パラメーター(パラメータ数)とは?意味・仕組みとモデルの大きさの年表(2026年10月時点)
パラメーター(パラメータ数)(ぱらめーたー)
パラメーター数 / パラメータ数 / Parameter count / 総パラメーター数 / アクティブパラメーター
パラメーターとは、AI のモデルが学習で決める重みなどの数値のこと。その数をパラメーター数と呼び、「70B」(700億)のように書いてモデルの大きさを表す。
要するに
- AI のモデルが学習で決める重みなどの数値の数。「70B」は700億個を表す
- MoE のモデルは、全体の数と1トークンごとに動く数の2つを書き分ける
- 数が多いほど要るメモリは増えるが、性能は学習データの量などにも左右される
最終確認

パラメーター数が書かれた言語モデルの出来事
原論文と関連研究
目次8
ひとことで言うと
パラメーターは、AI のモデルが学習で決める数値のことだ。Google の機械学習の用語集はパラメーターを「モデルが学習の間に学ぶ重みとバイアス」と定義している。重みは、モデルが入力の値に掛け合わせる値だ。LLM(大規模言語モデル)の説明でよく見る「70B」のような数字は、このパラメーターがいくつあるか(パラメーター数)を表す。
身近な例は、同じ名前のモデルに大きさの違う版があることだ。Google の Gemma 4 には、Pixel や Chrome のような端末やブラウザ向けの E2B と E4B(有効パラメーター2B と4B)から、310億パラメーターの31B まである。大きな版ほど、動かすのに多くのメモリが要る。
仕組み
パラメーターは作るときと使うときで次のように扱われる。
- 学習で値を決める。Google の用語集は学習を「モデルの最適な重みを決める作業」と説明する。
- 人が先に決める値は分けて扱う。学習率などの、人やチューニングのサービスがモデルに与える値は「ハイパーパラメーター」と呼ぶ。
- 決まった値(重み)を公開するモデルもある。オープンウェイトのモデルでは、重みのファイルを入手して手元で動かせる。xAI は2024年3月に Grok-1 の重みを公開した。
- 使うときは、重みをメモリに読み込んで推論(学んだ重みで答えを出すこと)をする。Google は Gemma 4 の読み込みに要るメモリを、パラメーター数と量子化の度合いをもとに見積もっている。
数え方の単位は英語の位取りで、B は billion(10億)を表す。Chinchilla の論文は「70 million to over 16 billion parameters」と書き、同じ要旨の中で Chinchilla を「70B parameters」と書いている。70B は700億、671B は6,710億だ。
MoE(専門家の混合)のモデルでは、パラメーター数を2つ書く。全体のパラメーター数(total)と、1トークン(AI が文章を数える単位)を処理するときに動くパラメーター数(activated、active)だ。DeepSeek の Hugging Face のモデルカードでは、DeepSeek-R1 は全体が671B、動くのが37B だ。xAI は Grok-1 を、3,140億パラメーターのうち1トークンで動く重みが25%の MoE と説明している。Google の Gemma 4 26B A4B は全体26B の MoE で、生成のときにトークンごとに動くのは40億パラメーターだ。
表で見る最新の状況
上の年表は TRAIL の DB から、出来事の説明かモデルの名前にパラメーター数が書かれた言語モデルの出来事11件を古い順に並べたものだ。開発元は Perplexity、xAI、DeepSeek、Sakana AI、Meta、Google の6つで、確認日は2026年10月10日から10月24日。
最初は2023年11月29日で、Perplexity が pplx-7b-online と pplx-70b-online を API で公開した。2024年3月17日には xAI が314B の Grok-1 の重みを公開し、12月26日には DeepSeek が総パラメーター671B、活性化37B の DeepSeek-V3 を公開した。2025年1月30日の Sakana AI の TinySwallow-1.5B は1.5B だ。
2026年には、全体と動く量の2つを書いた発表が DeepSeek と Meta から出た。4月24日の DeepSeek-V4 のプレビュー版は、V4-Pro が総1.6T(1.6兆)で活性化49B、V4-Flash が総284B で活性化13B だ。10月15日に Meta が重みを公開した Muse Spark Open は、総パラメーター8,160億のうち420億が動く。
