音声生成AIとは?意味・仕組みと主なツールの無料プラン・料金(2026年10月時点)
音声生成AI(おんせいせいせいえーあい)
Voice Generation AI / AI音声生成 / 音声合成AI / Text-to-Speech
音声生成AIとは、文章や録音などの指示から、人の声や音楽などの音声を新しく作り出すAIのこと。文章の読み上げ(音声合成)、声の再現(ボイスクローン)、作曲などに使われる。
要するに
- WaveNet は音声の波形を、それまでの点をもとに1点ずつ予測して作る
- 3ツールとも無料プランがあり、Suno と HeyGen の無料分は商用に使えない
- 声の再現は、各社の記載が本人の同意や権限か、本人の声であることを条件にしている
最終確認

音声を作る主なツール
音声生成の主な出来事
原論文と関連研究
目次8
ひとことで言うと
音声生成AIは文章や録音などの指示から、人の声や音楽などの音声を新しく作り出すAIだ。生成AIのうち、音を作るものを指す。文章の読み上げ(音声合成、TTS)、録音をもとにした声の再現(ボイスクローン)、歌や BGM の作曲などに使われる。
身近な例でいえば、研修資料の原稿を入れて、落ち着いた声のナレーションを作る使い方がある。
仕組み
音声合成の代表的な論文である WaveNet(2016年9月に arXiv で公開)と Tacotron(2017年3月に arXiv で公開)をもとに、文章が声になるまでの流れをまとめると次のとおりだ。
- 学習する:文章と、それを読み上げた音声の組を大量に学ばせる。Tacotron の論文は文章と音声の組だけを使い、一から学習できるとしている。
- 文章を音の形に変える:従来の音声合成は、いくつもの段階に分かれた仕組みだった。Tacotron は文字から直接、音声を合成する一続きのモデルとして提案された。
- 波形を作る:音声の波形は、1秒に数万個の点(サンプル)が並んだデータだ。WaveNet はそれまでのすべての点をもとに次の点を予測する方式(自己回帰)で、波形をじかに作る。
- 声を選ぶ:WaveNet の論文は1つのモデルで多くの話者の特徴をとらえ、話者の情報を与えると声を切り替えられるとしている。
WaveNet の論文によると、人が聞いて比べた評価で、英語と中国語のどちらでも、最良のパラメトリック方式と波形接続方式(従来の2つの作り方)より自然だと判定された。音楽を学ばせると、新しい音楽の断片も作れたとしている。Tacotron の論文は、細かい区切り(フレーム)ごとに音声を作るため、波形の点を1つずつ作る方式より速いと説明している。
Google の Gemini API のドキュメントは、声の用意のしかたとして、用意された声から選ぶ方法、文章で説明して声を作る方法(Voice design)、録音から話者の声を再現する方法(Voice replication)を挙げている。複数の話者の会話を1回で作ることもでき、Gemini API は用意された声で2人までに対応する。
表で見る最新の状況
上の1つめの表は、TRAIL が掲載している音声を作るツールのうち3つを並べたものだ。料金の確認日は、ElevenLabs が2026年10月10日、Suno が2026年10月19日、HeyGen が2026年10月24日。
3つとも無料プランがあるが、無料の範囲と使える場面が違う。ElevenLabs の Free は月10,000クレジット、Suno の Free は1日50クレジット、HeyGen の Free は月3本・1本1分までだ。最も安い有料プランは、ElevenLabs が Starter の$6/月、Suno が Pro の¥1,200/月(年払い時)、HeyGen が Creator の$29/月。画面の日本語に対応しているのは HeyGen で、ElevenLabs と Suno は対応を確認できていない。ただし ElevenLabs は日本語の音声を作れ、Suno は日本語の歌詞で曲を作れる。
2つめの表は TRAIL の年表から音声生成の主な出来事を選んだものだ。ElevenLabs は2023年1月23日に音声合成のベータ版を公開し、5秒ほどの音声サンプルから声のクローンを作れるとした。2023年8月22日の Eleven Multilingual v2 で、日本語を含む約30言語に広がった。2025年6月3日の Eleven v3(アルファ版)は70以上の言語に対応し、[excited] のようなタグで感情を指定できる。2026年9月28日の Eleven v4 は90以上の言語に対応し、10秒の音声から Instant Voice Clone を作れる。
