Lovable のアプリ作成AI、自社の AWS で実行可能に 一部の Enterprise 顧客向け
Lovable が2026年10月14日、Enterprise 向けの「Deploy on AWS」を限定プレビューで発表した。作ったアプリとデータを自社の AWS アカウントで動かせる。10月の出来事は14日までで3件になった。
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.10.14 まで。
- Lovable が2026年10月14日、Enterprise 向けの「Deploy on AWS」を限定プレビューとして発表した。Lovable で作ったアプリとそのデータを、利用企業の AWS アカウントの中で動かせる。
- 社外に出せないデータを使う社内アプリを、Lovable で作りたい企業に関係する。
- いま使えるのは、選ばれた一部の Enterprise 顧客だけだ。料金と一般提供の時期は示されていない。
何が発表されたか
Lovable は、会話で指示するだけでアプリを作れるサービスだ。その Lovable が2026年10月14日、自社の AWS アカウントで実行できる「Deploy on AWS」を発表した。AWS は Amazon のクラウドサービスである。提供の形は private preview(限定プレビュー)だ。
これまで、Lovable で作ったアプリは Lovable の設備の上で動いていた。Lovable の発表は、データを社内のネットワークの外に出せない企業があると説明している。Deploy on AWS では、アプリの実行に要るものがすべて、利用企業の AWS アカウントの専用 VPC に置かれる。VPC は、クラウドの中に区切った自社専用のネットワークのことだ。発表が挙げる中身は次のとおり。
- Amazon EKS の上で動く Lovable の実行部分。作業中の試し表示もここで動く。
- 公開したアプリ。静的なファイルは Amazon S3、動的な処理は AWS Lambda が受け持つ。
- アプリのデータベース(Amazon Aurora PostgreSQL)と保存領域(Amazon S3)。
- アプリのログ、外部サービスとつなぐ接続口、連携に使う秘密の情報。
アプリは VPC ピアリングという私設の経路で、社内のデータ基盤や顧客管理システムにつながる。発表は、こうした社内システムを公のインターネットに出さずに済むとしている。設置、管理、更新は Lovable が行う。
一方で、作る作業は Lovable 側に残る。編集画面、エージェント(指示を受けて作業を進める AI)、チャットとプロジェクトの履歴、ワークスペースの設定、認証、請求である。作る途中の AI モデルへの依頼も、引き続き Lovable の AI サービスが処理する。
年表で見ると
TRAIL の年表で、Lovable は同じ2026年10月14日に、集客の計画と広告出稿を支援する機能も発表している。前日の10月13日には、ブラウザの AI エージェントがアプリを操作できる機能を加えた。
企業の管理者向けの更新では、2026年9月17日に Lovable API を出している。API キーの作成には、Business か Enterprise のプランが要る。2026年8月12日には、Series C で4億ドルを調達した。評価額は133億ドルだった。
TRAIL の年表では、Lovable の出来事は10月に入って14日までに3件あり、9月1か月分の3件に並んだ。8月は1件、7月は0件だった。
同じカテゴリで比べると
コーディングの分野では、Cursor も2026年9月2日に、自社環境で動かす Self-hosted machines を出した。こちらは、クラウドエージェントのツール実行だけを自社が管理するマシンに移すもので、推論と計画は Cursor 側に残る。
各社の Enterprise プランの料金は、TRAIL の記録では次のとおりだ。
| ツール | Enterprise の料金 |
|---|---|
| Lovable | 要問い合わせ |
| Cursor | 要問い合わせ |
| GitHub Copilot | $39/ユーザー/月 |
| Claude Code | $20/席/月(年払い)+ API 料金での従量 |
| Replit | 要問い合わせ |
| v0 | 要問い合わせ |
ほかの項目はコーディング分野の比較表にまとめている。
誰が、いくらで使えるか
Deploy on AWS を使えるのは、選ばれた一部の Enterprise 顧客だけだ。Lovable の Enterprise プランの料金は要問い合わせで、監査ログや SCIM(利用者のアカウントを一括で管理する仕組み)を含む。Deploy on AWS に別の料金がかかるかは、発表に書かれていない。
始めるときは、管理者が新しい Enterprise ワークスペースを作り、AWS での実行を選ぶ。Lovable が AWS の設定一式(CloudFormation スタック)を作り、利用企業が中身を確かめてから実行する。
データの守り方も発表に書かれている。アプリのデータは利用企業の VPC に置かれ、企業自身の AWS の暗号化と権限管理の下にある。利用企業側から Lovable へは、暗号化した経路(mTLS)で外向きにだけつなぐ。Lovable から社内への接続は要らない。チャットとプロジェクトの履歴は、保存時に暗号化される。管理者は自社の AWS KMS の鍵を使え、Lovable の利用権をいつでも取り消せる。
発表によると、Deutsche Telekom が10月に、自社の AWS アカウントでこの方式の運用を始めた。
まだ分からないこと
発表は、料金にも一般提供の時期にも触れていない。使える AWS のリージョン(データセンターの地域)の記載もない。Lovable の設備で動かすときの機能の一部は、まだ使えない。どの機能が使えないのかは、発表からは分からない。日本の企業が対象に入るかどうかも書かれていない。
次に見るもの
Lovable は、Lovable の設備で動かす場合と同じ機能をそろえる作業を進めているとしている。参加したい企業は、担当の営業チームか byoc@lovable.dev に連絡する。