AIブラウザとは?意味・仕組みと各社の製品の年表(2026年11月時点)
AIブラウザ
エージェント型ブラウザ
AIブラウザとは、AI のアシスタントやエージェントを組み込んだ Web ブラウザのこと。開いているページを読んで答えるほか、利用者に代わってクリックや入力をするものもある。
要するに
- 専用のブラウザと、Chrome などに足す拡張や組み込みの機能がある
- Comet は2025年10月に無料になり、ChatGPT Atlas は廃止の扱いになった
- ページに隠した命令で AI を操るプロンプトインジェクションに注意が要る
最終確認

AI がブラウザを読み、操作する製品と機能の出来事
AIブラウザの機能があるツール
目次8
ひとことで言うと
AIブラウザは、AI のアシスタントやAIエージェントを組み込んだ Web ブラウザのことだ。開いているページを読んで質問に答えたり要約したりするほか、利用者に代わってクリックや入力をして作業を進めるものもある。専用のブラウザとして配るものと、Chrome などのいつものブラウザに足す拡張機能や組み込みの機能がある。
身近な例は、Perplexity が出した AI ブラウザ「Comet」だ。Perplexity は、「同じ自転車を、もっと早く届けてくれるほかのサイトは」と Comet に聞く使い方を例に挙げている。
仕組み
各社の公式の説明に沿うと、AIブラウザは次のように動く。
- ページを読む:開いているページの内容を AI が読む。Google によると、Gemini in Chrome は開いている複数のタブをまたいで情報を処理できる。
- 指示を受ける:利用者は、ブラウザの横のパネルやサイドバーで、してほしいことを伝える。
- 操作する:AI がページの上で作業を進める。Anthropic によると、Claude in Chrome はテキストの読み取りと入力、リンクのクリック、ページ間の移動、フォームへの入力ができる。
- 確かめる:大事な操作の前に、利用者の確認を挟む。Google は、メールの送信やカレンダーへの予定の追加の前に確認を求めるとしている。
ログインの扱いは製品ごとに違う。OpenAI によると、ChatGPT Atlas は最初に開くとき、使っていたブラウザからブックマーク、保存したパスワード、閲覧履歴を取り込めた。Manus Browser Operator は、利用者のブラウザでログイン済みの CRM(顧客管理の仕組み)や調査ツールを操作する。
表で見る最新の状況
上の年表は、AI がブラウザを読んだり操作したりする製品や機能の出来事15件を、古い順に並べたものだ。確認日は2026年10月10日から10月14日。
- 2024年12月11日、Google は Chrome 拡張でページを読み取り、クリック、入力、スクロールして作業を進める研究試作「Project Mariner」の限定テストを始めた。2025年1月23日には、OpenAI が自前のブラウザで Web の作業を代行する「Operator」を研究プレビューで公開した。
- 2025年6月10日に Genspark が、広告のブロックや Web の巡回を任せるオートパイロットを備えた「AI Browser」を発表し、7月9日に Perplexity が「Comet」を公開した。Comet は当初、Max プランの加入者と招待された人だけが使えたが、10月2日に誰でも無料で使えるようになった。
- 2025年10月21日、OpenAI は macOS 向けの「ChatGPT Atlas」を公開した。発表のページには、Atlas は廃止の扱い(deprecated)になったと書かれている。OpenAI のリリースノートは、Atlas が2026年8月9日に動かなくなる予定だと案内した。
- Anthropic は2025年8月25日に「Claude in Chrome」を Max プランの1,000人で試験提供し、2026年8月26日に全有料プランで一般提供した。
- 2026年4月21日、Google は「Gemini in Chrome」を日本で始めた。5月7日には OpenAI が Codex の Chrome 拡張を出した。OpenAI の変更履歴によると、8月25日には ChatGPT のブラウザ拡張が Edge、Brave、Opera、Vivaldi でも使えるようになった。
TRAIL の年表では、専用のブラウザを配る形と、Chrome などのいつものブラウザに拡張や機能として足す形の両方が続いている。Comet は2026年3月26日に iOS 版が出て、iOS、Android、Mac、Windows の主要な環境でそろった。一方で、Atlas は2026年8月9日に動かなくなる予定と案内された。
下の表は、年表に出てくる7つのツールの無料プランの有無、最も安い有料プラン、画面の日本語対応だ。TRAIL の DB では7つとも無料プランがあり、画面の日本語対応を確認できたのは5つだ。表の料金はツール全体のもので、ブラウザの機能を使えるプランは製品ごとに違う。
AIブラウザ(専用のブラウザ)とブラウザ拡張の違い
| 専用のブラウザ | いつものブラウザの拡張 | ブラウザに組み込みの機能 | |
|---|---|---|---|
| 例 | Comet、ChatGPT Atlas、Genspark AI Browser | Claude in Chrome、Manus Browser Operator、Codex の拡張 | Gemini in Chrome |
| 始め方 | ブラウザごと入れる | Chrome ウェブストアなどから拡張を入れる | Chrome のタブの右上のアイコンから使う |
| ログイン | Atlas は、元のブラウザからパスワードや履歴を取り込めた | 利用者のブラウザのログイン状態をそのまま使う | Gmail、Google マップ、Google カレンダーなどと連携する |
| 使えるブラウザ | そのブラウザだけ | Claude は Chrome だけ。Manus は Chrome と Edge を推奨。ChatGPT の拡張は Chrome、Edge、Brave、Opera、Vivaldi の5種 | Chrome |
拡張の形は、ふだんのブラウザとログイン状態をそのまま使える。Anthropic は Claude in Chrome について、他の Chromium 系のブラウザやスマートフォンでは今のところ動かないとしている。
仕事でどう関係するか
複数のサイトを見比べて調べるとき
