音楽生成AIとは?意味・仕組みと主なツールの無料プラン・商用利用(2026年11月時点)

音楽生成AI(おんがくせいせいえーあい)

Music Generation AI / AI作曲 / Text-to-Music

音楽生成AIとは、文章や音声などの指示から、歌入りの曲や伴奏だけの曲を新しく作り出すAIのこと。研究では、音を記号の列に置き換えて続きを予測する方式が示されている。

要するに

  • AudioLM と MusicLM は、音を記号の列にして続きを予測し、曲を作る
  • Suno と ElevenLabs は無料プランがあるが、無料分の曲の使い道は限られる
  • 商用利用はプランで変わり、ElevenLabs は映画・テレビを企業向けに限る

最終確認

ふたを開けた陶器の小さなオルゴールと、音の波の形に曲げたアルミの細い線、線の端だけ紫に光る

音楽を作る主なツール

TRAIL の DB の2件。各行の確認日に、出典に書かれていた値です(最新の確認は)。

ツール無料プラン最も安い有料プラン画面の日本語使い方ガイド料金の確認日
SunoありPro ¥1,200/月(年払い時。年払いで年¥3,600お得)非対応使い方を読む
ElevenLabsありStarter $6/月非対応使い方を読む

音楽生成の主な出来事

TRAIL の DB の18件。各行の確認日に、出典に書かれていた値です(最新の確認は)。

  1. Suno・モデル

    v3 を公開

    公式の出典最終確認

  2. Suno・モデル

    v4 を公開

    公式の出典最終確認

  3. Suno・モデル

    v4.5 を公開

    公式の出典最終確認

  4. ElevenLabs・モデル

    音楽生成 Eleven Music を公開

    公式の出典最終確認

  5. Suno・モデル

    v5 を公開

    公式の出典最終確認

  6. Suno・機能

    Suno Studio を公開

    公式の出典最終確認

  7. Suno・企業

    Warner Music Group と提携

    公式の出典最終確認

  8. Suno・モデル

    v5.5 を公開

    公式の出典最終確認

  9. ElevenLabs・モデル

    Music v2 を公開

    公式の出典最終確認

残りの6件を見る
  1. Suno・企業

    Believe と TuneCore と提携

    公式の出典最終確認

  2. Suno・モデル

    v6 を公開

    公式の出典最終確認

  3. ElevenLabs・モデル

    Music v2.5 を公開

    公式の出典最終確認

原論文と関連研究

TRAIL の論文解説1本。年は論文の初公開の年です。

目次8

ひとことで言うと

音楽生成AIは文章や音声などの指示から、新しい曲を作り出すAIだ。生成AIのうち、音楽を作るものを指す。歌詞を付けた歌も、歌のない伴奏だけの曲も作れる。

身近な例でいえば、「明るいアコースティックギターの、30秒の店内BGM」と書くと、その曲ができる。鼻歌の録音を渡して、曲に仕上げてもらう使い方もある。

仕組み

音楽生成の仕組みを示した2本の論文から、考え方をまとめると次のとおりだ。

  1. 音を記号の列にする:AudioLM の論文(2022年9月に arXiv で公開)は、入力した音を、区切られた記号(トークン)の列に置き換える。長い流れをとらえる記号と、音を高い音質で作るための記号(ニューラル音声コーデックという、音を圧縮して戻す仕組みが出す記号)の2種類を組み合わせている。
  2. 続きを予測する:その列の続きを予測する問題として、音の生成を扱う。文章の続きを予測する言語モデルと同じ考え方だ。AudioLM は、大量の音の波形で学習し、短い音を渡すと自然な続きを作れるとしている。
  3. 文章を条件にする:MusicLM の論文(2023年1月に arXiv で公開)は、「歪んだギターのリフに乗った穏やかなバイオリンの旋律」のような説明文から曲を作る。説明文を条件に、段階を分けて列を作る方式で、24kHz の音を数分間まとまりのある形で作れるとしている。

MusicLM は文章に加えて旋律も条件にできる。口笛や鼻歌の旋律を、説明文のスタイルに作り替える例を示している。今後の研究のために、専門家が説明を付けた5,500組の音楽と文章のデータ(MusicCaps)も公開した。

