ナレッジカットオフとは?意味・仕組みと主要モデルの期限(2026年11月時点)
ナレッジカットオフ
Knowledge Cutoff / 知識カットオフ / 学習データのカットオフ / Training Data Cutoff / 学習データの期限
ナレッジカットオフとは、AIのモデルが学習した情報がいつまでのものかを示す日付のこと。それより後の出来事はモデル自身の知識に入っていないため、ウェブ検索などで補う。
要するに
- カットオフは提供元のモデルのページなどに載り、日まで・月までと書き方が各社で違う
- 表のモデルはどれも、公開日がカットオフより後になっている
- 新しい情報はウェブ検索や渡した資料で補い、出典を確かめる
最終確認

主要なモデル
| モデル | 提供元 | 公開日 | Arena の順位(文章・総合) | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ||||
| Meta | — | |||
| Anthropic | — | |||
| OpenAI | 21位 | |||
| Anthropic | 32位 | |||
| Anthropic | 2位 | |||
| OpenAI | 67位 | |||
| OpenAI | 91位 | |||
Grok 4.7 | SpaceXAI(旧 xAI) | 90位 | ||
Sakana Fugu Max | Sakana AI | — | ||
Sakana Fugu Ultra v2 | Sakana AI | — | ||
| DeepSeek | 39位 | |||
| OpenAI | 35位 | |||
| 8位 | ||||
| Meta | — | |||
| Anthropic | 6位 | |||
| DeepSeek | 55位 | |||
Grok 4.6 | SpaceXAI(旧 xAI) | 72位 | ||
Sakana Namazu | Sakana AI | — | ||
Grok 4.5 | SpaceXAI(旧 xAI) | 51位 | ||
| 17位 | ||||
| Perplexity AI | — | — |
Arena の順位は、文章・総合の順位表(414件、公開)での最上位の行です。出典は Arena(旧 LMArena)のデータセット(CC BY 4.0)。人の投票による目安で、「—」は順位表にないモデルです。
対話AIのウェブ検索に関わる出来事
目次8
ひとことで言うと
ナレッジカットオフは、AI のモデルが学習した情報がいつまでのものかを示す日付だ。モデルは大量の文章で学習して知識を身につけるが、その文章はある時点までに集めたものに限られる。その時点より後に起きたことは、モデル自身の知識には入っていない。
たとえば、2026年4月までの情報で学習したモデルに、2026年9月に変わった制度を尋ねても、モデルだけでは古い答えしか返せない。Anthropic と Google は、ウェブ検索の機能を、モデルの知識の期限(knowledge cutoff)を越えて新しい情報で答えるための道具と説明している。OpenAI もウェブ検索で最新の情報に出典付きで答えられるとしている。
仕組み
- 学習の材料を集める:提供元は、ウェブで公開されている文書、ライセンスを得たデータ、合成データ(AI などで作ったデータ)などを集める。Anthropic と Google のモデルの説明に、こうした材料が挙がっている。
- 学習して公開する:集めた材料でモデルを学習させ、公開する。提供元は、学習した情報がいつまでのものかをカットオフとして示す。
- 使う:モデルはカットオフより後の出来事を自分の知識からは答えられない。新しい情報が要るときは、ウェブ検索や渡された資料を使う。
提供元はモデルのページにカットオフを書いている。OpenAI のモデルのページは「knowledge cutoff」として日付を載せている。Anthropic は2種類を分けて載せている。日本語のページでは「信頼できる知識カットオフ」と「トレーニングデータのカットオフ」だ。
表で見る最新の状況
上のモデルの表は、TRAIL の DB にある主なモデルを、公開の新しい順に並べたものだ(最新の確認は2026年10月24日)。DB にはカットオフの項目がないため、提供元のモデルのページ(Gemini 4 Argon はモデルカード)に載っている日付を、DB の公開日と並べた。カットオフは2026年11月1日に確かめた。
| モデル | 公開日(TRAIL の DB) | ナレッジカットオフ(提供元のページ) |
|---|---|---|
| GPT-6.1 Sol | 2026年9月29日 | 2026年4月30日 |
| GPT-6 Sol | 2026年9月22日 | 2026年4月20日 |
| GPT-6 Luna | 2026年9月22日 | 2026年5月18日 |
| GPT-6 Astra | 2026年9月3日 | 2026年4月30日 |
| Claude Haiku 5.5 | 2026年10月7日 | 2026年6月 |
| Claude Sonnet 5.5 | 2026年9月28日 | 2026年6月 |
| Claude Opus 5.5 | 2026年9月22日 | 2026年6月 |
| Claude Fable 5.1 | 2026年9月1日 | 2026年6月 |
| Gemini 4 Argon | 2026年10月13日 | 2026年3月 |
- OpenAI の ChatGPT の GPT-6 系は、カットオフを日まで書いている。GPT-6 Sol は2026年4月20日、GPT-6 Luna は5月18日と、モデルによって日付が違う。
- Anthropic の Claude の4つのモデルは、どれも「信頼できる知識カットオフ」が2026年6月だ。Claude Opus 5.5 のページには、トレーニングデータのカットオフも2026年6月とある。
- カットオフはモデルの公開日と同じではない。上の表のどのモデルも、公開日はカットオフより後だ。
- Google の Gemini 4 Argon、Gemini 3.8 Flash、Gemini 3.1 Pro の API のモデルのページには、カットオフの記載がなかった。Gemini 4 Argon のモデルカード(モデルの説明書)には、Gemini 4 のカットオフは2026年3月で、分野によっては知識がそれより古いことがあると書かれている。
