Temperature(温度)とは?意味・仕組みと各社の最新の扱い(2026年11月時点)
Temperature
温度 / 温度パラメータ
Temperature(温度)とは、AI が答えの言葉を1つずつ選ぶときのばらつきを決める設定値のこと。低いと答えがそろい、高いと多様になる。API のパラメーターとして指定する。
要するに
- 低い値は確率の高い言葉に寄せ、高い値は答えを多様にする
- Anthropic の2026-10-21版の API では、送ると400エラーになる
- Gemini 4 と Gemini 3.6 以降では、指定しても無視される
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目次8
ひとことで言うと
Temperature(温度)は、AI が答えの言葉を1つずつ選ぶときの、ばらつきの大きさを決める設定値だ。低くすると確率の高い言葉に寄って答えがそろい、高くすると答えが多様になる。OpenAI、Anthropic、Google の API で、リクエストに数値で指定するパラメーターとして用意されてきた。
身近な例でいうと、同じ「新商品のキャッチコピーを5つ考えて」という依頼でも、temperature が高いと毎回違う案が出やすく、低いと似た案が出やすい。ただし、Anthropic、Google、OpenAI の新しいモデルには、この値を自由に変えられないものがある。
仕組み
LLM(大規模言語モデル)は、文章を次のように作る。
- モデルは、次に来る候補のトークン(AI が文章を数える単位)ごとに確率を出す。
- 必要に応じて候補を絞る。Google によると、top_k は確率の高い上位 K 個に、top_p は確率の高い順に足して top_p の値に達するまでの候補に絞る。
- 残った候補から、temperature を使って1つを選ぶ。Google は、温度をトークンを選ぶときのランダムさの度合いと説明している。
Google は、温度が低いほど決まった答えが要る依頼に向き、高いほど多様で創造的な結果につながるとしている。温度0では、最も確率の高い答えが常に選ばれるという。
値の範囲と既定値は会社ごとに違う。OpenAI の Responses API では0から2で、既定値は1だ。0.8のような高い値は出力をよりランダムにし、0.2のような低い値はより的を絞った決まった出力にするという。Anthropic の Messages API(2023-06-01版)では0.0から1.0で、既定値は1.0だ。分析や選択式の作業には0.0に近い値、創作や生成の作業には1.0に近い値を勧めている。
各社の新しいモデルでの扱い
各社のドキュメントによると、新しいモデルでの扱いは次のとおりだ(2026年11月1日に確認)。
- Anthropic:API のリファレンスは、Claude Opus 4.6 より後に出たモデルでは temperature を設定できないとしている。1.0は互換のために受け付けるが、ほかの値は400エラーになる。リリースノートによると、「Claude Opus 4.7」と「Claude Sonnet 5」では、既定以外の値が400エラーになる。「Claude Haiku 5.5」でも、temperature などが400エラーを返すことがあるという。
- Google:Gemini 4 のモデルと Gemini 3.6 以降のモデルでは、temperature、top_p、top_k に独自の値を指定しても無視され、非推奨の警告が返る。Google は、今後のリリースでは400エラーを返すとしている。
- OpenAI:GPT-6 のモデル群の移行ガイドは、推論の量(reasoning effort)を none 以外にするときは、temperature と top_p をリクエストから外すよう求めている。ガイドによると、GPT-6 Astra と GPT-6.1 Sol は none に対応しない。
TRAIL の年表では、2026年10月21日に Anthropic が Claude API の新しい版 2026-10-21 を出した。この版では、temperature、top_p、top_k を送ると、既定値でも400エラーになる。
Anthropic と Google の新しいモデルでは、temperature を変えても効かないか、エラーになる。古いモデルで値を下げて答えをそろえていた使い方は、モデルを切り替えると使えなくなることがある。
Temperature と top_p の違い
| temperature | top_p | |
|---|---|---|
| 何を変えるか | 候補から選ぶときのランダムさの度合い | 確率の高い順に足して top_p の値に達するまでの候補に絞る |
| OpenAI の範囲と既定値 | 0から2、既定値は1 | 0から1、既定値は1 |
| Google の説明 | 温度0では最も確率の高い答えが常に選ばれる | 既定値は0.95 |
| 両方を変えてよいか | OpenAI は、どちらか一方を変えることを勧める | 同じ |
| 新しいモデルでの扱い | Anthropic は2026-10-21版で廃止、Google は Gemini 4 などで無視 | temperature と同じ |
Anthropic のリリースノートによると、2025年8月5日に出た Claude Opus 4.1 では、temperature と top_p を同時には指定できなかった。
