A2Aとは?意味・仕組みとエージェントの規格の年表(2026年11月時点)
A2A
Agent2Agent / Agent2Agent プロトコル
A2A(Agent2Agent)とは、別々の会社や仕組みで作られたAIエージェントどうしが、互いを見つけて作業を任せ、結果を受け取るための公開の通信規格のこと。
要するに
- エージェントは自分の能力や接続先を「Agent Card」というJSONの文書で示す
- 作業は「タスク」として状態を持ち、成果物は「アーティファクト」で返す
- 2025年4月にGoogleが発表し、のちにLinux Foundationに寄贈された
最終確認

エージェントの共通規格に関する出来事
目次8
ひとことで言うと
A2A(Agent2Agent)は、別々の会社や仕組みで作られた AIエージェントどうしが、互いを見つけ、作業を任せ、結果を受け取るための公開の通信規格だ。Google が2025年4月9日に発表し、公式サイトによると、のちに Linux Foundation に寄贈された。
身近な例として、Google は発表で採用の場面を挙げている。採用担当者が自分のエージェントに、求人の条件に合う候補者探しを頼む。そのエージェントが候補者を探す専門のエージェントとやり取りして結果を集める。面接が終われば、経歴の確認を別のエージェントに任せることもできる。複数のエージェントが作業を分け合うマルチエージェントの場面で、エージェントの間の受け渡しを共通にする規格だ。
仕組み
A2A の登場人物は3つだ。依頼を出す利用者、利用者に代わって依頼を送る A2A クライアント(クライアントエージェント)、依頼を受けて作業する A2A サーバー(リモートエージェント)。やり取りは次の順に進む。
- リモートエージェントは自分の名前、できること、接続先の URL、認証の方法を「Agent Card」という JSON の文書で公開する。仕様の例では /.well-known/agent-card.json という決まった場所に置く。
- クライアントは Agent Card を読み、そのエージェントが作業に合うか、どう依頼すればよいかを判断する。
- クライアントがメッセージを送る。メッセージは「パート」という単位の中身を持ち、文章、ファイル、構造化したデータを入れられる。
- すぐに答えられる依頼なら、リモートエージェントはメッセージで返す。時間のかかる依頼なら「タスク」をつくる。タスクには固有の ID と状態があり、作業中、入力待ち、完了、失敗などの状態をたどる。
- 作業の成果物は「アーティファクト」として返す。文書、画像、構造化したデータなどだ。
途中経過の受け取り方は3つある。クライアントが定期的に問い合わせる方法、つないだままの HTTP で逐次受け取る方法(Server-Sent Events)、作業に動きがあったときにリモートエージェントからクライアントの URL へ知らせる方法(プッシュ通知)だ。
仕様の最新版は1.0.0で、やり取りの形式として JSON-RPC、gRPC、HTTP/REST の3つを定めている。認証の方法は Agent Card に書き、OAuth のトークンや API キーは、ふつうは HTTP のヘッダーで渡す。1.0では Agent Card の署名を検証する仕組みも加わった。
表で見る最新の状況
上の年表は、TRAIL の DB にある AI エージェントの共通の規格に関わる出来事5件を古い順に並べたものだ。A2A そのものの出来事は2026年11月1日の時点で DB にない。確認日は2026年10月10日から10月22日。
- 2024年11月25日に Anthropic が「Model Context Protocol を公開」した。AI アシスタントを社内のデータやツールにつなぐ共通の規格だ。
- 2025年9月29日に OpenAI が、ChatGPT の会話の中で買い物を終えられる Instant Checkout と、Stripe と共同で開発した Agentic Commerce Protocol を発表した。
- 2026年3月4日に、Agent Client Protocol を通じて JetBrains の開発ツールから Cursor を使えるようになった。6月2日には Cognition が「Devin Desktop を発表」し、同じ規格で他社のエージェントも動かせるとした。
- 2026年10月22日に、Anthropic がエージェントに作業の手順を教えるオープン標準 Agent Skills を、Linux Foundation の下にある Agentic AI Foundation に寄贈すると発表した。
TRAIL の年表では、エージェントをつなぐ規格が、ツールとの接続、買い物、開発ツール、作業の手順と、用途ごとに分かれて出ている。A2A はその中で、エージェントどうしのやり取りを受け持つ規格にあたる。
