
この記事の要点
- Replit は AI の「Agent」に作りたいものを伝えると、アプリを作って動かし、公開まで進められるサービスだ。表の分析やレポート、決まった時刻に動く作業の自動化も頼める。
- 無料の Starter プランから使え、クレジットを使わない Free Mode もある。有料は Core が月$20(年払いは月$18)、Pro が月$100(年払いは月$90)からだ。
- ブラウザで replit.com を開いてアカウントを作り、チャットで頼めば始められる。macOS と Windows のデスクトップアプリ、iOS と Android のアプリもある。
目次11
何ができるか
Replit は、同名の Replit 社が提供する。Replit の公式ドキュメントと料金の解説が挙げるできることは次のとおりだ。
- Agent でアプリを作る:Agent と話しながら、アプリを作り、不具合を直し、手直しを重ねる。Web アプリのほか、iOS と Android のアプリも作れる。
- チャットで調べて分析する:質問、調べもの、計画の書き出しをチャットで進める。アップロードした CSV やつないだデータから、対話的なグラフも作れる。
- 決まった作業を自動で回す:Routine を作ると、毎週月曜の朝のような決まった時刻に、レポートの作成や Slack への投稿を自動で行う。
- 見た目を作る:Replit Design で、文章からデザインの案を出し、いくつもの方向を比べてからアプリにする。
- アプリ以外も作る:Core からはデータの可視化、スライド、アニメーションの動画も作れる。
- 公開する:作ったアプリを自分の URL で公開する。公開はどのプランでも使える。
TRAIL の年表では2026年7月29日に Replit Design、8月18日に Free Mode が加わった。
料金とプランの選び方
Replit の料金ページとプランの解説による。2026年10月24日に確かめた。
| プラン | 月払い | 年払い(月あたり) | 含まれるもの・上限 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| Starter | 無料 | なし | 1日ごとの Agent 用クレジット(月の上限あり)、Free Mode、Lite build、公開できるアプリは1件(30日で停止) | まず試す人 |
| Core | $20 | $18 | Free Mode でチャット最大30時間、上位のモデルに使える$20分、Plan Mode、外部サービスとの連携、共同作業は5人まで | 連携や2件目以降の公開が必要な人 |
| Pro | $100から | $90から | 並列で動く Agent 10、共同作業者は最大15人、閲覧者は最大50人、上位のモデルに使える$100分、優先サポート | 5人を超えるチームで作る人 |
| Enterprise | 個別 | 個別 | SSO、SCIM、監査ログ、シングルテナントの環境 | 管理と安全の機能が必要な大きな組織 |
Free Mode はクレジットを使わずに Agent に作業を頼めるモードだ。Core と Pro では、Free Mode の枠が5時間ごとに戻る。より強いモデルが要るときは Power Mode か Max Mode に切り替え、この2つは毎月のクレジットを使う。
Pro は毎月のクレジットの量に段階があり、使わなかったクレジットは2か月繰り越せる。年払いにすると最大10%安くなる。料金ページによると、価格には地域に応じて税がかかることがある。
無料の Starter でもアプリを作って公開できるが、公開したアプリは30日で自動で止まり、「Made with Replit」の表示が付く。外部サービスとの連携(Connectors)と Plan Mode も、Core からだ。
料金ページは日本語でも表示される。アプリの画面が日本語で表示されるかは、公式ページで確認できなかった。
始め方
ブラウザ
公式の「Build your first app」と「Publish your app」の順に書く。最初のアプリを作って直すまでの目安は10分とされている。始める前に Replit のアカウントが要る。
- replit.com を開き、アカウントを作るかサインインする。
- 新しいチャットを始める。
- 入力欄に「Output」があれば開き、「Website」を選ぶ。なければ「Add attachment」、「Create something new」、「Website」の順に選ぶ。
- モードの選択を開き、「Free」を選ぶ。
- 作りたいものを書いて送る。
- Agent が作り終え、「Preview」でアプリが動くまで待つ。Free Mode では最初のバージョンに数分かかることがある。
- 訪問者になったつもりで、Preview でアプリを使ってみる。Preview の幅をスマートフォンの大きさにも変える。
- 直したいことを1つずつ頼む。
- 公開するときは、画面の右上の「Publish」を選ぶ。
- 自動で作られた .replit.app のドメインを確かめる。名前は変えられる。
- だれがアプリを開けるかを選び、「Publish」を選ぶ。
- 公開が終わったら、表示された URL を開いて動きを確かめる。
