音声生成AIとは?意味・仕組みと主なツールの無料プラン・料金(2026年10月時点)

音声生成AI(おんせいせいせいえーあい)

Voice Generation AI / AI音声生成 / 音声合成AI / Text-to-Speech

音声生成AIとは、文章や録音などの指示から、人の声や音楽などの音声を新しく作り出すAIのこと。文章の読み上げ(音声合成)、声の再現(ボイスクローン)、作曲などに使われる。

要するに

  • WaveNet は音声の波形を、それまでの点をもとに1点ずつ予測して作る
  • 3ツールとも無料プランがあり、Suno と HeyGen の無料分は商用に使えない
  • 声の再現は、各社の記載が本人の同意や権限か、本人の声であることを条件にしている

最終確認

「音声生成AI」を表すイメージ画像

音声を作る主なツール

TRAIL の DB の3件。各行の確認日に、出典に書かれていた値です(最新の確認は)。

ツール無料プラン最も安い有料プラン画面の日本語使い方ガイド料金の確認日
ElevenLabsありStarter $6/月非対応使い方を読む
SunoありPro ¥1,200/月(年払い時。年払いで年¥3,600お得)非対応使い方を読む
HeyGenありCreator $29/月対応使い方を読む

音声生成の主な出来事

TRAIL の DB の16件。各行の確認日に、出典に書かれていた値です(最新の確認は)。

  1. ElevenLabs・モデル

    Eleven Multilingual v2 を公開

    公式の出典最終確認

  2. ChatGPT・機能

    画像入力と音声会話に対応

    公式の出典最終確認

  3. Suno・モデル

    v3 を公開

    公式の出典最終確認

  4. Gemini・機能

    Gemini Live を提供開始

    公式の出典最終確認

  5. ElevenLabs・モデル

    音楽生成 Eleven Music を公開

    公式の出典最終確認

  6. ChatGPT・機能

    音声モデル GPT-Live を公開

    公式の出典最終確認

  7. Suno・モデル

    v6 を公開

    公式の出典最終確認

  8. Gemini・モデル

    Gemini 3.8 Flash TTS 系を一般提供

    公式の出典最終確認

  9. ElevenLabs・モデル

    Eleven v4 と v4 Turbo を公開

    公式の出典最終確認

残りの4件を見る
  1. Suno・機能

    Speech(ベータ)を公開

    公式の出典最終確認

  2. Grok・モデル

    Grok Voice 3.0 を公開

    公式の出典最終確認

原論文と関連研究

TRAIL の論文解説3本。年は論文の初公開の年です。

目次8

ひとことで言うと

音声生成AIは文章や録音などの指示から、人の声や音楽などの音声を新しく作り出すAIだ。生成AIのうち、音を作るものを指す。文章の読み上げ(音声合成、TTS)、録音をもとにした声の再現(ボイスクローン)、歌や BGM の作曲などに使われる。

身近な例でいえば、研修資料の原稿を入れて、落ち着いた声のナレーションを作る使い方がある。

仕組み

音声合成の代表的な論文である WaveNet(2016年9月に arXiv で公開)と Tacotron(2017年3月に arXiv で公開)をもとに、文章が声になるまでの流れをまとめると次のとおりだ。

  1. 学習する:文章と、それを読み上げた音声の組を大量に学ばせる。Tacotron の論文は文章と音声の組だけを使い、一から学習できるとしている。
  2. 文章を音の形に変える:従来の音声合成は、いくつもの段階に分かれた仕組みだった。Tacotron は文字から直接、音声を合成する一続きのモデルとして提案された。
  3. 波形を作る:音声の波形は、1秒に数万個の点(サンプル)が並んだデータだ。WaveNet はそれまでのすべての点をもとに次の点を予測する方式(自己回帰)で、波形をじかに作る。
  4. 声を選ぶ:WaveNet の論文は1つのモデルで多くの話者の特徴をとらえ、話者の情報を与えると声を切り替えられるとしている。

WaveNet の論文によると、人が聞いて比べた評価で、英語と中国語のどちらでも、最良のパラメトリック方式と波形接続方式(従来の2つの作り方)より自然だと判定された。音楽を学ばせると、新しい音楽の断片も作れたとしている。Tacotron の論文は、細かい区切り(フレーム)ごとに音声を作るため、波形の点を1つずつ作る方式より速いと説明している。