Google によると、Gemini in Chrome は開いている複数のタブの内容をまとめ、複数のサイトにわたる製品の比較表を作れる。Perplexity も、読んでいるページと前に読んだものを比べるよう Comet に頼む使い方を挙げている。調べものの多い仕事なら、タブを行き来して書き写す手間を減らせるかを判断する材料になる。
開いているタブの3社の勤怠管理サービスを、月額料金、無料で試せる期間、対応している打刻の方法で表にしてください。ページに書かれていない項目は「記載なし」としてください。API のない社内のシステムや取引先のポータルを扱うとき
Anthropic は、社内のダッシュボード、古いシステム、取引先のポータルのように、Claude とつながっていない道具を Claude in Chrome で扱えるとしている。Manus も、ログイン済みの CRM や有料の調査ツールの中で、複数の手順の作業を進められるとする。つなぐ仕組みのない道具を AI に扱わせたいときに、ブラウザ経由という選択肢があると分かる。
会社の端末で使わせるとき
Anthropic によると、Claude の Enterprise プランでは、管理者が組織の設定で Claude in Chrome を管理し、承認したドメインに限れる。Gemini in Chrome について TRAIL の年表は、社内の管理端末では Chrome の管理ポリシーの確認が要るとしている。導入の前に、管理者がどこまで制限できるかを確かめておくと判断しやすい。
メールや予定を代わりに扱わせるとき
ページやメールに隠した命令で AI を操るプロンプトインジェクションに注意が要る。Anthropic は、メールの返信の下書きを頼んだとき、1通のメールに隠された命令で別のメールを攻撃者に転送してしまう例を挙げている。TRAIL の年表では、Claude in Chrome の試験提供の時点で、攻撃の成功率を23.6%から11.2%に下げたと公表されていた。
注意点と限界
- ブラウザを操作する AI は、Web ページに隠した命令にだまされることがある。OpenAI は Atlas の発表で、対策をしてもリスクのすべてはなくならず、利用者がエージェントの動きを見守る必要があるとしていた。
- 製品の入れ替わりが速い。ChatGPT Atlas は2025年10月に公開され、OpenAI は2026年8月9日に動かなくなる予定だと案内した。
- 複雑な操作は失敗することがある。Manus は、ドラッグ&ドロップや複数の手順のフォームなどはまだ完全には動かない場合があるとしている。
- 自動で進む範囲は設定で変えられる。Anthropic によると、Claude in Chrome は安全と判断した操作を自動で承認し、設定で毎回の手動の承認に戻せる。
- 閲覧した内容の扱いは製品ごとに違う。OpenAI は、Atlas で閲覧した内容を既定ではモデルの学習に使わないとしていた。
よくある質問
AIブラウザとは簡単に言うと何か
AI のアシスタントやエージェントを組み込んだ Web ブラウザだ。ページの要約や質問への回答に加え、利用者に代わってクリックや入力をするものもある。
無料で使える AIブラウザはあるか
ある。TRAIL の年表では、Perplexity の Comet が2025年10月2日から誰でも無料で使えるようになった。ほかの機能の対象プランは製品ごとに違い、Claude in Chrome は Claude の有料プランで使える。
ChatGPT Atlas は今も使えるか
OpenAI は Atlas を廃止の扱い(deprecated)とし、リリースノートで2026年8月9日に動かなくなる予定だと案内した。発表のページは、現在の製品として ChatGPT Work を案内している。リリースノートは、ブラウザで作業を任せる用途に ChatGPT のデスクトップアプリを勧めている。
いつもの Chrome のまま AI に操作を任せられるか
任せられる。Claude in Chrome、Codex の拡張、Manus Browser Operator は、拡張として入れて使う。Google は Chrome に Gemini を組み込んだ Gemini in Chrome を出している。
日本で使える AIブラウザはあるか
ある。Google は2026年4月21日に Gemini in Chrome を日本で始め、デスクトップで順次使えるようにするとした。Perplexity は2025年10月2日から、Comet を世界の誰でも無料でダウンロードできるようにした。
AIブラウザは安全か
リスクはある。各社は、Web ページに隠した命令で AI を操るプロンプトインジェクションへの対策を説明している。Google はメールの送信などの前に確認を求め、OpenAI は対策でリスクのすべてはなくならないとしていた。
関連する用語
- AIエージェント:AIブラウザの中で作業を進める仕組み
- コンピューターユース:AI が画面を見て操作する機能
- プロンプトインジェクション:ページに隠した命令で AI を操る攻撃
- AI検索:Comet が標準に置く、AI が答えをまとめる検索
- MCP:AI を外部のツールにつなぐ共通の仕組み。Genspark AI Browser は MCP のストアを備える
- ツール:Perplexity、ChatGPT、Gemini、Claude、Genspark、Manus、Codex
- 使い方:Perplexity の使い方、Claude の使い方、Genspark の使い方、Manus の使い方
- テーマ:PCを操作するAI
出典
- Introducing Comet: Browse at the speed of thoughtPerplexity
- ChatGPT 搭載のブラウザー、ChatGPT Atlas が登場OpenAI
- ブラウザで Gemini がもっと身近に。Gemini in Chrome を提供開始Google
- Claude in Chrome が一般提供開始Anthropic
- Manus ブラウザオペレーターのご紹介Manus
- Introducing Genspark AI BrowserGenspark
- ChatGPT & Codex changelogOpenAI
- ChatGPT release notesOpenAI
- Comet now available for everyone, background assistants, and Slack connectorPerplexity
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)
