プロンプトキャッシュとは?意味・仕組みとAPI料金の一覧(2026年11月時点)
プロンプトキャッシュ
プロンプトキャッシング / Prompt caching
プロンプトキャッシュとは、AIのAPIで前のリクエストと同じ先頭部分を持つプロンプトを送ったとき、その部分の計算結果を使い回し、料金と応答までの時間を減らす仕組みのこと。
要するに
- プロンプトの先頭が前のリクエストと完全に一致したときだけ使い回される
- 読み出した分の入力は、各社の定めた割引の単価で課金される
- 短いプロンプトは対象外で、キャッシュには保存される期間がある
最終確認

モデルごとのAPI料金(トークンあたり)
単位:米ドル。100万トークンあたりは各社の公式ドキュメントの値、1万トークンあたりはそれを100で割った値です。円への換算と税は含みません。
| モデル | 提供元 | 入力(100万トークン) | 出力(100万トークン) | 入力(1万トークン) | 出力(1万トークン) | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Anthropic | $0.10 | $0.50 | $0.001 | $0.005 | ||
| OpenAI | $0.10 | $0.50 | $0.001 | $0.005 | ||
| Perplexity AI | $0.25 | $2.50 | $0.0025 | $0.025 | ||
| DeepSeek | $0.30 | $1.20 | $0.003 | $0.012 | ||
| $0.75 | $3.75 | $0.0075 | $0.0375 | |||
Sakana Namazu | Sakana AI | $0.95 | $4 | $0.0095 | $0.04 | |
| OpenAI | $1 | $5 | $0.01 | $0.05 | ||
| Meta | $1.25 | $4.25 | $0.0125 | $0.0425 | ||
| DeepSeek | $1.32 | $3.96 | $0.0132 | $0.0396 | ||
Grok 4.720万トークンを超えるリクエストは別料金 | SpaceXAI(旧 xAI) | $2 | $6 | $0.02 | $0.06 | |
Grok 4.620万トークンを超えるリクエストは別料金 | SpaceXAI(旧 xAI) | $2 | $6 | $0.02 | $0.06 | |
Grok 4.520万トークンを超えるリクエストは別料金 | SpaceXAI(旧 xAI) | $2 | $6 | $0.02 | $0.06 | |
Sakana Fugu Max従量課金の料金。コンテキスト長にかかわらず一律 | Sakana AI | $2 | $6 | $0.02 | $0.06 | |
| Anthropic | $2 | $10 | $0.02 | $0.10 | ||
| OpenAI | $2 | $10 | $0.02 | $0.10 | ||
| OpenAI | $2 | $10 | $0.02 | $0.10 | ||
| $2 | $10 | $0.02 | $0.10 | |||
| $2 | $12 | $0.02 | $0.12 | |||
| Anthropic | $4 | $20 | $0.04 | $0.20 | ||
| Meta | $4 | $20 | $0.04 | $0.20 | ||
Sakana Fugu Ultra v2従量課金の料金。コンテキストが27.2万トークンを超えると $10 / $45 | Sakana AI | $5 | $30 | $0.05 | $0.30 | |
| Anthropic | $10 | $50 | $0.10 | $0.50 | ||
| OpenAI | $10 | $50 | $0.10 | $0.50 |
キャッシュの料金が動いた出来事
目次8
ひとことで言うと
プロンプトキャッシュは AI の API(プログラムから AI を呼び出す方法)で、前のリクエストと同じ書き出しのプロンプトを送ったとき、その部分の計算結果を使い回す仕組みだ。使い回した分の入力は安い単価で課金され、答えが返り始めるまでの時間も短くなる。
たとえば、100ページの社内規程を毎回プロンプトの先頭に入れて、質問だけを変えて何度も聞くとする。規程の部分が前回とまったく同じなら、2回目からはその部分を読み直さずに済む。OpenAI のドキュメントは、キャッシュした入力の割引は最大95%だと書いている。
仕組み
- AI はプロンプトを読むとき、あとで前の部分を参照するための途中の計算結果をつくる。OpenAI によると、プロンプトキャッシュが保存するのはこの計算結果で、文章そのものではない。