Google の Gemini API のドキュメントは、声の用意のしかたとして、用意された声から選ぶ方法、文章で説明して声を作る方法(Voice design)、録音から話者の声を再現する方法(Voice replication)を挙げている。複数の話者の会話を1回で作ることもでき、Gemini API は用意された声で2人までに対応する。

表で見る最新の状況

上の1つめの表は、TRAIL が掲載している音声を作るツールのうち3つを並べたものだ。料金の確認日は、ElevenLabs が2026年10月10日、Suno が2026年10月19日、HeyGen が2026年10月24日。

3つとも無料プランがあるが、無料の範囲と使える場面が違う。ElevenLabs の Free は月10,000クレジット、Suno の Free は1日50クレジット、HeyGen の Free は月3本・1本1分までだ。最も安い有料プランは、ElevenLabs が Starter の$6/月、Suno が Pro の¥1,200/月(年払い時)、HeyGen が Creator の$29/月。画面の日本語に対応しているのは HeyGen で、ElevenLabs と Suno は対応を確認できていない。ただし ElevenLabs は日本語の音声を作れ、Suno は日本語の歌詞で曲を作れる。

2つめの表は TRAIL の年表から音声生成の主な出来事を選んだものだ。ElevenLabs は2023年1月23日に音声合成のベータ版を公開し、5秒ほどの音声サンプルから声のクローンを作れるとした。2023年8月22日の Eleven Multilingual v2 で、日本語を含む約30言語に広がった。2025年6月3日の Eleven v3(アルファ版)は70以上の言語に対応し、[excited] のようなタグで感情を指定できる。2026年9月28日の Eleven v4 は90以上の言語に対応し、10秒の音声から Instant Voice Clone を作れる。

音楽では、Suno が2024年3月21日の v3 で、1回の生成で2分の曲を作れるようにした。2026年9月9日の v6 は3モデルで、無料版でも v6-mini を使える。2026年10月1日には語りと BGM を1つのトラックで同時に作る Speech(ベータ)を公開した。ElevenLabs も2025年8月5日に音楽生成の Eleven Music を出している。

対話AIの各社も音声のモデルを出している。ChatGPT は2023年9月25日に声での会話に対応し、2026年7月8日に音声モデル GPT-Live を採用した。2026年10月15日の GPT-Live-1.1 では、新しい声に日本語が加わった。Google は2026年9月22日に Gemini 3.8 Flash TTS 系を Gemini API で一般提供にした。SpaceXAI(旧 xAI)は2026年10月14日に Grok Voice 3.0 を公開し、API の料金は音声1分あたり0.08ドルだ。

TRAIL の年表では、2026年9月から10月の間に、ElevenLabs、Suno、Google、OpenAI、SpaceXAI、HeyGen が、それぞれ新しい音声のモデルか機能を出している。

音声生成AIと音声認識AIの違い

項目 音声生成AI 音声認識AI 音声対話のモデル
入力と出力 文章や録音から、声や曲を作る 声を聞いて、文章にする 声を聞いて、声で答える
主な用途 ナレーション、吹き替え、BGM 文字起こし、議事録 電話の窓口、音声アシスタント
TRAIL の例 Eleven v4、Suno v6、Gemini 3.8 Flash TTS ElevenLabs の Scribe v2、Notta、Granola Eleven Realtime、Grok Voice 3.0、GPT-Live

ElevenLabs の Eleven Realtime は、音声で話すAIエージェントを1つのモデルで動かす Speech to Speech のモデルとされている。音声のツールの比較は音声カテゴリの比較表にまとめている。

仕事でどう関係するか

研修動画や商品紹介のナレーションを作るとき

まず確かめたいのは、作った音声を商用で使えるかだ。ElevenLabs の料金ページでは、Commercial License は Starter から載っており、Free には載っていない。HeyGen の利用規約(2026年10月15日更新)は、Free で作った出力を販売や収益化に使えないとし、個人の非営利の利用と社内の評価に限っている。

感情の指定ができるモデルでは、原稿に指示を書き込める。Eleven v3 は [excited] や [whispers] のようなタグで感情を指定できる。

プロンプト
[excited] 新しい経費精算の手順を説明します。
まず、申請画面の右上にある「新規作成」を押してください。
[whispers] 領収書の画像は、必ず日付が読める状態で添付します。