手順5の公式の例はワークショップを探すアプリの依頼文だ。訪れた人ができること、うまくできたと分かる基準を書き、ログイン、データ、支払い、外部との連携はあとに回している。手順11の選択肢はリンクを知っていればだれでも開ける「Public」、共通のパスワードを使う「Password protected」、ワークスペースのメンバーだけの「Workspace only」、選んだ人だけの「Invite only」の4つだ。
Preview の URL は初期設定で非公開の、開発用の仮の URL だ。人に渡すときは、公開した URL を使う。
スマホアプリ
公式ドキュメントのトップによると、iOS と Android のアプリがある。
- replit.com/mobile を開き、自分の端末のアプリを入れる。
- アプリを開き、サインインするかアカウントを作る。
デスクトップアプリ
macOS と Windows のアプリがある。
- replit.com/desktop を開き、自分の OS のアプリをダウンロードする。
- アプリを開き、サインインするかアカウントを作る。
TRAIL の年表では2026年7月3日にデスクトップアプリが作り直され、複数のアプリを並行して扱えるようになった。
仕事での使い方
ここでの頼み方は、公式ドキュメントにある使い方をもとに TRAIL が日本語で書いた例だ。[ ] の中を自分の内容に差し替える。どれもチャットに入れる文で、数字や結果は必ず元のデータと照らし合わせる。
表計算からチームのダッシュボードを作る
毎週同じ数字をチームに共有している場面だ。列の名前が分かる CSV を添付して、次のように頼む。
添付した表を分析して。いちばん大事な傾向を3つ挙げ、
[地域・商品・チーム]のどれに手当てが必要かを教えて。結果を確かめたら、続けて次のように頼む。
このデータから、[列名]と[列名]で絞り込めるダッシュボードを作って。
データにある内容だけを表示して。できたらチームが開けるように公開して。公式の使い方の例では同じ会話から分析の結果を5枚のスライドにまとめることもできる。ダッシュボードとスライドの数字を1つずつ、元の CSV と照らし合わせる。
毎週の営業レポートを自動で作る
月曜の朝会のために、営業の数字を毎週まとめている場面だ。HubSpot、Google スプレッドシート、Slack をつないでから、次のように頼む。
毎週月曜の9時に動く Routine を作って。
HubSpot から今週の商談を取り、先週と比べて、新しい商談、段階の移動、
遅れた商談、見込みをまとめた週次レポートを書いて。
表は Google スプレッドシートに入れ、要点を Slack の [チャンネル名] に投稿して。Routine は Power Mode か Max Mode で動き、1回ごとの予算を決める必要がある。最初の数週はいくつかの商談の金額を HubSpot と見比べて確かめる。
問い合わせの声を分析する
サポートに届く問い合わせから、よく出る困りごとをつかみたい場面だ。Zendesk、Notion、Slack をつないでから、次のように頼む。
毎週月曜の9時に動く Routine を作って。
先週の Zendesk の問い合わせを取り、内容ごとに分類して傾向を出し、
Notion のダッシュボードに、多い内容、先週との件数の比較、次にすることを書いて。
新しい内容が出たときと件数が急に増えたときは、Slack で知らせて。不具合、請求、機能の要望を分けるよう足すと、分類がはっきりする。内容ごとに数件の問い合わせを開いて、分類が合っているかを確かめる。
申し込みフォームのある紹介ページを作る
イベントやキャンペーンの申し込みを受け付ける場面だ。次のように頼む。
[イベント名]の申し込みページを作って。対象は[業種]の[担当者]。
最初の画面に見出しと日時、場所、1つの申し込みボタンを置き、
名前、会社名、メールアドレスを受け付けるフォームを付けて。
送られた申し込みはデータベースに保存して。公式の解説は1つの提案と1つの行動の呼びかけに絞り、公開した URL からフォームを試すよう勧めている。Canvas で画面に注釈を書き込み、まとめて直させることもできる。
社内の依頼を管理する画面を作る
社内からの依頼を、状態ごとに管理したい場面だ。次のように頼む。
[備品の購入]の依頼を管理する簡単な管理画面を足して。
いちばん大事なのは、新しい依頼を見ること、「連絡済み」にすること、
状態で絞り込むことの3つ。最初の版はシンプルにして。公式のコツは、依頼にいくつかの部分があるときは、何がいちばん大事かを書くよう勧めている。ログインは Replit Auth、データの保存は Replit Database を頼めば、設定なしで使える。
公開したアプリだけ動かない原因を調べる
Preview では動くのに、公開した URL ではうまく動かない場面だ。次のように頼む。
このアプリは Preview では動くが、公開した URL では動かない。
Preview と本番の違いを比べて。Secrets、データベースの設定、API の呼び出し、
ログインのリダイレクト、ログを確認して、いちばん安全な次の確認を教えて。公式のトラブルシューティングにも、同じ形の依頼が載っている。Project Editor で入れた Secrets(API キーなどの秘密の値)は、公開したアプリには自動では引き継がれない。
うまく頼むコツ
Agent と作るときの解説は、具体的に書く、作業を計画する、手がかりを足す、確かめて試す、チェックポイントを使う、の5つを勧めている。そこから3つを選んだ。