音楽では、Suno が2024年3月21日の v3 で、1回の生成で2分の曲を作れるようにした。2026年9月9日の v6 は3モデルで、無料版でも v6-mini を使える。2026年10月1日には語りと BGM を1つのトラックで同時に作る Speech(ベータ)を公開した。ElevenLabs も2025年8月5日に音楽生成の Eleven Music を出している。
対話AIの各社も音声のモデルを出している。ChatGPT は2023年9月25日に声での会話に対応し、2026年7月8日に音声モデル GPT-Live を採用した。2026年10月15日の GPT-Live-1.1 では、新しい声に日本語が加わった。Google は2026年9月22日に Gemini 3.8 Flash TTS 系を Gemini API で一般提供にした。SpaceXAI(旧 xAI)は2026年10月14日に Grok Voice 3.0 を公開し、API の料金は音声1分あたり0.08ドルだ。
TRAIL の年表では、2026年9月から10月の間に、ElevenLabs、Suno、Google、OpenAI、SpaceXAI、HeyGen が、それぞれ新しい音声のモデルか機能を出している。
音声生成AIと音声認識AIの違い
| 項目 | 音声生成AI | 音声認識AI | 音声対話のモデル |
|---|---|---|---|
| 入力と出力 | 文章や録音から、声や曲を作る | 声を聞いて、文章にする | 声を聞いて、声で答える |
| 主な用途 | ナレーション、吹き替え、BGM | 文字起こし、議事録 | 電話の窓口、音声アシスタント |
| TRAIL の例 | Eleven v4、Suno v6、Gemini 3.8 Flash TTS | ElevenLabs の Scribe v2、Notta、Granola | Eleven Realtime、Grok Voice 3.0、GPT-Live |
ElevenLabs の Eleven Realtime は、音声で話すAIエージェントを1つのモデルで動かす Speech to Speech のモデルとされている。音声のツールの比較は音声カテゴリの比較表にまとめている。
仕事でどう関係するか
研修動画や商品紹介のナレーションを作るとき
まず確かめたいのは、作った音声を商用で使えるかだ。ElevenLabs の料金ページでは、Commercial License は Starter から載っており、Free には載っていない。HeyGen の利用規約(2026年10月15日更新)は、Free で作った出力を販売や収益化に使えないとし、個人の非営利の利用と社内の評価に限っている。
感情の指定ができるモデルでは、原稿に指示を書き込める。Eleven v3 は [excited] や [whispers] のようなタグで感情を指定できる。
[excited] 新しい経費精算の手順を説明します。
まず、申請画面の右上にある「新規作成」を押してください。
[whispers] 領収書の画像は、必ず日付が読める状態で添付します。BGM やジングルを作るとき
Suno の利用規約(2026年8月10日更新、9月3日発効)は、無料のプランで作った曲を、合法的で個人的な非商用の目的にだけ使うよう求めている。料金表では、有料の Pro に商用利用可と書かれている。利用規約は、商用で使えるのは承認された経路でダウンロードした曲に限るとしており、ダウンロードの回数は Pro が月20回、Premier が月60回だ。
自分や社員の声を再現するとき
各社の公式の記載は、声の再現を、本人の同意や正当な権限がある場合か、本人の声に限っている。主な記載は次のとおりだ。
- ElevenLabs:利用ポリシー(2026年10月9日更新)は、生きている人の声、身元、姿をクローン・合成したり、なりすましたりすることを、本人の明示的で十分な説明を受けた同意か、ほかの正当な権限がない限り禁じている。声のモデルを作ったり学習させたりするために、18歳未満の人の録音を提出することも禁じている。
- Suno:利用規約は自分の声に似た Voice Model だけを作れるとし、他人の声の録音を含むものを上げてはならないとしている。
- Google(Gemini API):声の再現には、同じ成人の話者による2つの録音が必要だ。1つは、決められた同意の文を本人が読み上げた録音である。