BGM やジングルを作るとき

Suno の利用規約(2026年8月10日更新、9月3日発効)は、無料のプランで作った曲を、合法的で個人的な非商用の目的にだけ使うよう求めている。料金表では、有料の Pro に商用利用可と書かれている。利用規約は、商用で使えるのは承認された経路でダウンロードした曲に限るとしており、ダウンロードの回数は Pro が月20回、Premier が月60回だ。

自分や社員の声を再現するとき

各社の公式の記載は、声の再現を、本人の同意や正当な権限がある場合か、本人の声に限っている。主な記載は次のとおりだ。

  • ElevenLabs:利用ポリシー(2026年10月9日更新)は、生きている人の声、身元、姿をクローン・合成したり、なりすましたりすることを、本人の明示的で十分な説明を受けた同意か、ほかの正当な権限がない限り禁じている。声のモデルを作ったり学習させたりするために、18歳未満の人の録音を提出することも禁じている。
  • Suno:利用規約は自分の声に似た Voice Model だけを作れるとし、他人の声の録音を含むものを上げてはならないとしている。
  • Google(Gemini API):声の再現には、同じ成人の話者による2つの録音が必要だ。1つは、決められた同意の文を本人が読み上げた録音である。
  • OpenAI:音声合成のドキュメントは話者の同意の録音と、それに合う音声サンプルから、承認されたカスタムの声を作るとしている。

これらは各社の規約やドキュメントの記載で、法律の上での可否を示すものではない。使う前に、声の持ち主の同意と、各社の規約の原文を確かめる必要がある。

電話の窓口やアプリに組み込むとき

API(ほかのアプリから AI を呼び出す仕組み)の料金と、続くかどうかを確かめる。Grok Voice 3.0 は音声1分あたり0.08ドルだ。HeyGen は音声合成の HeyGen Voice Turbo を2026年11月30日まで API で無料にしており、有料の Turbo は100万文字あたり4ドルだ。OpenAI のドキュメントによると、tts-1、tts-1-hd、gpt-4o-mini-tts は2027年1月6日に提供を終える。

OpenAI のドキュメントによると、同社の利用ポリシーは、聞いている声が AI で作ったもので、人の声ではないことを、利用者にはっきり示すよう求めている。組み込む前に、AI の声だと伝える方法を決めておく必要がある。

注意点と限界

  • 読み間違いがある。ElevenLabs によると、Eleven v3 の正式版では、数字や記号の読み上げの誤りが検証で15.3%から4.9%に減った。減っても、ゼロにはなっていない。
  • 英語向けに作られた声がある。OpenAI のドキュメントは、音声合成の声は現在、英語向けに最適化されているとしている。
  • AI で作ったことを示す必要がある場面がある。ElevenLabs の利用ポリシーは、法律で求められるときや、示さないと相手を大きく誤解させるときに、AI と話していることをはっきり示すよう求めている。HeyGen の利用規約も、法律で求められる範囲で AI で作ったことを示すよう求めている。
  • 透かしを消してはいけない。ElevenLabs の利用ポリシーは、AI で作ったことを隠したり検出を逃れたりする目的で、透かしやメタデータなど、出どころを示す情報を消す、変える、隠すことを禁じている。

よくある質問

音声生成AIとは何か

文章や録音などの指示から、声や音楽などの音声を新しく作り出すAIだ。文章の読み上げ、声の再現、作曲に使われる。WaveNet は音声の波形を1点ずつ予測して作る方式を示した。

無料で使えるか

使える。TRAIL の表の ElevenLabs、Suno、HeyGen は、どれも無料プランがある。ただし Suno と HeyGen の無料プランで作ったものは、商用に使えない。

他人の声をまねて作れるか

各社の記載は、本人の同意や権限があることか、本人の声であることを条件にしている。ElevenLabs は同意か正当な権限のない声のクローンを禁じ、Suno は自分の声に似たモデルだけを作れるとしている。Google の Gemini API は、本人が同意の文を読み上げた録音を求める。

日本語で使えるか

日本語の音声は作れる。ElevenLabs の Eleven v4 は日本語を含む90以上の言語に対応し、ChatGPT の GPT-Live-1.1 には日本語の声が加わった。3つのツールのうち、画面の日本語表示を確認できているのは HeyGen だ。

作った音声や曲を商用で使えるか

ツールとプランによる。Suno は料金表で有料の Pro に商用利用可とあり、HeyGen は Free の出力の商用利用を認めていない。ElevenLabs の料金ページでは、Commercial License は Starter から載っている。

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出典

公開
執筆
TRAIL編集部(編集方針)

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