Google DeepMind が仮想世界を作るAI「Genie 4」発表 音と会話も生成
Google DeepMind は2026年10月27日、仮想の世界をその場で作る Genie 4 を発表した。Gemini のモデル更新では14日ぶり。今はテスター向けの研究プレビューで、提供日と料金は示されていない。

この記事の要点
- Google DeepMind は2026年10月27日、仮想の世界をその場で作るAIモデル Genie 4 を発表した。
- 映像と一緒に音や会話も作り、文章の指示で天気やカメラを途中で変えられる。
- 今は一部のテスター向けの研究プレビューで、Google AI Ultra の契約者などへの提供日は示されていない。
目次6
何が発表されたか
Google DeepMind は2026年10月27日、世界モデル Genie 4 を発表した。世界モデルは現実の見た目や動きをまねて、操作できる仮想の世界を作るAIモデルだ。利用者はキーボードで移動やカメラを操作し、文章の指示で場面を動かす。
Genie 4 は Gemini のモデルの力を取り込んでいる。2026年5月19日に発表された Gemini Omni が、見た目と動きを現実に近づける。ほかの Gemini のモデルは場面のつじつまを保つための推論を受け持つ。
発表は強化した点として次の4つを挙げる。
- 文章で場面を変える。天気を変える、カメラを動かす、人や物を加えるといった指示を、その場で反映する。
- 物理と人の動き。空気の流れや衝突などを再現し、人物が自然に動いて周りに反応する。
- 音。映像と一緒に、環境音や音楽、登場人物の会話も作る。Google DeepMind のリアルタイムの世界モデルで、音を作るのは初めてだという。
- Gemini との連携。Gemini 3.8 Flash が場面を見ながら目標を手順に分け、各手順が成功したかを確かめる。
Gemini 4 Argon と組み合わせる実験も紹介された。Argon が作業を手順に分け、Genie 4 がそれを映像にする。例として、Apptronik の人型ロボット Apollo がチェッカーを指す場面を作った。
用途として、発表はロボットやAIエージェントの訓練環境づくりと、新しい体験づくりを挙げる。Genie 4 が作る映像と音には、すべて SynthID が入る。SynthID は、AIが作ったものだと見分けるための、目に見えない電子透かしである。
発表は Genie 4 をまだ初期の実験的なモデルとしている。短い時間なら世界のつじつまを保てるが、長く動かすと見た目の細部や物の存在が保てず、ずれることがある。複雑な物理の動き、音の正確さ、読める文字の表示、長い時間の一貫性も研究を続けている課題だという。
年表で見ると
TRAIL の年表で、Gemini の前回のモデル更新は2026年10月13日の Gemini 4 Argon の世界での提供開始だった。Genie 4 はその14日後になる。直近12件のモデル更新では、間隔の中央値は13.5日、最小は6日、最大は82日だ。
Genie 4 の中で手順を管理する Gemini 3.8 Flash は2026年9月2日に公開された。Gemini 4 Argon は2026年9月30日に発表された。Gemini の出来事は2026年10月に入ってから10月28日までで11件ある。9月は9件、8月は2件だった。
TRAIL の年表では、Genie 4 は年表に載る Gemini のモデル3つと組み合わせて紹介された。Gemini Omni、Gemini 3.8 Flash、Gemini 4 Argon である。前回からの14日は中央値の13.5日に近い。
同じカテゴリで比べると
対話型AIの比較表に並ぶほかのツールの、直近のモデル更新は次のとおり。日数は2026年10月28日から数えている。
| ツール | 直近のモデル更新 | 日付 | 何日前 |
|---|---|---|---|
| DeepSeek | V4.1-Flash を 1017 版に更新 | 2026年10月17日 | 11日前 |
| ChatGPT | GPT-6 Pro が高速化と並列エージェント対応 | 2026年10月16日 | 12日前 |
| Muse | Muse Spark Open の重みを公開 | 2026年10月15日 | 13日前 |
| Grok | Grok Voice 3.0 を公開 | 2026年10月14日 | 14日前 |
| Claude | Claude Haiku 5.5 を公開 | 2026年10月7日 | 21日前 |
| Microsoft Copilot | GPT-6.1 Sol と Sonnet 5.5 を追加 | 2026年9月30日 | 28日前 |
表の更新に、世界モデルの発表は含まれていない。
誰が、いくらで使えるか
今使えるのは、研究プレビューとして招かれた信頼できるテスター(trusted testers)だけだ。テスターは創作、報道、教育、ゲーム、工学の分野にいる。Google DeepMind はテスターの意見を集めてから、一般の利用者と開発者に出すとしている。
次の対象は2つある。Project Genie を使う Google AI Ultra の契約者と、Gemini API と Google AI Studio の早期アクセスの協力先だ。発表はどちらも「coming soon」(近く提供)と書いている。Project Genie では Genie 4 の順番待ちリストへの登録を受け付けている。
Google AI Ultra は Gemini の最上位の有料プランで、日本では月額14,500円と月額32,000円の2段階がある。TRAIL が2026年10月14日に確認した価格である。ただし、Project Genie の Genie 4 を日本で使えるかどうかは、発表に書かれていない。
まだ分からないこと
- Google AI Ultra の契約者と、API の早期アクセスの協力先に提供が始まる日。
- 料金。API で使うときの価格も示されていない。
- 日本で使えるか。日本語の指示や会話に対応するか。
- 一度に続けて動かせる時間。
- Google AI Ultra 以外のプランや、無料の利用者が使えるかどうか。
- API の早期アクセスの協力先になる条件。
次に見るもの
Google DeepMind は Project Genie の Google AI Ultra の契約者と、Gemini API・Google AI Studio の早期アクセスの協力先に、Genie 4 を近く提供するとしている。
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.10.27 まで。