小さい側では、10月16日に Perplexity が判定用のモデル pplx-decider-flash-v1.2 を4B で出した。料金は入力100万トークンあたり0.01ドル(1万トークンあたり0.0001ドル)だ。
TRAIL の年表では、2026年の出来事だけでも4B から1.6T までのモデルが並ぶ。9月23日に Antigravity SDK がローカルのモデルに対応した出来事では、最初に対応したのが Gemma 4 26B A4B で、24GB を超える VRAM(GPU のメモリ)かユニファイドメモリを推奨している。
全体のパラメーター数と動くパラメーター数の違い
| 全体のパラメーター数(total) | 動くパラメーター数(activated) | |
|---|---|---|
| 数えるもの | モデルが持つパラメーターのすべて | 1トークンの処理で動くパラメーター |
| 書き方の例 | DeepSeek-R1 の671B、Gemma 4 26B A4B の26B | DeepSeek-R1 の37B、Gemma 4 26B A4B の4B |
| 推論で読み込むメモリ | すべて読み込む必要がある(Gemma 4 26B A4B の場合) | Gemma 4 26B A4B では、動くのが4B でも26B すべてを読み込む |
| MoE でないモデル | Gemma 4 31B のように1つの数で書く | 同左 |
Google の Gemma 4 のドキュメントは、26B A4B について、速いルーティングと推論の速さを保つために、260億パラメーターのすべてをメモリに読み込む必要があると書く。そのため、必要なメモリは4B のモデルより、26B の密なモデルにずっと近いという。
仕事でどう関係するか
モデルを社内のパソコンやサーバーで動かすか決めるとき
ローカルLLMとして手元で動かすなら、パラメーター数から必要なメモリの見当がつく。Google は Gemma 4 の推論に要る GPU か TPU のメモリのおおよその量を表で出している。31B のモデルは16ビットで69.9GB、量子化(数値の精度を下げてメモリを減らすこと)した4ビットで17.5GB だ。最も小さい E2B は16ビットで11.4GB、4ビットで2.9GB になる。この表はほかに読み込むものの分として20%を上乗せした値だ。
Meta によると、300億パラメーターの Muse Glimmer はそのままの精度では55GB を超えるメモリが要り、一般向けの GPU が持つ量をはるかに超える。Meta は重みを約4ビットに圧縮して20GB 未満にし、作業用のメモリなどと合わせて24GB か32GB に収めている。
大きなオープンウェイトのモデルの置き場所を考えるとき
Meta は総パラメーター8,160億の Muse Spark Open について、Mac Studio(M5 Ultra)は1台で最大512GB を GPU に使えるので、2台でモデル全体を収められると説明している。動くのは420億パラメーターだが、2台で収めるのはモデル全体だ。
モデルの名前の「70B」を読むとき
モデルの名前にパラメーター数が入っていることがある。DeepSeek-R1 と同時に公開された蒸留モデル(R1 が作ったデータで既存の公開モデルを調整したもの)は6種で、名前は DeepSeek-R1-Distill-Qwen-1.5B から DeepSeek-R1-Distill-Llama-70B までだ。仕様の文章から2つの数を分けて読むときは、次のように頼める。
次のモデルの仕様を読み、全体のパラメーター数と、1トークンあたりに動くパラメーター数を分けて書き出してください。書かれていない項目は「記載なし」としてください。
仕様:(モデルカードの文章を貼る)注意点と限界
パラメーター数だけでは、モデルの性能は決まらない。Chinchilla の論文は、700億パラメーターの Chinchilla が、2,800億の Gopher、1,750億の GPT-3、5,300億の Megatron-Turing NLG などを幅広い評価で上回ったと報告した。Chinchilla は Gopher と同じ計算量で、4倍のデータで学習している。論文は、計算量を最適に使うには、モデルの大きさと学習のトークン数を同じ割合で増やすべきだとした。
LLaMA の論文も、130億パラメーターの LLaMA-13B が、ほとんどのベンチマークで1,750億の GPT-3 を上回ったと書いている。2020年の Scaling Laws の論文は、言語モデルの損失(予測の外れ具合)が、モデルの大きさ、データの量、学習の計算量のそれぞれとべき乗の関係にあると報告した。Google も Gemma 4 のドキュメントで、パラメーターとビット数が多いモデルは一般に能力が高いが、少ないモデルでも作業によっては足りる場合があると書く。
