Microsoft「Copilot」に法務向けスキル20種超 世界で一般提供
Microsoft は2026年10月15日、法務向けの20以上のスキルを Microsoft Copilot で一般提供した。Word と Cowork で契約書の作成や審査を手伝う。外部の法務サービスとつなぐプラグインも順に加わる。
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.10.15 まで。
- Microsoft は2026年10月15日、法務の仕事向けに作った20以上のスキルを Microsoft Copilot で一般提供した。
- 契約書の作成や審査をする法務部門と法律事務所に関係する。外部の法務サービスとつなぐプラグインも順に加わる。
- 世界中の Microsoft Copilot の顧客が、同じ日から使える。
何が発表されたか
Microsoft Copilot を提供する Microsoft は2026年10月15日、法務向けのスキルを一般提供した。一般提供は、試験段階を終えて正式に使えるようになることを指す。発表は Microsoft の Copilot ブログに載った。
一般提供になったのは、法務の仕事向けに作った20以上のスキルと、他社が作った新しいプラグインである。スキルは、決まった種類の仕事をこなすために Copilot に組み込む手順のまとまりだ。プラグインは、外部のサービスを Copilot につなぐ部品にあたる。Microsoft は以前、これらの機能を Legal Agent として紹介していた。今回、Copilot の法務プラグインとしてまとめた。
使う場所は主に2つある。1つは Word で、文書を深く読み込んで直す作業を手伝う。たとえば契約書の修正では、Copilot が条文の直し方を考え、Word が変更履歴として反映する。文書の書式は崩さない。新しい契約書を作るときは、SharePoint にある承認済みのひな形を下敷きにできる。
もう1つは Cowork で、複数のファイルや手順にまたがる仕事を任せられる。発表は例として、複数の契約にまたがる義務と期限の管理、契約どうしの主な条件の比べ方、事件の経過表の作成を挙げている。
外部のサービスとは、プラグインでつなぐ。Microsoft のプラグインレジストリ(プラグインを配る仕組み)で、同じ日から順に配り始めた。今後も増やすとしている。分野は5つで、法律の調査、文書や案件の管理、契約と電子署名、法務向けの AI、電子証拠開示である。名前が挙がったサービスには、Bloomberg Law、iManage Work、Box、Docusign、Adobe Acrobat Sign、Harvey、Legora、Everlaw、Relativity などがある。
数字は Microsoft の発表による。4月に先行版(Frontier)として出てから、1,800人を超える利用者が、10万件近い修正を作った。提案のうちおよそ10件に7件が採用されたという。
年表で見ると
TRAIL の年表では、Microsoft Copilot の大きな更新がこの数か月に続いている。2026年6月16日には Copilot Cowork を一般提供した。9月25日には、Home、Code、Autopilot をそろえた新しい Copilot を発表した。どちらも、年表で重要度3の節目として記録している。
10月に入ってからは、仕事の分野ごとの機能が加わっている。10月8日には、Dynamics 365 の営業やサービス向けに30の新しいスキルを加えた。今回の法務向けは、それに続く分野別のスキルになる。基準日の2026年10月19日までに、10月だけで3件の出来事がある。
TRAIL の年表では、10月の Copilot の更新は3件で、うち2件が Dynamics 365 の営業・サービス・顧客インサイト向けの30のスキルと、法務向けの20以上のスキルという分野別の追加だ。6月に一般提供した Cowork は、今回の法務の機能を使う場所の1つになっている。
同じカテゴリで比べると
対話型AIの分野では、10月15日前後にほかの更新も続いた。
| ツール | 出来事 | 日付 |
|---|---|---|
| ChatGPT | ChatGPT で共同編集できるスライド機能 | 2026年10月16日 |
| ChatGPT | 音声モデル GPT-Live-1.1 と日本語の声 | 2026年10月15日 |
| Claude | Opus 5.5 の fast mode が正式提供に | 2026年10月15日 |
| Muse | Muse Spark Open の重みを公開 | 2026年10月15日 |
仕事の手順を AI に組み込む仕組みは、ほかの会社にもある。TRAIL の年表では、2026年9月30日に Gemini が Skills を世界で提供した。9月29日には、ChatGPT が Meetings プラグインをベータで公開した。ほかの項目は比較表にまとめている。
誰が、いくらで使えるか
発表は、法務の新しい機能が世界中の Microsoft Copilot の顧客に一般提供されたとしている。どのライセンスで使えるかは、発表に書かれていない。参考までに、TRAIL の料金表では、日本の Microsoft 365 Copilot は1ユーザー月額4,497円(年契約、税別)である。ただし、法務の機能にこのライセンスが要るかどうかは分からない。
扱う情報の守り方についても説明がある。Word では、Copilot が示した修正は、使う人が承認したときにだけ反映される。Copilot は、使う人が見られる内容だけを扱い、秘密度のラベルにも従う。指示や文書を、基になる AI モデルの学習には使わないとしている。
日本語の契約書や日本の法律での扱いは、発表に書かれていない。
まだ分からないこと
- 法務のスキルを使うのに必要なライセンスと、追加の料金があるかどうか。
- 20以上のスキルの一覧と、日本語に対応しているかどうか。
- 他社のプラグインが、日本でいつ使えるようになるか。
次に見るもの
Microsoft は、文書の中で定義した用語とその定義の間を行き来できる Word の新しい機能を、10月中にプレビューで出すとしている。10月22日には、Word での法務スキルを紹介するオンライン説明会を開く。