- OpenAI:音声合成のドキュメントは話者の同意の録音と、それに合う音声サンプルから、承認されたカスタムの声を作るとしている。
これらは各社の規約やドキュメントの記載で、法律の上での可否を示すものではない。使う前に、声の持ち主の同意と、各社の規約の原文を確かめる必要がある。
電話の窓口やアプリに組み込むとき
API(ほかのアプリから AI を呼び出す仕組み)の料金と、続くかどうかを確かめる。Grok Voice 3.0 は音声1分あたり0.08ドルだ。HeyGen は音声合成の HeyGen Voice Turbo を2026年11月30日まで API で無料にしており、有料の Turbo は100万文字あたり4ドルだ。OpenAI のドキュメントによると、tts-1、tts-1-hd、gpt-4o-mini-tts は2027年1月6日に提供を終える。
OpenAI のドキュメントによると、同社の利用ポリシーは、聞いている声が AI で作ったもので、人の声ではないことを、利用者にはっきり示すよう求めている。組み込む前に、AI の声だと伝える方法を決めておく必要がある。
注意点と限界
- 読み間違いがある。ElevenLabs によると、Eleven v3 の正式版では、数字や記号の読み上げの誤りが検証で15.3%から4.9%に減った。減っても、ゼロにはなっていない。
- 英語向けに作られた声がある。OpenAI のドキュメントは、音声合成の声は現在、英語向けに最適化されているとしている。
- AI で作ったことを示す必要がある場面がある。ElevenLabs の利用ポリシーは、法律で求められるときや、示さないと相手を大きく誤解させるときに、AI と話していることをはっきり示すよう求めている。HeyGen の利用規約も、法律で求められる範囲で AI で作ったことを示すよう求めている。
- 透かしを消してはいけない。ElevenLabs の利用ポリシーは、AI で作ったことを隠したり検出を逃れたりする目的で、透かしやメタデータなど、出どころを示す情報を消す、変える、隠すことを禁じている。
よくある質問
音声生成AIとは何か
文章や録音などの指示から、声や音楽などの音声を新しく作り出すAIだ。文章の読み上げ、声の再現、作曲に使われる。WaveNet は音声の波形を1点ずつ予測して作る方式を示した。
無料で使えるか
使える。TRAIL の表の ElevenLabs、Suno、HeyGen は、どれも無料プランがある。ただし Suno と HeyGen の無料プランで作ったものは、商用に使えない。
他人の声をまねて作れるか
各社の記載は、本人の同意や権限があることか、本人の声であることを条件にしている。ElevenLabs は同意か正当な権限のない声のクローンを禁じ、Suno は自分の声に似たモデルだけを作れるとしている。Google の Gemini API は、本人が同意の文を読み上げた録音を求める。
日本語で使えるか
日本語の音声は作れる。ElevenLabs の Eleven v4 は日本語を含む90以上の言語に対応し、ChatGPT の GPT-Live-1.1 には日本語の声が加わった。3つのツールのうち、画面の日本語表示を確認できているのは HeyGen だ。
作った音声や曲を商用で使えるか
ツールとプランによる。Suno は料金表で有料の Pro に商用利用可とあり、HeyGen は Free の出力の商用利用を認めていない。ElevenLabs の料金ページでは、Commercial License は Starter から載っている。
関連する用語
出典
- WaveNet: A Generative Model for Raw AudioarXiv(van den Oord ほか)
- Tacotron: Towards End-to-End Speech SynthesisarXiv(Wang ほか)
- Speech generation (text-to-speech)Google
- Voice replicationGoogle
- Text to speechOpenAI
- Introducing Eleven v4, our most emotive modelElevenLabs
- Prohibited Use PolicyElevenLabs
- PricingElevenLabs
- Terms of ServiceSuno
- HeyGen Terms of ServiceHeyGen
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)