上の年表は、TRAIL の DB から、対話 AI のウェブ検索に関わる出来事7件を選び、古い順に並べたものだ。確認日は2026年10月10日から10月24日。
- 2023年11月29日、Perplexity は「オンライン LLM と pplx-api を一般公開」した。Web 検索の結果を使って最新の情報に答えるモデルだ。
- 2024年10月31日、ChatGPT は「ChatGPT search を提供」した。2025年2月には、サインインなしで全員が使えるようになった。
- 2024年12月には DeepSeek と Grok が、2025年4月15日には Claude の「Claude Research をベータ公開」が続いた。
- 2026年10月17日、DeepSeek は「自社の検索エンジンを API として公開」した。料金は Search と Fetch がそれぞれ、成功した要求1,000件あたり0.75ドルだ。
TRAIL の年表では、2026年10月17日に、検索エンジンそのものを API として公開する出来事も加わった。
ナレッジカットオフとウェブ検索の違い
| モデルの知識(カットオフまで) | ウェブ検索・グラウンディング | |
|---|---|---|
| 情報の出どころ | 学習に使った文章 | 質問のたびに検索したウェブの内容 |
| 新しさ | カットオフの時点まで | Google は「real-time」のウェブの内容とつなぐと説明している |
| 出典 | 示せない | 各社とも、答えに出典を付けるとしている |
Google の Gemini API のグラウンディング(検索結果に答えを結びつける機能)では、モデルが質問を読み、検索で答えがよくなるかを判断する。必要なら検索語を作って検索し、結果をまとめて、出典付きで答える。
仕事でどう関係するか
法改正や料金のような新しい情報を聞くとき
モデルのカットオフより後に変わった情報は、モデル自身の知識にはない。ウェブ検索を有効にして、出典を示させると確かめやすい。
2026年10月以降に改定された内容を含めて答えてください。
必ずウェブ検索を使い、根拠にしたページの名前、URL、公開日を答えに付けてください。
検索で確かめられなかった点は「確認できなかった」と書いてください。API で使うモデルを選ぶとき
提供元のモデルのページで、カットオフを確かめておくと、どこまでの知識を前提にできるかが分かる。OpenAI の GPT-6 系のように、同じ時期に出たモデルでも日付が違うことがある。
社内の資料や最新の資料で答えさせたいとき
社内の規程や新しい資料は、どのモデルの学習にも入っていない。資料を検索して AI に渡す RAG を使うか、資料をそのまま渡す方法がある。資料を一度に渡せる量はコンテキストウィンドウで決まる。
注意点と限界
- カットオフの書き方は提供元で違う。OpenAI は日まで、Anthropic は月まで書いている。Google は API のモデルのページには載せておらず、Gemini 4 Argon ではモデルカードに月まで書いている。
- Anthropic は「信頼できる知識カットオフ」と「トレーニングデータのカットオフ」を分けて載せている。モデルの一覧のページでは、前者をモデルの知識が最も広く信頼できる期間の最終日、後者を学習に使ったデータのより広い範囲と説明し、詳しくは Anthropic の Transparency Hub を見るよう案内している。
- カットオフより後の出来事を聞くときは、ウェブ検索を使うか資料を渡す。Google は検索のグラウンディングでハルシネーション(事実と違う答え)を減らせるとしている。
- 検索を使うときは、出典を開いて確かめる。Google は答えの根拠になったページを示すことで、利用者が確かめられるようにすると説明している。
よくある質問
ナレッジカットオフとは何か
AI のモデルが学習した情報がいつまでのものかを示す日付だ。それより後の出来事はモデル自身の知識には入っていない。
ChatGPT や Claude のカットオフはいつか
2026年11月1日に確かめた提供元のページでは、GPT-6.1 Sol が2026年4月30日、Claude Opus 5.5 が2026年6月だ。モデルごとに違うので、使うモデルのページで確かめる。
カットオフより新しいことは聞けないのか
ウェブ検索を使えば聞ける。OpenAI、Anthropic、Google は、検索の機能で新しい情報に出典付きで答えられるとしている。
公開日とカットオフはどう違うか
公開日はモデルが使えるようになった日で、カットオフは学習した情報の期限だ。表のモデルでは、どれも公開日のほうが後だった。
関連する用語
- LLM(大規模言語モデル):ナレッジカットオフがあるモデルの代表
- RAG:資料を検索して AI に渡し、モデルにない情報で答えさせる仕組み
- AI検索:ウェブを検索して答える AI のサービス
- ハルシネーション:AI が事実と違うことを答える現象
- コンテキストウィンドウ:AI が一度に読める量
- ツール:ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity、DeepSeek
出典
- GPT-6.1 Sol ModelOpenAI
- GPT-6 Astra ModelOpenAI
- GPT-6 Sol ModelOpenAI
- GPT-6 Luna ModelOpenAI
- Web searchOpenAI
- Models overviewAnthropic
- Claude Opus 5.5Anthropic
- Web search toolAnthropic
- Anthropic's Transparency Hub: Model ReportAnthropic
- Gemini 4 ArgonGoogle
- Gemini 3.8 FlashGoogle
- Gemini 3.1 Pro PreviewGoogle
- Gemini 4 Argon - Model CardGoogle DeepMind
- Grounding with Google SearchGoogle
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)

