合わせて使えるAIのモデルのこと。2021年にスタンフォード大学の研究者が名付けた。
要するに
- 幅広いデータを、主に正解の付いていない形で大規模に学習してつくる
- 一つのモデルを、追加の学習や指示で多くの作業に合わせて使う
- 元のモデルの欠点は、そこから作ったすべてのモデルに引き継がれる
最終確認

TRAIL が掲載している主要なモデル
| モデル | 提供元 | 公開日 | Arena の順位(文章・総合) | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| OpenAI | — | |||
| 2位 | ||||
| Meta | 4位 | |||
| Anthropic | 126位 | |||
| OpenAI | 27位 | |||
| Anthropic | 31位 | |||
| Anthropic | 3位 | |||
| OpenAI | 64位 | |||
| OpenAI | 97位 | |||
Grok 4.7 | SpaceXAI(旧 xAI) | 96位 | ||
Sakana Fugu Max | Sakana AI | — | ||
Sakana Fugu Ultra v2 | Sakana AI | — | ||
| DeepSeek | 35位 | |||
| OpenAI | 37位 | |||
| 10位 | ||||
| Meta | 11位 | |||
| Anthropic | 5位 | |||
| DeepSeek | 55位 | |||
Grok 4.6 | SpaceXAI(旧 xAI) | 72位 | ||
Sakana Namazu | Sakana AI | — | ||
Grok 4.5 | SpaceXAI(旧 xAI) | 53位 | ||
| 20位 | ||||
| Perplexity AI | — | — |
Arena の順位は、文章・総合の順位表(419件、公開)での最上位の行です。出典は Arena(旧 LMArena)のデータセット(CC BY 4.0)。人の投票による目安で、「—」は順位表にないモデルです。
画像や動画の基盤モデルが出た日
FLUX・モデル
FLUX 3 を発表
原論文と関連研究
- BERTは「両側の文脈」をどう学んだか 2018年の原論文を読むBERT: Pre-training of Deep Bidirectional Transformers for Language Understanding
- GPT-3の少数例学習は何を示したか 2020年の原論文を読むLanguage Models are Few-Shot Learners
- CLIPは画像と文章をどう結びつけたか 2021年の原論文を読むLearning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision
- LLaMA原論文を読む モデル規模と学習量をどう選んだかLLaMA: Open and Efficient Foundation Language Models
- Llama 2原論文を読む 基盤モデルと対話モデルの差Llama 2: Open Foundation and Fine-Tuned Chat Models
目次8
ひとことで言うと
基盤モデルは大量で幅広いデータで学習し、追加の学習や指示によって多くの作業に合わせて使える AI のモデルだ。英語では foundation model と呼ぶ。2021年8月に、スタンフォード大学の基盤モデル研究センター(CRFM)が報告書でこの名前を付けた。
報告書は例として、文章を読み取る BERT、文章を書く GPT-3、画像と文章を結びつける CLIP を挙げている。たとえば GPT-3 は一つのモデルのまま、プロンプトで作業を説明するだけで、学習の目的にしていなかった多くの作業をそれなりにこなせた。一つのモデルを、さまざまな用途に使い分けるイメージだ。
仕組み
報告書は基盤モデルを「幅広いデータで学習し、多くの作業に合わせて使えるモデル」と定めている。つくり方と使い方は、次の順に進む。
- 幅広いデータを集める。報告書によると、文章のほか、画像、音声、表のデータ、たんぱく質の配列などにも同じ考え方が使われている。
- 自己教師あり学習(人が正解を付けなくても、データそのものから問題をつくって学ぶ方法)で、大規模に事前学習する。BERT は文の中で隠した単語を前後から当てる問題で学習した。
- できたモデルを、作業に合わせて調整する。報告書はこれを「適応」と呼び、ファインチューニング(追加の学習)を例に挙げる。
- GPT-3 のように大きなモデルでは、プロンプト(AI への指示の文)で作業を説明するだけで合わせられる。報告書はこれを、学習の目的にしていなかったのに現れた性質として紹介している。
報告書によると、技術そのものは新しくない。深層学習と自己教師あり学習はどちらも何十年も前からある。それを強くしたのは規模で、計算機の性能の向上、Transformer(文章などの並びを並列に処理するモデルの構造)の登場、学習に使えるデータの増加の3つがそろった。GPT-3 のパラメーター(学習で調整される数値)は1,750億で、GPT-2 の15億から大きく増えた。
名前の「基盤」には、それ自体は未完成で、多くの作業向けのモデルをその上に組み立てる共通のもとになるモデルという意味を込めたと、報告書は書いている。
表で見る最新の状況
上の1つ目の表は、TRAIL が掲載している各社の23のモデルを、公開日の新しい順に並べたものだ。確認日は2026年10月12日から11月1日。
- いちばん新しいのは2026年10月26日公開の OpenAI の GPT-6.1 Terra で、10月13日の Google の Gemini 4 Argon、10月12日の Meta の Muse Wonder が続く。
- 公開日がある22件のうち、いちばん古いのは2026年2月19日公開の Gemini 3.1 Pro だ。Perplexity の Sonar は公開日が DB にない。
- 提供元は OpenAI、Google、Meta、Anthropic、SpaceXAI(旧 xAI)、Sakana AI、DeepSeek、Perplexity AI の8社だ。
