Microsoft「Copilot」に財務向けの新機能25超 Excel と Cowork で
Microsoft は2026年10月29日、財務の仕事向けに25を超えるスキルとパートナー製プラグインを Copilot に加えた。Cowork 向けの2つのプラグインは一般提供で、会計の機能は Frontier で提供する。

この記事の要点
- Microsoft は2026年10月29日、財務の仕事向けに25を超えるスキルとパートナー製プラグインを Microsoft Copilot に加えた。
- 経理、決算、投資の分析をする部門に関係する。Excel の Copilot と Cowork で使う。
- Cowork 向けの2つのプラグインは一般提供で、会計の機能は Frontier での提供だ。
目次6
何が発表されたか
Microsoft Copilot を提供する Microsoft は2026年10月29日、財務向けのスキルとプラグインを加えた。発表は Microsoft の Copilot ブログに載った。
加わったのは、会計、資本市場、財務全般の仕事向けに作った25を超えるスキルとパートナー製プラグインである。スキルは決まった種類の仕事をこなすための手順のまとまりだ。プラグインは外部のサービスや仕事の型を Copilot につなぐ部品にあたる。Microsoft は2026年6月に、Excel の Copilot で財務スキルを出していた。今回はその範囲を広げた。
1つ目は会計の機能で、Excel の Copilot と Cowork で使う。勘定の照合では残高や取引を比べて食い違いを見つけ、確認用の調整項目を用意する。仕訳では未払計上や振り替えなどの下書きを作り、貸借が合っているかも確かめる。計画と実績の差を分析し、何が変わったかを説明する報告も作れる。監査、税務、予算と分析(FP&A)、コンプライアンス向けの機能もある。
Excel では会計の機能を使うたびに監査証跡を残すかを選べるようになる。選ぶと、Copilot が何をなぜ変えたかの記録が、チャットの履歴に残る。
2つ目は Cowork 向けの Capital Markets プラグインだ。Cowork は複数のファイルや手順にまたがる仕事を任せられる機能である。銀行、調査、プライベートエクイティ、資産運用の担当者が対象になる。発表は例として、投資案件の資料をそろえて推奨を書く作業と、買収の仮説をモデルで試す作業を挙げた。割引キャッシュフロー(DCF)による企業価値の評価や、投資委員会向けのメモにも対応する。
発表には、Cowork の Capital Markets プラグインの画面が載っている。

3つ目は Cowork 向けの Finance プラグインだ。企業の財務部門がファイルや会話をまたいで仕事を任せられる。例は決算の確認資料をまとめる作業と、予算の見直しを経営陣への報告まで進める作業である。
社内外のデータともつなぐ。Dynamics 365 ERP アプリのプラグインは、財務と業務のデータを Copilot に取り込む。Fabric IQ は Power BI のレポートなどを分析に使えるようにする。パートナー製のプラグインは5つの分野にわたる。名前が挙がったのは Intuit QuickBooks、Xero、Moody's、FactSet、Morningstar、S&P Global、Mercury などだ。
数字は Microsoft の発表による。会計のスキルは Insiders への7日間の限定公開で、8,000人を超える利用者が44,000回を超えて使った。
年表で見ると
TRAIL の年表では、Microsoft Copilot の更新が2026年10月に続いている。2026年10月9日には Copilot アプリの中で Word、Excel、PowerPoint を使えるようにした。今回の発表も、この仕組みで Excel を Chat や Cowork の中で開けると説明している。
分野ごとのスキルも加わってきた。10月8日には Dynamics 365 の営業、サービス、顧客インサイト向けに30の新しいスキルを加えた。10月15日には法務向けのスキルを一般提供した。今回の財務向けはそれに続く。基準日の2026年10月30日までに、10月の出来事は7件ある。
TRAIL の年表では、10月の Copilot の7件のうち3件が、営業・サービス、法務、財務という仕事の分野ごとのスキルの追加だ。9月25日の Home・Code・Autopilot の新しい Copilot は、年表で重要度3の節目として記録している。
同じカテゴリで比べると
対話型AIの分野で10月下旬にあったほかの更新から、仕事での使い方に関わるものを挙げる。
| ツール | 出来事 | 日付 |
|---|---|---|
| Claude | Enterprise に利用分析と共有予算 | 2026年10月28日 |
| Gemini | Connected Apps Platform をプレビュー公開 | 2026年10月28日 |
| Claude | Enterprise でチャットと Cowork が統合 | 2026年10月23日 |
仕事の手順を AI に組み込む仕組みは、ほかの会社にもある。TRAIL の年表では、2026年9月30日に Gemini が Skills を世界で提供した。9月29日には、ChatGPT が Meetings プラグインをベータで公開した。ほかの項目は比較表にまとめている。
誰が、いくらで使えるか
発表によると、提供の段階は機能ごとに違う。
- 会計の機能(Excel の Copilot と Cowork):Frontier で提供
- Excel の Copilot の財務スキル、Cowork 向けの Capital Markets と Finance のプラグイン:一般提供
- Fabric IQ:Cowork で一般提供
- Dynamics 365 ERP アプリのプラグインとパートナー製プラグイン:Microsoft のプラグインレジストリで順次提供を開始
一般提供は試験段階を終えて正式に使えるようになることを指す。Frontier は、発表で一般提供とは別に挙げられた提供の段階である。他社のサービスには、それぞれの会社との別の契約や、管理者による有効化が要る場合があるという。
どのライセンスで使えるか、料金がかかるかは、発表に書かれていない。参考までに、TRAIL の料金表では、日本の Microsoft 365 Copilot は1ユーザー月額4,497円(年契約、税別)だ。TRAIL の年表では、2026年9月25日の発表で、Cowork の作業は Copilot Credits による従量課金とされた。
データの扱いについても説明がある。Copilot は、使う人が見られる内容だけを扱い、秘密度のラベルにも従う。指示や文書を、基になる AI モデルの学習には使わないとしている。
まだ分からないこと
- 財務のスキルとプラグインを使うのに必要なライセンスと、追加の料金があるかどうか。
- 日本語のデータや日本の会計基準で使えるかどうか。
- パートナー製プラグインのうち、日本で使えるものがどれか。
次に見るもの
Dynamics 365 ERP アプリのプラグインとパートナー製プラグインは、プラグインレジストリで順に配り始めた段階だ。Excel で会計の機能を使うときに監査証跡を残す選択肢も、今後加わる。
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.10.29 まで。