仕事でどう関係するか
社内の問い合わせ対応やデータの抜き出しで、答えをそろえたいとき
古いモデルでは、temperature を下げて答えのぶれを減らす方法があった。Anthropic は分析や選択式の作業に0.0に近い値を勧めてきた。ただし、Anthropic は0.0でも結果は完全には同じにならないとしている。2026-10-21版の移行ガイドは、値を下げて出力をそろえていたリクエストはその効果を失い、代わりになる設定はないと書いている。
キャッチコピーや企画の案を多く出したいとき
Google は、温度が高いほど多様で創造的な結果につながるとしている。Anthropic も創作や生成の作業には1.0に近い値を勧める。新しいモデルでは既定値のまま使うことになるので、案の幅はプロンプトの書き方で指定する。
新商品の保冷バッグのキャッチコピーを10個考えてください。
- 機能を伝える案、季節感を出す案、ユーモアのある案を、それぞれ3つ以上入れる
- 似た言い回しの案は1つにまとめる
- 各案は20字以内古いプログラムを新しいモデルに切り替えるとき
AI API を使う社内のプログラムが temperature を送っていると、Claude の新しいモデルや2026-10-21版では400エラーになる。Anthropic は、3つのパラメーターをリクエストから外すか、値に頼るリクエストを2023-06-01版のままにするよう案内している。OpenAI の GPT-6 系でも、推論の量が none 以外なら temperature と top_p を外す。
Gemini の答えが決まり文句で止まるとき
Google は、安全のフィルタにかかったときにモデルが返す決まった答えを「フォールバック レスポンス」と呼ぶ。この答えが返る場合は、温度を上げてみるよう勧めている。Gemini 4 と Gemini 3.6 以降では温度の指定が無視されるので、この方法は古いモデルに限られる。
注意点と限界
- temperature を0にしても、答えが毎回同じになるとは限らない。Anthropic は、0.0でも結果は完全には決まらないとしている。
- 新しいモデルでは、指定しても無視されるか、エラーになる。Google は無視して警告を返し、Anthropic は既定以外の値を400エラーにする。
- Google は、Gemini 3.6 より前の Gemini 3 のモデルでも、推論の性能が下がらないよう既定値のままにするよう求めている。
- Anthropic の SDK と CLI の最新のメジャー版は、temperature、top_p、top_k を持たない。
- 値の範囲は会社ごとに違う。OpenAI は0から2、Anthropic は0.0から1.0だ。
よくある質問
temperature とは簡単に言うと何か
AI の答えのばらつきを決める設定値だ。低いと確率の高い言葉が選ばれて答えがそろい、高いと答えが多様になる。
temperature を0にすれば毎回同じ答えになるか
なるとは限らない。Google は温度0では最も確率の高い答えが常に選ばれると説明する一方、Anthropic は0.0でも結果は完全には決まらないとしている。
temperature はいくつにすればよいか
新しいモデルでは、指定せずに既定値で使う。Anthropic と Google は、リクエストから外すよう案内している。Anthropic は Claude Opus 4.6 より後のモデルで既定以外の値を400エラーにし、Google は Gemini 4 などで指定を無視する。古いモデルでは、Anthropic が分析には0.0に近い値、創作には1.0に近い値を勧めていた。
Claude で temperature を送るとエラーになるのはなぜか
Claude の新しいモデルと API の版で、temperature が使えなくなったからだ。API のリファレンスは、Claude Opus 4.6 より後のモデルでは1.0以外を400エラーにするとしている。2026-10-21版では、既定値でも送ると400エラーになる。
Gemini 4 で temperature を指定するとどうなるか
無視され、非推奨の警告が返る。Google は、Gemini 4 のモデルと Gemini 3.6 以降のモデルについてこう説明し、今後のリリースでは400エラーを返すとしている。
temperature と top_p の違いは何か
temperature は候補から選ぶときのランダムさを変え、top_p は確率の高い順に足した候補だけに絞る。OpenAI は、どちらか一方を変えることを勧めている。
関連する用語
- LLM(大規模言語モデル):temperature で答えのばらつきを決めるモデル
- 推論モデル:答える前に考えるモデル。GPT-6 系では推論の量によって temperature を外す
- AI API:temperature をリクエストに書いて送る仕組み
- プロンプトエンジニアリング:既定値で使うモデルでは、答えの幅をプロンプトで指定する
- ツール:Claude、ChatGPT、Gemini
- ニュース:Anthropic「Claude API」2026-10-21版 temperature などは400エラー
出典
- 公開
- 執筆
- TRAIL編集部(編集方針)