Few-shotプロンプトとは?意味・Zero-shotとの違いと文脈長(2026年11月時点)
Few-shotプロンプト
Few-shot prompting / 少数ショット プロンプト / マルチショットプロンプト / Multishot prompting / Few-shot プロンプト / Zero-shot / ゼロショット / One-shot
Few-shot プロンプトとは、AI に頼む作業の入力と答えの例をいくつかプロンプトに入れ、その形式や判断の仕方をまねて答えさせる書き方のこと。例を入れないものは Zero-shot と呼ぶ。
要するに
- 例を数個入れるだけで、モデルを学習し直さずに答えの形式や判断をそろえやすくなる
- Anthropic は例を3〜5個勧め、Google は多すぎると例に過学習しうるとする
- 推論モデルでは、まず例なしで試し、足りなければ例を足すよう OpenAI は勧める
最終確認

例を収める入力の長さ(主要モデルのコンテキスト長)
| モデル | 提供元 | コンテキスト長(トークン) | 確認日 |
|---|---|---|---|
| OpenAI | 1,050,000 | ||
| OpenAI | 1,050,000 | ||
| OpenAI | 1,050,000 | ||
| OpenAI | 1,050,000 | ||
| 1,048,576 | |||
| 1,048,576 | |||
| 1,048,576 | |||
| Meta | 1,048,576 | ||
| Meta | 1,048,576 | ||
| Anthropic | 1,000,000 | ||
| Anthropic | 1,000,000 | ||
| Anthropic | 1,000,000 | ||
| Anthropic | 1,000,000 | ||
| DeepSeek | 1,000,000 | ||
| DeepSeek | 1,000,000 | ||
Grok 4.7 | SpaceXAI(旧 xAI) | 500,000 | |
Grok 4.6 | SpaceXAI(旧 xAI) | 500,000 | |
Grok 4.5 | SpaceXAI(旧 xAI) | 500,000 | |
Sakana Namazu | Sakana AI | 256,000 |
Few-shot と Zero-shot に関わる論文
- GPT-3の少数例学習は何を示したか 2020年の原論文を読むLanguage Models are Few-Shot Learners
- GPT-2 論文の解説:次語予測だけで試したゼロショット転移Language Models are Unsupervised Multitask Learners
- Chain of Thoughtの原論文を読む 途中の手順を例示するChain of Thought Prompting Elicits Reasoning in Large Language Models
- T0 論文の解説:多様な指示文で未知の課題に答える力を学ぶMultitask Prompted Training Enables Zero-Shot Task Generalization
- Flamingoの原論文を読む 画像と言葉の少数例学習Flamingo: a Visual Language Model for Few-Shot Learning
目次8
ひとことで言うと
Few-shot プロンプトは、AI に頼む作業について「この入力にはこう答える」という例をいくつかプロンプトに書き、そのあとに本当に答えてほしい入力を置く書き方だ。AI は例から答えの形式や判断の仕方を読み取り、同じように答える。例を1つだけ入れるものを One-shot、例を入れずに指示だけで頼むものを Zero-shot と呼ぶ。
たとえば商品のレビューを「肯定」「否定」「どちらでもない」に分けさせたいとき、分け方の例を先にいくつか見せておく。OpenAI のドキュメントも短いレビューを Positive、Negative、Neutral の3つに分ける例で、Few-shot の書き方を説明している。
仕組み
Zero-shot、One-shot、Few-shot の呼び方は、2020年5月に Tom B. Brown らが発表した GPT-3 の論文(TRAIL の解説)で、モデルを評価する条件の名前として使われた。論文の説明に沿うと、Few-shot は次の順で動く。
- 作業の説明を書く。
- 「入力」と「望ましい答え」の組を K 個並べる。論文の例は英語の文とそのフランス語訳の組だ。
- 最後に、答えを空けた入力を1つ置く。
- モデルは続きとして答えを書く。このとき、モデルの重み(学習で決まった数値)は変えない。
論文はこの働きを「in-context learning(文脈内学習)」と呼んだ。学習といっても、モデルを作り直すわけではない。入力を1回読む処理の中で、例から作業をつかむという意味だ。
GPT-3 の論文では例の数 K を多くの場合10〜100にした。当時のモデルが一度に読めた長さ(コンテキストウィンドウ)の2,048トークンに入るのが、それくらいの数だったからだ。トークンは AI が文章を数える単位だ。論文は、単語から余計な記号を取り除く簡単な作業の図で、作業の説明を足すと成績が上がり、例の数を増やしても上がる様子を示した。モデルが大きいほど Few-shot の成績は大きく伸び、モデルの大きさと例の数による伸びの傾向は、調べた作業の多くで当てはまったという。