- 最初のリクエストで、プロンプトの先頭から決まった位置までを保存する。この位置をキャッシュの区切り(ブレークポイント)と呼ぶ。
- 次のリクエストが来ると、先頭から同じ内容が続く部分のうち、保存済みで最も長いものを探す。Anthropic のドキュメントによると、文章も画像も、区切りの位置まで100%同じでなければ使えない。
- 見つかれば、その部分は計算せずに使い回し、残りの新しい部分だけを処理する。見つからなければ全体を処理して、次のために保存する。
- 保存した結果には有効な期間がある。Anthropic の標準は5分で、使われるたびに追加料金なしで延びる。
保存する順番はツールの定義、システムプロンプト(AI の役割や決まりを書いた指示)、会話の履歴の順だ。Anthropic によると、ツールの定義を変えると、キャッシュ全体が使えなくなる。
プロンプトキャッシュは答えの中身を変えない。Anthropic はキャッシュを使っても使わなくても、返る答えは同じだと書いている。
表で見る最新の状況
上の1つ目の表は、TRAIL が各社の公式ドキュメントから集めた23のモデルの、通常の API 料金を入力の単価が安い順に並べたものだ。Anthropic と OpenAI は、キャッシュの単価をこの入力の単価の倍率で決めている。確認日は2026年10月12日から11月1日。
- 入力が最も安いのは Anthropic の Claude Haiku 5.5 と OpenAI の GPT-6 Luna で、100万トークンあたり0.1ドル。1万トークンあたりでは0.001ドルだ。
- Claude Sonnet 5.5、GPT-6.1 Sol、Google の Gemini 4 Argon は、入力が100万トークンあたり2ドルで並ぶ。Google の料金表では、Gemini 4 Argon の2ドルは2026年11月30日までの価格で、12月1日からは4ドルになる。
- 最も高いのは Claude Fable 5.1 と GPT-6 Astra で、入力が100万トークンあたり10ドルだ。
2つ目の年表は、キャッシュの料金が動いた出来事5件を古い順に並べたものだ。確認日は2026年10月10日から10月20日。
- 2024年8月2日に DeepSeek が「ディスクキャッシュ導入で料金を引き下げ」た。キャッシュに当たった入力は100万トークンあたり0.014ドルで、通常の入力は0.14ドルだった。
- 2026年8月19日に Amazon Bedrock で Grok 4.6 が一般提供になった。料金は100万トークンあたり入力2ドル、キャッシュ入力0.50ドルだ。
- 2026年9月1日の「Claude Fable 5.1 と Mythos 5.1」では、キャッシュ価格を見直し、運用コストを約25%下げた。
- 2026年10月7日には、Claude Sonnet 5.5 のキャッシュの読み取り料金が100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルに下がった。基本の入力料金に対して0.1倍から0.05倍になった。
- 2026年10月15日に Perplexity の Agent API が Gemini 4 Argon に対応した。2026年11月30日までの価格は、100万トークンあたり入力2.00ドル、キャッシュ入力0.10ドルだ。
TRAIL の年表では2026年8月19日から10月15日までに、キャッシュの料金に触れた出来事が4件ある。同じ期間に、Anthropic は Sonnet 5.5 の読み出しの単価を下げた。
Anthropic、OpenAI、Google のプロンプトキャッシュの違い
| Anthropic(Claude) | OpenAI(GPT-5.6 以降) | Google(Gemini) | |
|---|---|---|---|
| 使い始め方 | リクエストに cache_control を付ける | 対応モデルでは最初から有効 | Gemini 2.5 以降は最初から有効(暗黙のキャッシュ) |
| 対象になる最小の長さ | Claude Opus 5.5、Sonnet 5.5、Haiku 5.5 などは512トークン | 1,024トークン | Gemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash は4,096トークン |
| 保存される期間 | 標準5分。1時間も選べる | 標準で最低30分。Responses API では12時間も選べる | (出典に記載なし) |