目的、重点、変えないものを書く
何をしたいか、何が大事か、何を変えないかを書く。実装の細部まで書く必要はない。
次は悪い例だ。
アプリをもっと良くして。次は良い例だ。
登録ページを直して、アカウントを作る前に製品の内容が分かるようにして。
今の色づかいとフォームの項目はそのままにし、メインのボタンを目立たせて。変える前に計画させる
迷う点や手順が多い作業は、ファイルを変える前に計画を作らせる。Plan Mode をオンにすると、Agent は先に考え、承認を待ってから変更する。
次は悪い例だ。
ネット注文の機能を足して。次は良い例だ。
変更する前に、ネット注文の機能を足す計画を作って。
利用者の流れ、必要なデータ、変わるページや部品、リスク、私が試す方法を入れて。見たことをそのまま伝える
直してほしいときは、何をして、何が起きたかを書く。
次は悪い例だ。
フォームを直して。次は良い例だ。
申し込みフォームを送ると完了の文は出るが、フォームに前の入力が残ったままになる。
送ったあとはフォームを空にし、完了の文は表示したままにして。使いこなすための設定や機能
Custom Instructions
Custom Instructions の解説によると、ワークスペース全体で常に守ってほしい決まりを一度書いておける。使ってよい部品、安全の決まり、データの扱いのような、いつも当てはまる決まりを短く書く。設定は「Settings」の「Customization」にある。
モードの切り替え
入力欄のモードの選択で、Free Mode、Power Mode、Max Mode を選ぶ。Free Mode からクレジットのかかるモードに移る前には、Replit が知らせる。Free Mode の残りは「Settings」の「Usage」で確かめられる。
チェックポイントで戻す
変更で悪くなったときや、思ったより多くを変えられたときは、Agent の画面の「History」でチェックポイントを開き、「Rollback here」を選ぶ。戻す前に、Agent が戻す内容を示して確認を求める。
連携(Connectors)
Connectors の解説によると、Google ドライブ、Google スプレッドシート、Google カレンダーなどに一度サインインすると、Agent がチャットから読み書きでき、アプリにも組み込める。多くの連携は Core 以上が必要だ。データベース、ログイン、ファイルの保存は、Starter でも Replit の内蔵の機能を使える。
公開後の見守り
公開したあとは、「Tools」の「Replit Cloud」から状態を見る。「Monitoring」ではリクエストの数、応答の速さ、CPU とメモリの使い方を、「Growth」では訪問者の数やよく見られたページを確かめられる。
使った額の通知と上限
使った額は Agent のタブで作業ごとに確かめられる。「Settings」の「Billing」では、使った額の通知と上限を決められる。
ほかのツールとの違い
TRAIL のデータベースにある値(2026年10月24日時点)で、文章からアプリを作る2つのツールと並べた。
| Replit | Lovable | v0 | |
|---|---|---|---|
| 得意なこと | 文章で指示してアプリを作り、公開まで進める開発環境 | チャットでフルスタックの Web アプリを作る | 文章の指示から Web アプリを作って公開する |
| 無料の範囲 | Agent 用のクレジットが毎日付き、公開できるアプリは1件 | 1日5ビルドクレジット(月30まで) | 1日7メッセージまで |
| 最安の有料プラン | Core 月$20(年払いは月$18) | Pro 月$25 | Plus 1ユーザー月$30 |
| 画面の日本語 | 公式ページで確認できず | 2026年6月17日から日本語を選べる | 公式ページで確認できず |
| 学習に使わない初期設定 | データベースに記載なし | Business 以上 | Business 以上 |
3つのうち、最安の有料プランがもっとも安いのは Replit の Core だ。Replit は iOS と Android のアプリも作れる。詳しくはコーディングAIの比較表、Lovable と Replit の比較、v0 と Replit の比較で見られる。
困ったときは
Free Mode の枠やクレジットが足りない
Free Mode の残りと次に戻る時刻は、「Settings」の「Usage」で確かめられる。Free Mode 以外のモードでは、依頼の複雑さに応じてクレジットがかかる。AI の料金の解説によると、有料の作業が始まる前に Replit が確認を求める。Agent が裏で他社の API を使った分は、提供元の公開価格でクレジットから引かれる。
公開できない、公開した URL で動かない
公開のトラブルシューティングは、次の順に確かめるよう勧めている。
- Preview でアプリが動くかを確かめる。Preview で動かなければ、公開しても直らない。
- 「Publishing」の画面の「Logs」で、エラーの内容を見る。
- 本番用の Secrets と環境変数を「Publishing」の画面に入れたかを確かめる。
- Web サーバーが
0.0.0.0で待ち受けているかを確かめる。
トップページの表示に5秒より長くかかると、公開の最後の確認で時間切れになることがある。
変更で悪くなった