Zero-shot は例を使わないぶん手軽だが、論文はいちばん難しい条件だとしている。「200m 走の世界記録の表を作って」と頼まれても、例がなければ表の形式があいまいで、人でも迷うことがあるからだ。
表で見る最新の状況
上の表は、TRAIL の DB でコンテキスト長(一度に読める文章の長さ)が分かっている19のモデルを、長い順に並べたものだ。確認日は2026年10月12日から10月24日。Few-shot の例も、指示や本題の入力と一緒にこの長さの中に収める。
- GPT-6.1 Sol、GPT-6 Astra、GPT-6 Sol、GPT-6 Luna は1,050,000トークン。
- Gemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.1 Pro と、Meta の Muse Wonder、Muse Spark 1.3 は1,048,576トークン。
- Claude Opus 5.5 など Claude の4モデルと、DeepSeek-V4.1-Flash、DeepSeek-V4-Pro は1,000,000トークン。
- Grok 4.7、Grok 4.6、Grok 4.5 は500,000トークン、Sakana Namazu は256,000トークン。
TRAIL の表では、19のモデルのコンテキスト長がいずれも256,000トークン以上だ。GPT-3 の論文が例を収めた2,048トークンとは、前提が変わっている。
長くなったコンテキストを使う研究もある。Rishabh Agarwal らが2024年4月に発表した論文は、例を数百から数千入れる「Many-shot」を調べた。Few-shot から Many-shot に増やすと、多くの作業で成績が大きく上がったと報告している。一方で、推論の費用は例の数に比例して増え、どこまで伸びるかはモデルによって違ったという。
下の表は、Few-shot と Zero-shot に関わる論文の TRAIL の解説5本だ。2019年の GPT-2 の論文は用途別の追加学習なしで複数の作業を試し、2022年の Chain of Thought の論文は答えに至る手順を例として入力した。T0 は指示文を言い換えた多くの作業でまとめて学習し、Flamingo は画像と言葉の少数の例から答えるモデルを扱っている。
Few-shot と Zero-shot、ファインチューニングの違い
| Zero-shot | Few-shot | ファインチューニング | |
|---|---|---|---|
| 渡すもの | 作業の説明(指示)だけ | 指示と、入力と答えの例を数個 | 入力と答えの例を学習データとして |
| モデルの重み | 変えない | 変えない | 追加の学習で変える |
| 用意する例の数 | 要らない | Anthropic はよい結果のために3〜5個を勧める | OpenAI の場合、最低10個が必要で、まず50個で試すよう勧める |
| 原論文や各社が挙げる弱み | GPT-3 の論文はいちばん難しい条件だとする | GPT-3 の論文の時点では、ファインチューニングした最高水準のモデルより成績が大きく劣った | OpenAI は新しい利用者への提供をやめている |
OpenAI は Few-shot を、ファインチューニングの代わりに、プロンプトに入力と出力の例を数個入れてモデルを新しい作業に向ける方法だと説明している。モデルは例からパターンを読み取り、本題の入力に当てはめる。Few-shot と Zero-shot は、どちらもプロンプトの書き方の違いで、モデルそのものは変わらない。
仕事でどう関係するか
問い合わせやレビューを決まった区分に分けたいとき
Google は Few-shot を、答えの形式、言い回し、範囲、全体のパターンを整えるためによく使う方法だと説明している。区分の名前と答えの形を例で見せておくと、出力をそろえやすい。Anthropic は、例を <example> のタグで囲み、指示と区別できるようにするよう勧めている。
問い合わせを「請求」「不具合」「解約」「その他」のどれか1つに分類し、区分名だけを答えてください。
<examples>
<example>
問い合わせ:先月の請求額が二重になっています。
区分:請求
</example>
<example>
問い合わせ:アプリを開くと画面が真っ白になります。
区分:不具合
</example>
<example>
問い合わせ:来月から利用をやめたいです。
区分:解約
</example>
</examples>
問い合わせ:(ここに分類したい問い合わせを貼る)
区分:例をいくつ入れるか決めるとき
Anthropic は、よい結果のために例を3〜5個入れるよう勧めている。例が作業に合っているか、十分にばらけているかを Claude に評価させたり、追加の例を作らせたりしてもよいという。Google は、最適な数は試して決める必要がある場合があり、例が多すぎると例への答えに過学習(例に引きずられること)し始めることがあると書いている。OpenAI によると、繰り返し使う内容をプロンプトの先頭に置くと、プロンプトキャッシュ(同じ入力の部分を使い回して費用と待ち時間を減らす仕組み)の効果を大きくできる。毎回同じ例を使う場合も、これに当たる。
