- 初代YOLOは画像を格子に分け、枠とクラスの確率を一つのネットワークで予測する。
- VOC 2007で標準YOLOは45fps、mAP 63.4%。Fast YOLOは155fpsだがmAP 52.7%だった。
- 位置のずれや小物体の見逃しが残り、速度だけで優劣は決まらない。
何を確かめた研究か
YOLOの原論文は、候補領域を先に多数作り、領域ごとに分類する検出器の流れを変えた。画像全体から直接、枠の位置、物体らしさ、クラスの確率を同時に予測する。一度のネットワーク評価で検出を行うため、リアルタイム処理を目指しやすい。
どう検証したか
PASCAL VOC 2007の検出精度とフレーム速度を、R-CNN系や当時の高速検出器と比べた。入力は448×448へ整形し、ネットワーク評価後に重複した枠を非最大抑制で整理する。速度はTitan X GPU上で、バッチ処理をせず測った。論文は誤りを位置のずれと背景の誤検出などに分け、どこで性能を失うかも調べた。
何が分かったか
標準YOLOは45fpsでmAP 63.4%、小型のFast YOLOは155fpsで52.7%だった。速度を上げると精度が下がる。R-CNN系と比べると背景を物体と取り違える誤りは少ない一方、枠の位置がずれる誤りが多かった。小さな物体が密集する場面にも弱いと著者らは述べる。後続版のYOLOの性能を、この初代の数字で代表させてはいけない。
一つの格子セルが予測できるクラスと枠には限りがあり、近くに複数の小物体がある場面では表現が窮屈になる。画像全体を一度に読む設計は背景との取り違えを減らしやすい反面、局所的な位置の精密さに代償が出た。どの誤りが高価かで、速度との交換条件は変わる。
限界と仕事との接点
速度はGPU、実装、画像サイズ、後処理の含め方で変わる。細かい位置が必要な検査や小物体の発見では、平均mAPが十分でも失敗し得る。導入時は対象サイズ別の再現率、枠のずれ、誤検出、全処理の遅延を同じ機材で測る。これは論文の誤り分析から導くTRAIL編集部の提案である。
また、カメラ映像では入力解像度だけでなく、撮影距離や動きのぶれによって対象の見え方が変わる。
論文内の平均値を現場の小さな対象の検出率へ直接置き換えない。