- Focal Lossは、正しく分類しやすい例の重みを下げ、難しい例へ学習を集中させる。
- RetinaNetの同じ構成で、通常の交差エントロピーよりCOCOの平均精度が2.9点高かった。
- 最大の検出得点はモデル規模や画像サイズ、追加学習時間も含む条件で読む必要がある。
何を確かめた研究か
Focal Lossの原論文は、画像の広い位置を一度に調べる一段式の物体検出器が、無数の簡単な「背景」候補に学習を引っ張られる問題を扱う。人が見たい物体は少なく、背景と分かりやすい位置が非常に多い。通常の交差エントロピーでは、個々の背景の損失が小さくても合計が支配的になる。
Focal Lossは、モデルが正解クラスに高い確率を付けるほど損失を弱める係数を掛ける。著者らはResNetと特徴ピラミッドを使うRetinaNetを作り、全候補から学びながら難しい例の寄与を残した。
どう検証したか
COCOで損失の係数を変え、通常の交差エントロピーや難例採掘と比較した。表1の要素除去実験は、同じRetinaNetの構成で損失を入れ替える。最終モデルの表2では、ResNet-101-FPNと800画素の入力に加え、尺度の変化を使う学習と1.5倍長い学習を行う。表1と表2は条件が異なる。
何が分かったか
表1では通常の交差エントロピーをクラス比で調整した場合の最高APが31.1、Focal Lossでγ=2、α=0.25の場合は34.0。差は2.9点で、同じ構成における損失の効果を確かめやすい。難例採掘の最良の設定と比べても、表1dでFocal Lossは36.0、相手は32.8だった。
表2のCOCO test-devではRetinaNetのResNet-101-FPNが39.1 AP、ResNeXt-101-FPNが40.8 APを得た。これを損失だけの効果と読むことはできない。特徴抽出器や入力サイズ、訓練方法も影響する。
限界と仕事との接点
学習中に難しい例へ重みを置く方法であり、背景と物体の比率やラベル品質が違う現場で同じ改善幅を保証しない。小さな物体や稀な物体の見逃しも、平均APだけでは見えにくい。導入では自社の物体、背景、撮影条件でAPと見逃しを分けて測り、実行時間を同じ機器で比較する。最後はTRAIL編集部の提案である。