ローカルLLMとは?意味・仕組みと手元で動かせるモデルの年表(2026年10月時点)
ローカルLLM
Local LLM / ローカル LLM / ローカルモデル / ローカルAI
ローカルLLMとは、LLM(大規模言語モデル)を提供元のクラウドを通さず、自分のパソコンや社内のサーバーで動かすこと。重みが公開されたモデルを、Ollama などのソフトで読み込んで使う。
要するに
- 重みを手元の機械に読み込み、提供元のサーバーを通さずに文章をつくる
- 動かせるかはモデルの大きさと、GPU やメモリの量で決まる
- 商用で使えるかはライセンスで決まり、オフラインで動くとも限らない
最終確認

手元で動かせるモデルと対応したツール
原論文と関連研究
- LLaMA原論文を読む モデル規模と学習量をどう選んだかLLaMA: Open and Efficient Foundation Language Models
- QLoRA 論文の解説:4ビット化で追加学習に必要なメモリを減らすQLoRA: Efficient Finetuning of Quantized LLMs
- BitNet b1.58 論文の解説:LLMの重みを3値で学習する省メモリ化The Era of 1-bit LLMs: All Large Language Models are in 1.58 Bits
- Phi-3 論文の解説:Phi-3 miniのデータ設計と端末実行Phi-3 Technical Report: A Highly Capable Language Model Locally on Your Phone
- vLLM 論文の解説:PagedAttentionで生成中のGPUメモリを使い直すEfficient Memory Management for Large Language Model Serving with PagedAttention
目次8
ひとことで言うと
ローカルLLMは、LLM(大規模言語モデル)を提供元のクラウドを通さず、自分のパソコンや社内のサーバーで動かすことだ。動かすモデルそのものを指して呼ぶこともある。動かせるのは、重みを公開したオープンウェイトのモデルが中心になる。
たとえばモデルを動かすソフトの Ollama では、公式のクイックスタートに従って ollama run gemma4:e2b と打つと、モデルがダウンロードされ、自分のパソコンの上で会話が始まる。Ollama の FAQ によると、手元で動かしているあいだは、Ollama の側からプロンプトやデータは見えない。
仕組み
- 重みを入手する。重みはモデルの出力を決める学習済みの数値で、Hugging Face(モデルを配布するサイト)などで公開されている。
- 手元の機械で動かすソフトを入れる。Ollama は macOS、Windows、Linux 向けに配布されている。Hugging Face によると、GGUF(読み込みと保存が速く、推論に向いたモデルのファイル形式)は llama.cpp、LM Studio、Ollama などのソフトで使える。
- ソフトがモデルを GPU(計算用の半導体)のメモリかパソコンのメモリに読み込む。Ollama では
ollama psで、GPU とパソコンのメモリのどちらに何割載ったかを確かめられる。 - アプリから呼び出す。Ollama は初期設定で、127.0.0.1(その機械自身を指すアドレス)の 11434 番ポートで要求を待つ。手元のモデルに送る要求には API キーが要らない。
メモリを減らす方法に、量子化(数値の精度を下げて、使うメモリを減らすこと)がある。Hugging Face の Ollama 向けの案内では、モデルに Q4_K_M という量子化の形式があれば、それを標準で選ぶ。Ollama の FAQ によると、計算の途中の結果を置くキャッシュを q8_0 に量子化すると、標準の f16 の約半分のメモリで済む。
表で見る最新の状況
上の年表は TRAIL の DB から、文章の AI を手元で動かすことに関わる出来事11件を古い順に並べたものだ。開発元は7つで、確認日は2026年10月10日から10月24日。
最初は2024年3月17日の「Grok-1 の重みを公開」で、314B(3,140億)パラメーターのモデルの重みを Apache 2.0 ライセンスで公開した。2025年1月には「DeepSeek-R1 を公開」と、Sakana AI の「TinySwallow-1.5B を公開」が続いた。TinySwallow-1.5B は1.5Bの日本語の小さなモデルで、スマートフォンや PC 上で動く。
2026年8月10日には Meta が、端末上で動かせる300億パラメーターの Muse Glimmer の重みを公開した。10月15日の Muse Spark Open は、総パラメーター8,160億、コンテキスト100万トークンのモデルだ。
8月30日以降は、ツールの側の対応が並ぶ。OpenClaw 2.0 はローカルのモデルをそのまま使えるようにした。9月23日には Antigravity の SDK が、10月7日には GitHub Copilot の CLI が、手元で動くモデルに対応した。
TRAIL の年表では、2026年の後半に、重みの公開に加えて、開発ツールやエージェントがローカルのモデルを呼べるようになる動きが続いている。11件のうち7件が、2026年8月以降の出来事だ。
ローカルLLMとクラウドの LLM の違い
| ローカルLLM | クラウドの LLM(チャットや API) | |
|---|---|---|
| どこで動くか | 自分のパソコンや社内のサーバー | 提供元のサーバー |
| 使えるモデル | 重みが公開されたモデル | 提供元が出すモデル |
| データの行き先 | 手元の機械の中で処理する | 提供元のサーバーに送る |
| 必要なもの | モデルが載る GPU やメモリ、動かすソフト | アカウントや API キー |
| 費用 | 機械と電気の費用 | 月額のプランや、トークン数に応じた API の料金 |