- Arena の文章・総合の順位表(2026年10月28日公開)では、Gemini 4 Argon が2位、Anthropic の Claude Opus 5.5 が3位、Muse Wonder が4位だ。GPT-6.1 Terra には順位がまだない。
2つ目の年表は画像や動画をつくる基盤モデルの出来事4件を古い順に並べたものだ。確認日は2026年10月10日から11月1日。
- 2024年4月23日に Adobe が「Firefly Image 3 をベータ公開」した。発表での名前は Firefly Image 3 Foundation Model だ。
- 2024年6月1日には Leonardo.Ai が「初の自社基盤モデル Phoenix を公開」した。
- 2025年6月11日に ByteDance が動画生成の基盤モデル「Seedance 1.0 を公開」した。
- 2026年7月23日には Black Forest Labs が「FLUX 3 を発表」した。画像、動画、音声をまとめて学習したマルチモーダルの基盤モデルとされた。
TRAIL の年表では画像や動画の会社も、自社のモデルを基盤モデルと呼んで出している。
3つ目の一覧は、報告書が例に挙げた BERT、GPT-3、CLIP と、Meta の LLaMA と Llama 2 の原論文を、TRAIL が読んだ記事だ。論文の公開は2018年10月11日の BERT から、2023年7月18日の Llama 2 まで。
基盤モデルと LLM の違い
| 基盤モデル | LLM(大規模言語モデル) | |
|---|---|---|
| 指すもの | 幅広いデータで学習し、多くの作業に合わせて使えるモデル全般 | 大量の文章で学習した言語のモデル |
| 扱うデータ | 文章、画像、音声、表、たんぱく質の配列など | 主に文章 |
| 名前が表すこと | 多くのモデルの共通の土台で、それ自体は未完成であること | 言語を扱うこと |
| 例 | BERT、GPT-3、CLIP | BERT、GPT-3 |
報告書は名前を決めるとき、「言語モデル」は狭すぎるとして採らなかった。基盤モデルの範囲は言語を大きく超えるからだという。「事前学習済みモデル」のような既存の呼び方は、技術の面を一部しか表さず、機械学習の外の人にこの変化の大きさを伝えられないとした。報告書が書かれた時点で、代表的な基盤モデルの多くは言語モデル、つまり LLM のようなモデルだった。
仕事でどう関係するか
AI の道具を選ぶとき
ChatGPT、Claude、Gemini のような道具は、それぞれの会社のモデルを使って答える。上の表で、どの会社のどのモデルがいつ公開されたかを確かめられる。同じ ChatGPT でも、GPT-6.1 Terra は2026年10月26日、GPT-6 Astra は9月3日の公開と、選べるモデルによって公開日が違う。
このツールで今使われているモデルの名前と公開日を、公式のドキュメントのURLつきで教えてください。
ツール名:(ここに書く)自社の仕事に合わせて使うとき
報告書が言う「適応」には、追加の学習で合わせるやり方と、プロンプトで作業を説明するやり方がある。社内の書式に合わせた文書をつくりたいときは、まずプロンプトに例や条件を書いて合わせる方法がある。
画像や動画の生成を頼むとき
上の年表の4社は、画像や動画の道具を自社の基盤モデルとして出している。モデルの版が変わると、できることも変わる。Adobe は Firefly Image 3 で、写実性、文字の描き方、プロンプトの理解が改善されたとした。どのモデルで生成するかを確かめてから頼むと、結果の違いを説明しやすい。
注意点と限界
- 基盤モデルの欠点は、そこから作ったすべてのモデルに引き継がれる。報告書は、多くの用途で機械学習のシステムの作り方が少数の基盤モデルに集まることを「均質化」と呼び、同じ偏りがあちこちに広がるおそれを指摘した。
- 報告書は2021年の時点で、基盤モデルがどう動き、いつ失敗し、何ができるのかを、まだよく理解できていないと書いている。その基盤が信頼できるかどうかも判断できないとした。
- 大きなモデルで現れる性質は、設計して作り込んだものではない。そのため、思わぬ失敗の仕方をすることがあると報告書は書いている。
- 報告書によると、基盤モデルをつくることと、調整したモデルを世に出すことは別の判断だ。報告書はデータの選び方と調整の仕方も、責任ある開発の一部にすべきだと書いている。
- 上の表は TRAIL が掲載しているモデルに限る。すべての基盤モデルを網羅したものではない。
よくある質問
基盤モデルという言葉はいつ、誰が作ったのか
2021年8月に、スタンフォード大学の基盤モデル研究センター(CRFM)が報告書「On the Opportunities and Risks of Foundation Models」で名付けた。arXiv での最初の公開は2021年8月16日だ。
基盤モデルと LLM は同じものか
同じではない。基盤モデルは文章、画像、音声などを扱うモデル全般を指し、LLM はそのうち主に文章を扱うものだ。報告書は「言語モデル」という呼び方では狭すぎるとしている。
基盤モデルの例は何か
報告書は BERT、GPT-3、CLIP を挙げている。TRAIL の表には2026年10月26日公開の GPT-6.1 Terra など、各社の23のモデルが並ぶ。
基盤モデルはそのまま使えるのか
プロンプトで作業を説明するだけで使えることも多い。報告書は、GPT-3 がプロンプトだけで多くの作業に合わせられることを、規模から現れた性質として紹介している。より細かく合わせたいときは、ファインチューニングで追加の学習をする。
なぜ「基盤」と呼ぶのか
それ自体は未完成で、多くの作業向けのモデルを上に組み立てる共通のもとになるモデルだからだ。報告書は、作りの悪い基礎は大きな失敗のもとになり、よくできた基礎は将来の応用を支える、という意味も込めたと説明している。
関連する用語
- LLM(大規模言語モデル):基盤モデルのうち、主に文章を扱うもの
- ファインチューニング:基盤モデルを作業に合わせて追加で学習させる方法
- マルチモーダル:文章、画像、音声など複数の種類のデータを扱うこと
- Transformer:基盤モデルの規模を支えたモデルの構造
- ツール:ChatGPT、Claude、Gemini、Adobe Firefly、FLUX
- モデルの一覧:API料金の比較
出典
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)