Agent の画面の「History」から、前のチェックポイントに戻せる。少しの手直しで済むときは、何を残して何を変えるかを書いて頼み直す。
公開中のアプリが変わらない
プロジェクトで変更しても、公開中のアプリは自動では変わらない。変更を Preview で確かめてから「Republish」を選ぶと、同じ URL のまま新しいリリースになる。
プランを下げたい、解約したい
プランの変更の解説によると、「Settings」の「Billing」でプランを変える。上げる変更はすぐに、下げる変更は今の請求期間の終わりに適用される。下げてもプロジェクトとデータは消えない。適用の7日前に、変わる内容がメールで届く。Enterprise の変更は営業の担当に頼む。
アカウントやデータを消したい
データの削除の解説によると、ブラウザでは次の手順で消す。
- 「Settings」を開く。
- 「Account」の「Billing」を開く。
- 「Delete Account」の欄で「Request account deletion」を選び、「Yes, Delete my Account」で確定する。
スマホのアプリでも、「Settings」のアカウントの欄から「Delete Account」で消せる。削除すると、アプリ、テンプレート、投稿を含むすべての内容が消え、あとから戻せない。
気をつけること
Agent が間違えることがある
料金ページは、Replit Agent は大規模言語モデルを使っており、動きが確率的なため間違えることがあると断っている。利用規約も、AI が生成や提案をしたコードには誤りや不足があり得るとしている。公開の前に Preview で主な操作を試し、「Suggested add-ons」の「Deep security scan」の横の「Run scan」で安全性の点検もできる。API キーは Secrets に入れ、ブラウザ側のコードに置かない。
入力したデータの扱い
モデルの改善の解説によると、Replit は指示、文脈、生成された応答などを、モデルと AI の機能の改善に使う。使わせない設定は Pro の利用者が使え、「Settings」の「Personalization」で「Model Improvement」をオフにする。オフにしても、作った内容は消えない。Enterprise の内容はモデルの学習に使われない。Starter と Core の利用者が使える設定は、この解説には書かれていない。
生成物の権利
利用規約は、利用者が送ったり投稿したりした内容の権利は利用者に残るとしている。AI が生成したコードの権利を個別に定めた箇所は、今回読んだ範囲では見つからなかった。
会社で使うときのルール
Pro では最大15人がクレジットを分け合い、予算の上限を決められる。ワークスペースごとに利用量も追える。Enterprise ではSSO、SCIM、監査ログ、セキュリティの一元管理、シングルテナントの環境を使える。TRAIL の年表では2026年10月16日に、Azure、Google Cloud、AWS の自社のクラウドで開発と本番を動かす Bring Your Own Cloud が発表された。
よくある質問
Replit は無料で使えますか
使える。Starter プランは無料で、1日ごとの Agent 用クレジットと Free Mode で作れる。ただし、公開できるアプリは1件で、30日で自動で止まる。2件目以降の公開や外部サービスとの連携は Core からだ。
日本語で使えますか
料金ページは日本語で表示される。アプリの画面が日本語になるかは、公式ページで確認できなかった。公式ドキュメントは英語だ。
スマホで使えますか
iOS と Android のアプリがあり、replit.com/mobile から入れられる。スマホのアプリからアカウントを削除することもできる。
スマホのアプリも作れますか
作れる。公式ドキュメントにはAgent で iOS と Android のアプリを作り、手元のスマホで試し、App Store に出すまでの手順がある。
入力した内容は学習に使われますか
使われる。Replit は指示や応答をモデルの改善に使う。使わせない設定は Pro の利用者が「Settings」の「Personalization」で選べ、Enterprise の内容は学習に使われない。
Lovable と何が違いますか
どちらも文章でアプリを作って公開できる。最安の有料プランは、Replit が Core の月$20、Lovable が Pro の月$25だ。Replit はスマホのアプリも作れ、Lovable は Web アプリだけを作る。
次に読む
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.10.16 まで。
出典
- Welcome to ReplitReplit
- Build your first appReplit
- Publish your appReplit
- PricingReplit
- Starter PlanReplit
- Replit CoreReplit
- Replit ProReplit
- Replit AI BillingReplit
- Select the right Agent ModeReplit
- Build with AgentReplit
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