パラメーター数を公表しない提供元もある。OpenAI は2023年の GPT-4 の技術報告で、競争の状況と安全性を理由に、モデルの大きさを含む構造の詳細を載せていない。
メモリの見積もりにも限りがある。Gemma 4 のドキュメントによると、表の値は重みを読み込む分だけで、入力と出力のトークンが多いほど、使うメモリが増える。ファインチューニングには、推論よりかなり多くのメモリが要るという。
よくある質問
「70B」は何を表すのか
パラメーターが700億個あるという意味だ。B は billion(10億)の頭文字で、70B は700億になる。DeepSeek-R1-Distill-Llama-70B のように、モデルの名前に入ることも多い。
「671B(37B アクティブ)」はどう読むのか
MoE のモデルで、全体が6,710億パラメーター、1トークンの処理で動くのが370億パラメーターという意味だ。DeepSeek-R1 のモデルカードは、この2つを別の列で書いている。Google は Gemma 4 の MoE のモデルについて、全体のパラメーターをすべてメモリに読み込む必要があると書いている。
パラメーター数が多いほど賢いのか
それだけでは決まらない。Google は Gemma 4 のドキュメントで、パラメーターが多いモデルは一般に能力が高いと書く。一方で Chinchilla の論文では、70B のモデルがより大きな280B や530B のモデルを上回った。学習のデータの量や計算量も性能に関わる。
パソコンで動かせるのは何パラメーターまでか
決まった線はなく、メモリの量と量子化の度合いで変わる。Google の表では、Gemma 4 の31B は4ビットで17.5GB、16ビットで69.9GB が目安だ。長い文章を扱うと、さらにメモリが増える。
GPT-4 のパラメーター数は公表されているか
公表されていない。OpenAI は GPT-4 の技術報告で、モデルの大きさを載せないと書いている。公表されていない数字で、ほかのモデルと大きさを比べることはできない。
関連する用語
- LLM(大規模言語モデル):大量のパラメーターを持つ言語モデル
- MoE(専門家の混合):全体と動くパラメーター数を分けて書く作り方
- SLM(小規模言語モデル):パラメーター数を小さく抑えた言語モデル
- 量子化:パラメーターの精度を下げてメモリを減らす方法
- ローカルLLM:パラメーター数とメモリで、手元の機械で動かせるかが変わる
- オープンウェイト:パラメーターの値(重み)を公開したモデル
- ツール:DeepSeek、Muse、Grok、Perplexity、Sakana AI、Antigravity
- 研究:Chinchilla の論文、Scaling Laws の論文、LLaMA の論文
- 記事:Meta の Muse Spark Open の公開
出典
- Machine Learning Glossary(parameter、weight、hyperparameter)Google for Developers
- Gemma 4 model overviewGoogle AI for Developers
- Training Compute-Optimal Large Language Models(arXiv:2203.15556)arXiv
- LLaMA: Open and Efficient Foundation Language Models(arXiv:2302.13971)arXiv
- Scaling Laws for Neural Language Models(arXiv:2001.08361)arXiv
- GPT-4 Technical Report(arXiv:2303.08774)OpenAI
- deepseek-ai/DeepSeek-R1(モデルカード)DeepSeek
- Open Release of Grok-1xAI
- Introducing Muse Glimmer: An Open Agentic Model That Runs on Your DeviceMeta
- Introducing Muse Spark Open, The Most Capable US Open-Weight Model to DateMeta
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)