推論モデルに頼むとき
推論モデル(答える前に内部で考える手順を踏むモデル)について、OpenAI は「まず Zero-shot で試し、必要なら Few-shot に」と勧めている。推論モデルは例がなくてもよい結果を出すことが多いため、まず例なしで書き、出力の要件が複雑なときに例を数個足す。そのとき、例が指示と食い違うと結果が悪くなることがあるので、例を指示にきちんと合わせる。
例を入れずに手順を引き出す方法もある。Takeshi Kojima らが2022年5月に発表した論文は、答えの前に「Let's think step by step(一歩ずつ考えよう)」と添えるだけで、例なしの成績が上がると報告した。InstructGPT の大きなモデル(text-davinci-002)で、算数の問題集 MultiArith の正答率は17.7%から78.7%に上がったという。一方、OpenAI は推論モデルについて、内部で推論するので「一歩ずつ考えて」と頼む必要はないとしている。
注意点と限界
- 例の形式がばらばらだと、答えの形式もそろわない。Google は、望ましくない形式で答えが返らないよう、例の構造と形式を同じにするよう求めている。XML のタグ、空白、改行、例の区切りにとくに気をつけるよう書いている。
- 例が偏ると、AI は意図しないパターンをまねる。Anthropic は、実際の使い方に近い例を選び、端のケースも含めて幅を持たせるよう勧めている。
- 例を増やすほど、毎回の入力が長くなる。Many-shot の論文は、推論の費用が例の数に比例して増えると報告している。
- Few-shot で例を見せても、どの作業でも正しく答えるとは限らない。GPT-3 の論文自体が、Few-shot でも苦手なデータセットがあったと書いている。
よくある質問
Few-shot プロンプトとは簡単に言うと何か
AI に答えの例をいくつか見せてから、本題を頼む書き方だ。例から形式や判断の仕方を読み取らせる。モデルを学習し直す必要はない。
Zero-shot と Few-shot はどちらを使えばよいか
作業とモデルによる。Google はプロンプトに Few-shot の例を常に入れるよう勧め、例がないプロンプトは効果が下がることがあるとしている。一方 OpenAI は推論モデルではまず例なしで試し、必要なら例を足すよう勧めている。
One-shot とは何か
例を1つだけ入れる書き方だ。GPT-3 の論文は作業の説明に例を1つ添える条件を One-shot と呼んだ。人に作業を頼むときに、見本を1つ見せるやり方に近いという。
例は何個入れればよいか
Anthropic は3〜5個を勧めている。Google は例の数を試して決めるよう書き、多すぎると例に過学習することがあると注意している。
Few-shot とファインチューニングの違いは何か
Few-shot はプロンプトに例を入れるだけで、モデルの重みは変えない。ファインチューニングは例を学習データにして、モデルそのものを追加で学習させる。GPT-3 の論文は、Few-shot の利点として作業ごとのデータがあまり要らないことを挙げている。
Many-shot とは何か
例を数百から数千入れる書き方だ。Agarwal らの論文は、コンテキストが長くなったことでこれを調べられるようになったとしている。論文は、Few-shot より成績が上がる作業が多い一方、推論の費用は例の数に比例して増えると報告している。
関連する用語
- プロンプトエンジニアリング:AI への指示の書き方を工夫すること。Few-shot はその手法の1つ
- コンテキストウィンドウ:例も指示もこの範囲に収めて渡す
- ファインチューニング:例を学習データにしてモデルを追加で学習させる方法
- 推論モデル:答える前に考える手順を踏むモデル。まず例なしで試すよう勧められている
- LLM(大規模言語モデル):Few-shot で例を読ませる先のモデル
- 論文の解説:GPT-3 の原論文、Chain of Thought の原論文
- モデルの比較:モデルごとの API 料金
出典
- Language Models are Few-Shot Learners(arXiv:2005.14165v4)Tom B. Brown ほか
- Many-Shot In-Context Learning(arXiv:2404.11018)Rishabh Agarwal ほか
- Large Language Models are Zero-Shot Reasoners(arXiv:2205.11916)Takeshi Kojima ほか
- Prompt engineeringOpenAI
- Reasoning best practicesOpenAI
- Supervised fine-tuningOpenAI
- Prompting best practicesAnthropic
- プロンプト設計戦略Google
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)