| 読み出しの単価 | 基本の入力の0.1倍。Opus 5.5 と Sonnet 5.5 は0.05倍 | 入力の0.1倍。GPT-6.1 Sol と GPT-6.1 Terra は0.05倍 | Gemini 4 Argon は100万トークンあたり0.10ドル(入力は2.00ドル。どちらも2026年11月30日まで) |
| 保存するときの単価 | 5分なら入力の1.25倍、1時間なら2倍 | 30分なら1.25倍、12時間なら2.5倍(Responses API) | (出典に記載なし) |
Google のドキュメントによると、Gemini 4 Argon 以降では、利用者がキャッシュを自分でつくって管理する「明示的なキャッシュ」は使えない。設定なしで働く暗黙のキャッシュだけになる。Anthropic は Claude Fable 5.1 の読み出しを基本の入力の0.025倍としている。
仕事でどう関係するか
長い資料を何度も読ませるとき
契約書やマニュアルのような長い資料をもとに、質問を変えて何度も聞く使い方では、資料の部分が毎回同じになる。Anthropic と Google は、大きくて共通の内容をプロンプトの先頭に置くよう勧めている。Google は似た書き出しのリクエストを短い間隔で送ることも挙げている。
(ここに資料の全文を貼る。毎回同じ内容にする)
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質問:第12条の解約の条件を、箇条書きで3つにまとめてください。質問は資料のあとに置く。日付や時刻のように毎回変わる文を資料の前に入れると、そこから後ろが一致しなくなる。Anthropic は変わる部分を区切りの位置より前に置かないよう注意している。
API の費用を見積もるとき
AI の API の料金は入力と出力のトークン(AI が文章を数える単位)の数で決まる。キャッシュを使うと、入力のうち読み出した分は割引の単価、保存した分は割増しの単価、残りは通常の単価になる。Anthropic のレスポンスにはcache_creation_input_tokens(保存した分)と cache_read_input_tokens(読み出した分)が入るので、どれだけ当たったかを確かめられる。
AI エージェントを動かすとき
AI エージェントは、ツールの定義と長い会話の履歴を毎回送りながら作業を進める。Anthropic の自動キャッシュは、会話が伸びるにつれて区切りの位置を後ろへ自動で動かす。Google は、Gemini 4 の会話やエージェントの繰り返しでは、新しいリクエストで2,050トークン以上が加わったときに前のリクエスト全体を保存すると説明している。
注意点と限界
- 短いプロンプトはキャッシュされない。Anthropic によると、最小の長さに届かないリクエストは、cache_control を付けてもキャッシュなしで処理され、エラーも出ない。
- Anthropic の標準の期間は5分で、答えを書いている時間も含めて数える。間をあけて使うと、もう一度保存し直すことになる。
- 保存するときは通常の入力より高い単価がかかる。Anthropic の5分のキャッシュは入力の1.25倍、1時間のキャッシュは2倍だ。
- キャッシュは組織をまたいで共有されない。OpenAI と Anthropic は、同じプロンプトでも別の組織とはキャッシュを使い回さないと書いている。
- 上の表の価格は通常の入力と出力の単価で、キャッシュの単価は含まない。キャッシュの単価は各社の料金のページで確かめる必要がある。
よくある質問
プロンプトキャッシュを使うと答えは変わるのか
変わらない。Anthropic はキャッシュを使っても使わなくても、返る答えは同じだと説明している。キャッシュが減らすのは、入力を処理する手間と費用だ。
どのくらい安くなるのか
使い回した入力の分が安くなる。OpenAI は最大95%の割引としている。Anthropic と OpenAI の多くのモデルでは、読み出しの単価は通常の入力の0.1倍だ。
設定しないと使えないのか
会社によって違う。OpenAI の対応モデルと Google の Gemini 2.5 以降は、最初から有効になっている。Anthropic の Claude では、リクエストに cache_control を付けて使う。
キャッシュはどのくらいの時間残るのか
Anthropic は標準で5分、選べば1時間だ。OpenAI の GPT-5.6 以降は、標準で最低30分、Responses API で選べば12時間になる。
ChatGPT や Claude のアプリでも関係があるのか
ここで説明した設定と料金は、各社の API のものだ。今回読んだ各社のドキュメントは、アプリの月額の料金とキャッシュの関係には触れていない。
関連する用語
出典
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)