TRAIL の DB では、DeepSeek-V4.1-Flash の API はピーク時間帯で、100万トークンあたり入力0.3ドル、出力1.2ドルだ。このモデルの重みは2026年9月10日に公開された。同じモデルに、API で使う道と、重みを入手して動かす道の両方がある。
仕事でどう関係するか
社外にデータを出したくないとき
顧客情報や設計の資料をクラウドに送れない職場では、ローカルLLMが選択肢になる。Ollama の FAQ は、手元で動かすときは Ollama の側からプロンプトやデータは見えないと書いている。ただし Ollama にはクラウドのモデルもある。FAQ によると、設定でクラウドの機能を切ると、手元のモデルだけで動く。
手元の機械で動くかを見積もるとき
動かせるかどうかは、モデルの大きさと機械の GPU やメモリで決まる。Ollama は NVIDIA の GPU(compute capability 5.0以上)、AMD の GPU、Apple の GPU(Metal)に対応している。Antigravity の SDK は、24GBを超える VRAM(GPU のメモリ)かユニファイドメモリを推奨している。DeepSeek-R1 は総パラメーター671Bだが、Hugging Face のモデルカードには1.5Bから70Bまでの小型の蒸留モデル6種が並ぶ。小さいモデルから試す道もある。
いつもの開発ツールから使うとき
ローカルのモデルを、普段のツールから呼べる場面が増えている。TRAIL の DB では、GitHub Copilot CLI は1.0.94-0から、/model で手元の Ollama のモデルを見つけて会話で使える。Antigravity の SDK は Ollama、LM Studio、vLLM などの OpenAI 互換のサーバーを使える。Ollama のクイックスタートには ollama launch claude で Claude Code を起動する手順もある。
導入の前に、手元のモデルが業務に足りるかを、同じ質問で比べておくとよい。
次の3つの質問に、それぞれ200字以内で日本語で答えてください。わからないことは「わからない」と書いてください。
1.(社内でよく受ける質問を書く)
2.(要約させたい文書の一部を貼る)
3.(表にまとめさせたい内容を書く)注意点と限界
- ローカルのモデルを選んでも、オフラインで動くとは限らない。TRAIL の DB では、GitHub Copilot CLI はローカルのモデルを選んでもオフラインモードにならない。Ollama もモデルをインターネットから取得する。
- Ollama の標準のコンテキストウィンドウは4,096トークンで、設定で変えられる。同時に処理する要求を増やすと、使うメモリも増える。
- 商用で使えるかどうかは、モデルごとのライセンスで決まる。DeepSeek-R1 のモデルカードでは、R1 の重みは MIT ライセンスで商用に使えるが、蒸留モデルは Qwen や Llama をもとにしており、それぞれのライセンスがある。TinySwallow-1.5B-Instruct のモデルカードは、このモデルを研究開発のための試作品と位置づけ、商用での利用を想定していないと書く。一方で同じカードのライセンスの節は、もとにした Qwen の Apache 2.0 と、学習に使った Gemma のデータの規約の両方を守れば、商用を含む利用を認めている。
- 小さいモデルは手元で動かしやすい。一方で TRAIL の論文の解説では、小型化には知識や言語の限界が残ると整理している。
よくある質問
ローカルLLMは無料で使えるか
重みを公開したモデルはダウンロードして使えるが、使える範囲はモデルのライセンスで決まる。Ollama では、手元のモデルに送る要求に API キーが要らない。GPU やメモリを積んだ機械と、その電気代は自分で負担する。
インターネットにつながずに使えるか
使える構成もある。TRAIL の DB では、Antigravity の SDK はローカルのモデルでオフラインでエージェントを動かせる。ただし、モデルのダウンロードにはインターネットが要る。GitHub Copilot CLI のように、ローカルのモデルを選んでもオフラインモードにならないツールもある。
どのくらいのパソコンが要るか
モデルの大きさによる。TRAIL の DB では、TinySwallow-1.5B はスマートフォンや PC 上で動き、Antigravity の SDK は24GBを超える VRAM かユニファイドメモリを推奨している。Ollama は、GPU に載りきらないモデルを GPU とパソコンのメモリに分けて載せる。
オープンウェイトとローカルLLMの違いは何か
オープンウェイトは重みが公開されたモデルのことで、ローカルLLMはモデルを手元で動かす使い方のことだ。手元で動かすには重みが要るので、動かせるのは重みを入手できるモデルになる。TRAIL の DB には、Muse Spark Open のように重みを公開しつつ API でも使えるモデルもある。
日本語で使えるローカルLLMはあるか
ある。TRAIL の DB では、Sakana AI が2025年1月30日に1.5Bの日本語の小さなモデル TinySwallow-1.5B を Hugging Face で公開した。TinySwallow-1.5B-Instruct のモデルカードによると、日本語で指示に従い会話する力を高める追加の調整をしている。
関連する用語
- オープンウェイト:手元で動かすには、重みが公開されたモデルを使う
- LLM(大規模言語モデル):ローカルLLMで動かすモデルの種類
- コンテキストウィンドウ:一度に読ませられる長さ。ローカルでは設定で変わる
- ファインチューニング:手元の重みを自社のデータで追加学習する
- ツール:OpenClaw、GitHub Copilot、Google Antigravity、DeepSeek、Sakana AI
- 記事:OpenClaw の使い方、Muse Spark Open の公開
出典
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)
