- YOLOv2は物体検出の速度と精度を改良し、VOC 2007で67 FPS時にmAP 76.8を報告した。
- YOLO9000はCOCOの枠付き検出データとImageNetの分類データを同時に使い、9000超のカテゴリの位置を予測する。
- ImageNet検出の200クラス中、枠付き学習と重なった44クラス以外の156クラスでもmAP 16.0だった。
何を確かめた研究か
多くの物体名の画像は集めやすくても、各物体の枠を描く注釈は高くつく。YOLO9000の論文は、検出用と分類用の異なるデータを一緒に学習し、枠付き注釈のないカテゴリへ検出を広げられるかを調べた。同時に、前世代の検出器を改良したYOLOv2の速度と精度も報告する。
どう検証したか
YOLOv2では入力解像度を変え、VOC 2007などの検出データでmAPとFPSを測る。YOLO9000ではCOCOの検出データとImageNetの分類データを、階層的なカテゴリ表現を介して共同で使う。ImageNet検出の200クラスで、COCOと重なる44クラスと、それ以外の156クラスを分けて評価した。
検出のmAPは物体の位置まで含む成績で、単純な画像分類の正解率とは違う。YOLOv2のVOC上の速度・精度と、YOLO9000のImageNet検出上のクラス拡張も、別の実験として読む必要がある。
何が分かったか
YOLOv2はVOC 2007で416×416入力ならmAP 76.8、67 FPS、544×544入力ならmAP 78.6、40 FPSだった。解像度を上げると精度が増す一方、処理速度は下がる。YOLO9000はImageNet検出の全200クラスでmAP 19.7、COCOと重ならない156クラスで16.0だった。分類ラベルしかないカテゴリでも、位置を予測する可能性を示した。
ただし16.0は高精度という保証ではない。9000超のカテゴリを出力できることと、全てのカテゴリで十分な検出精度があることは別だ。論文の分析でもクラスによって得意不得意がある。
限界は何か
ImageNet検出での156クラスは枠付きの学習データがない条件だが、画像分類のラベルは学習に使っている。完全に未知の物体を無データで見つける実験ではない。VOC上のFPSは当時の装置と実装での値で、現代のカメラ入力から表示までを含む遅延ではない。
仕事との接点
大量のカテゴリを扱う現場では、カテゴリ別に枠付き注釈の有無を整理し、重要なクラスの見逃し率を調べる。端末でのFPSも同じ解像度と入力経路で測る。これは論文の共同学習の条件から導くTRAIL編集部の提案であり、論文のmAPを業務の成功率へ置き換えない。