いま使われているサービスは、この論文の方式をそのまま使っているとは限らない。Suno と ElevenLabs の公式資料は、できることを説明しているが、モデルの内部の構造は詳しく書いていない。

  • Suno:v6 の発表は歌声、楽器、曲の構成、雰囲気といった、音楽家が使う言葉を理解するとしている。文章、音声、画像、動画から曲を作れ、曲の一部だけを言葉で直すこともできる。
  • ElevenLabs:Eleven Music のドキュメントは、自然な言葉と音楽の用語の両方を理解するとしている。歌入りと伴奏だけの両方を作れ、英語、スペイン語、ドイツ語、日本語などに対応する。

表で見る最新の状況

上の1つめの表は、TRAIL が掲載している音楽を作る主なツールを並べたものだ。料金の確認日は、ElevenLabs が2026年10月24日、Suno が2026年10月19日。

2つとも無料プランがあるが、無料の範囲で作った曲の扱いには制限がある。Suno の Free は1日50クレジットで v6-mini を使え、商用利用はできない。ダウンロードは生涯7回の試用に限られる。ElevenLabs の Free は月10,000クレジットで、音楽の規約では Free の曲はダウンロードできない。

最も安い有料プランは、Suno が Pro の¥1,200/月(年払い時)、ElevenLabs が Starter の$6/月だ。画面の日本語表示は2つとも TRAIL では確認できていない。Suno は日本語の歌詞で曲を作れ、Eleven Music は日本語を含む多くの言語に対応する。

2つめの表は TRAIL の年表から音楽生成の主な出来事を選んだものだ。Suno は2024年3月21日に v3 を公開し、1回の生成で2分の曲を作れるようになった。2025年5月1日の v4.5 では最長8分の曲を作れるようになった。ElevenLabs は2025年8月5日に Eleven Music を公開し、同じ月に API でも提供を始めた。

2025年11月25日には、Suno が Warner Music Group との提携を発表した。2026年9月10日には ElevenLabs が Universal Music Group と複数年の契約を結んでいる。Suno の v6(2026年9月9日)は、Warner Music Group、BMG、Believe などと開発したモデルだと Suno は説明している。

TRAIL の年表では、2026年に入ってから、作った曲を外へ出す条件の変更が続いている。Suno は2026年8月10日にダウンロードの回数をプランごとに定め、改定した利用規約は9月3日に発効した。音楽生成AIは、同じツールでも、作った曲をダウンロードできるか、商用に使えるかがプランで変わる。

音楽生成AIと音声生成AIの違い

項目 音楽生成AI 音声生成AI
作るもの 歌入りの曲、伴奏だけの曲 文章の読み上げ、人の声
指示の内容 ジャンル、楽器、曲の構成、雰囲気、歌詞 読ませる文章、声の種類、話し方
長さの単位 1曲(Eleven Music は3秒〜5分) 文や段落ごとの読み上げ
TRAIL の代表的なツール Suno、ElevenLabs(Eleven Music) ElevenLabs、Suno(Speech)、HeyGen

声を作る側の仕組みと各社の条件は、音声生成AIのページにまとめている。

仕事でどう関係するか

動画や店内のBGMを作るとき

まず確かめたいのは、作った曲を商用で使えるかと、どのプランならダウンロードできるかだ。各社の記載は次のとおりだ。

  • Suno:利用規約(2026年8月10日改定、9月3日発効)は、Pro と Premier の加入者に、作った曲について Suno が持つ権利をすべて譲るとしている。ただし、出力に著作権が生じるとは保証しないとしている。商用で使えるのは、プランごとの回数の範囲で正規にダウンロードした曲に限られる。無料の Free の曲は個人の非営利の目的にしか使えない。
  • ElevenLabs:音楽の規約(2026年10月9日更新)のプラン別の表では、Free から Business まで、映画、テレビ、ラジオ、収益化したゲーム(売上の小さいインディーゲームを除く Studio Game)を除く商用利用を認めている。これらを含むすべての商用利用を認めているのは、企業向けの Enterprise Music だけだ。Free から Pro は個人での利用に限られ、Scale は従業員10人未満、Business は50人未満の組織までが対象だ。Free は曲をダウンロードできず、配布するときは Eleven Music で作ったことを示す必要がある。
プロンプト
カフェの店内で流す、落ち着いた伴奏だけの曲。
アコースティックギターとウッドベース、テンポはゆっくり。
歌は入れず、2分ほどで終わる構成にする。