A2A と MCP の違い
| A2A | MCP | |
|---|---|---|
| つなぐ相手 | エージェントとエージェント | エージェントとツール、API、データ |
| 発表 | Google、2025年4月9日 | Anthropic、2024年11月25日 |
| 役割 | ほかのエージェントを見つけ、作業を任せ、結果を共有する | 1つのエージェントに、仕事に必要な道具を持たせる |
| 相手の中身 | 相手の記憶やツール、独自の処理を共有せずにやり取りする | (出典に記載なし) |
公式サイトは A2A と MCP を、競合せず補い合うものだと説明している。MCP で1つのエージェントに必要な道具を持たせ、A2A でそのエージェントをほかのエージェントと協力させる、という使い分けだ。Google も発表で、A2A は MCP を補う規格だと書いている。
仕事でどう関係するか
社内のエージェントを組み合わせたいとき
部署ごとに別の会社のエージェントを入れていると、エージェントの間で作業を受け渡す方法が問題になる。Google によると、A2A は異なる会社や仕組みで作ったエージェントどうしの協力を目的にしている。発表には Atlassian、Box、Salesforce、SAP、ServiceNow、Workday など、50を超える技術のパートナーが支援と貢献の意思を示していた。
ツールを選ぶとき
導入を考えているエージェントの製品が A2A に対応しているかは、提供元の公式ドキュメントで確かめる必要がある。TRAIL の DB には、まだ A2A への対応の出来事が入っていない。
次のエージェントの製品が、A2A(Agent2Agent)プロトコルのクライアントかサーバーとして動くかを、公式ドキュメントのURLつきで表にしてください。対応している仕様の版も書いてください。
(製品名を書く)時間のかかる作業を任せるとき
Google は設計の原則に、数時間から数日かかる調査のような長い作業への対応を挙げている。人の確認を待つ場面もそこに含まれる。仕様では、タスクが入力待ちや認証待ちの状態で止まり、クライアントの返事を待てる。
開発を頼むとき
公式サイトは Python、JavaScript、Java、C#/.NET、Go、Rust の SDK を出している。自社のエージェントを A2A で外から呼べるようにするなら、Agent Card に何を書き、どの認証を求めるかを、開発の担当者と決めることになる。
注意点と限界
- A2A はエージェントと自分のサブエージェントの間のやり取りや、ツールの呼び出し方を定めていない。そうしたやり取りには使っているフレームワークの機能か MCP を使うよう、公式サイトは書いている。
- A2A はエージェントを作るための開発キットではない。公式サイトは A2A を、LangGraph、CrewAI、Google の ADK のような開発キットで作ったエージェントの間をつなぐ層だと説明している。
- 人どうしが話すチャットのアプリでもない。公式サイトによると、自律して動くエージェントのための、機械どうしの規格だ。
- 認証の方法は Agent Card で示すが、資格情報は A2A のメッセージとは別に、ふつうのウェブの仕組み(HTTP のヘッダー)で渡す。
- 仕様は版を重ねている。0.3.0から1.0では、message/send が SendMessage になるなど操作の名前が変わり、互換性のない変更も含まれる。
よくある質問
A2A は何の略か
Agent2Agent の略だ。AI エージェントどうしをつなぐための公開の通信規格を指す。
A2A は誰が作ったのか
Google が2025年4月9日に発表した。公式サイトによると、もとは Google が開発し、Linux Foundation に寄贈された。いまは AWS、Cisco、Google、IBM Research、Microsoft、Salesforce、SAP、ServiceNow の代表がいる技術運営委員会が管理している。
A2A と MCP はどちらを使えばよいのか
役割が違うので、両方を組み合わせて使える。MCP はエージェントとツールをつなぎ、A2A はエージェントどうしをつなぐ。公式サイトは2つが補い合うものだと説明している。
Agent Card とは何か
エージェントが自分の名前、できること、接続先、認証の方法を書いた JSON の文書だ。クライアントはこれを読んで、どのエージェントに依頼するかを決める。
A2A は無料で使えるのか
規格は Apache License 2.0 で公開されている。つなぐエージェントの製品の料金は、それぞれの提供元の料金表で確かめる必要がある。
関連する用語
出典
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)