曲を配信サービスに出すとき

Spotify などの配信サービスに出すなら、配信の可否を確かめる。ElevenLabs の規約の表では、Free と Starter は配信が禁止で、Creator 以上は認めている。配信先のサービスが AI で作った曲の表示を求めているときは、その決まりに従う責任が利用者にあるとしている。Suno は2026年9月8日に、Believe と TuneCore を通じた配信ができるようにした。

自社のアプリやサービスに組み込むとき

API(ほかのアプリから AI を呼び出す仕組み)の有無を確かめる。TRAIL のデータでは、ElevenLabs は API があり、Suno は公開の API を確認できていない。ElevenLabs の規約の表では、Free は API を使えない。Suno は2026年10月28日に、Claude などから対話で曲を作れる Suno MCP をベータで公開した。MCP(AI と外部のツールをつなぐ共通の仕組み)を使うもので、早期利用の申し込み制だ。

注意点と限界

  • 指示に使えない言葉がある。ElevenLabs の音楽の規約は、実在の歌手や作詞作曲家の名前、曲名、アルバム名、レーベル名、特定の曲と分かる長さの歌詞を、指示に入れることを禁じている。
  • 実在の歌手のまねは禁止されている。ElevenLabs の規約は歌手の声や特徴をまねて、関係があると誤解させる曲を作ることを禁じている。
  • 入れた素材が学習に使われることがある。Suno の利用規約は、投稿した素材を使う許可を Suno に与えるとし、その用途に出力の生成と AI のモデルの学習・改善を挙げている。
  • 著作権の扱いは確定していない。Suno の規約は、出力に著作権が生じるとは保証しないとしている。ElevenLabs の規約は、使う前に権利の問題がないかを確かめる責任は利用者にあるとしている。

よくある質問

音楽生成AIとは何か

文章や音声などの指示から、新しい曲を作り出すAIだ。研究では、音を記号の列に置き換えて続きを予測する方式(AudioLM、MusicLM)が示されている。Suno や ElevenLabs は歌入りの曲を文章の指示で作れる。

無料で使えるか

使える。Suno も ElevenLabs も無料プランがある。ただし、Suno の Free は商用に使えず、ElevenLabs の Free は曲をダウンロードできない。

作った曲を商用で使えるか

プランによる。Suno は Pro と Premier で、正規にダウンロードした曲の商用利用を認めている。ElevenLabs は Free から Business まで、映画、テレビ、ラジオ、収益化したゲーム(インディーゲームは除く)以外の商用利用を認めている。使う前に、各社の規約の原文を確かめる必要がある。

何分の曲を作れるか

ツールによる。Eleven Music のドキュメントでは、3秒から5分までだ。TRAIL の年表では、Suno の v4.5 は最長8分の曲を作れるとされた。

日本語の歌を作れるか

作れる。Suno は日本語の歌詞で曲を作れ、Eleven Music は日本語を含む多くの言語に対応する。画面の日本語表示はどちらも TRAIL では確認できていない。

関連する用語

出典

公開
執筆
TRAIL編集部(編集方針)

この用語に関係するツール

  • Suno

    Suno, Inc.

    文章から歌と曲を作るAI音楽生成サービス

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語なし
    • APIなし

    有料Pro ¥1,200/月(年払い時。年払いで年¥3,600お得)

    年表
    42件
    最新の更新
    2026.10.29
  • ElevenLabs

    ElevenLabs

    音声合成・文字起こし・音声エージェントのAI

    • 無料プランあり
    • 画面の日本語なし
    • APIあり

    有料Starter $6/月

    年表
    54件
    最新の更新
    2026.10.29